2007年9月14日
郵政民営化凍結法案の成立を求める要請書
みんなのための郵便局を守る高知の会
世話人 正岡光雄
高知市北本町1−10-18高知中央郵便局内 郵産労高知支部気付

郵政産業労働組合高知支部
支部長 筒井潤

高知北本町1−10−18高知中央郵便局内
高知県労働組合連合会
執行委員長 高橋豊房
高知市丸の内2−1−10高知城ホール8F


 日頃より、県民の安全、暮らしと平和、地域の発展のためにご尽力をされているこ
とに敬意を表します。


 さて、本年10月1日より、郵政民営分社化が実施されようとしています。
 民営化を前に集配局の再編が行われ、過疎地の郵便局は配達センターと無集配局化
が実施をされました。時間外窓口も廃止をされました。このことにより、再編前より
も郵便物の配達に時間がかかるようになり、選挙での投票所入場券が1日で配達が終
了から、2日から3日とかかるようになり、選挙期間の短い
地方の自治体では期日前投票にも影響を与える事態となっています。過疎・僻地の郵
便局はみぢかな親しまれる郵便局ではなくなろうとしているのです。
 また、病院や自治体、大学内の年間利用回数が26000件などの基準に満たないATMが
撤去されました。また、簡易郵便局の閉鎖も相次いでいます。
 このような中で、「無集配局となった郵便局の採算があわないことを理由に廃止を
されるのではないか」と郵便局のネットワークが維持されるのかどうかに強い危惧の
声があがっています。もし、身近な郵便局がなくなることになれば、通信と金融のユ
ニバーサル・サービスの崩壊につながります。国会での論議で新たに地域社会貢献基
金が創設をされましたが、今後この確実な運用が求められます。また、民営化後の送
金手数料の大幅な値上げも発表されています。
 10月1日からの民営化を前に、このような地方切捨て、サービス低下の民営化にた
いし、「約束と違う」という声があがっています。

 郵政公社になり、アクションプランという合理化計画により、3年間で19154人の減
員になっています。また、定年前の退職が増加したことにより、民営化の当初計画人
員より1万1800人少なくなっています。そのような中でも、2003年度から2005年度の3
年間で人件費は209億円、残業代が306億円も増えています。また、民営化にむけて短
期間でのリハーサル訓練が行われています。「このままでは業務が混乱する」と、民
営化法に定められている半年間の実施延期を労働組合(郵政産業労働組合)は、公社
に求めています。

 先の参議院選挙の結果は、小泉・安倍構造改革の結果としての地域間格差、貧富の
拡大、安心・安全の破壊にたいする国民の審判であると考えます。構造改革の本丸と
いわれた郵政民営化についても、一端実施を凍結し、見直しをしていくべき時である
と思います。

 臨時国会開会にあたり、下記の点について要請いたします。

                   記

1.小泉前首相や竹中前郵政民営化担当大臣の国会での「万が一でも国民の利便に支
障が生じないようにしていきたい」「過疎地の郵便局はなくさない」などの国会答弁
や法律、附帯決議を誠実にまもらせていくために、地域住民・利用者の声を国会に届
けていただくこと。

 2.集配拠点局再編によるサービスの低下をさせない為に、見直しをするとともに
、配達センターの統括センターへの統合などの新たな集配局再編を行わず、時間外窓
口の復活などの措置により住民にとって便利で身近な郵便局にするようにすること。

 3.社会地域貢献基金の確実な運用によって社会福祉的な業務の維持や郵便局のネ
ットワークを維持すること。分社化によって通信と金融のユニバーサル・サービスが
損なわれないよう、全国どの郵便局でも、郵便、貯金、保険の窓口業務を維持するこ
と。

 4.郵政民営化法は、「預金保険料」(ゆうちょ銀行は、10年間で合計約9100億円
もの預金保険料を支払う予定)などのコスト負担や郵便局会社への委託手数料にも消
費税の負担(民営化の初年度の2007年度で、ゆうちょ銀行は411億円、かんぼ生命保
険は324億円にもなります。)があるなど、公共サービスの提供を支えてきた財政的
保証が解体されかねない状況をつくりだそうとしています。郵政民営化法が審議され
た国会審議で政府の「骨格経営試算」が出されましたが、ゆうちょ銀行は10年後には
600億円の赤字になることを予想しています。ゆうちょ銀行やかんぼ生命保険は早く
て3年後には株式上場をする計画ですが、このような民営分社化では、安心・安全の
サービスから投資信託や変額保険など、より手数料収入があり、元本割れのリスクの
ある商品販売に移っていくことが予想されます。また、過疎地の赤字郵便局の廃止や
、開設の義務化がとかれる10年後には、ゆうちょ銀行窓口やかんぽ生命保険の窓口が
開設されない郵便局が登場することが危惧されます。
 現在の郵便局のネットワークを維持し、通信と金融のユニバーサル・サービスの確
保するためには、郵便事業、郵便貯金事業、簡易保険事業の3事業一体体制の確立が
求められています。したがって、10月1日からの郵政民営化実施を一端凍結し、郵政
三事業一体経営を堅持するなどの見直しが必要です。
 そのためにも臨時国会での郵政民営化凍結法案の提出、成立にご尽力いただきます
ようよろしくお願いいたします。

以上



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