みちしるべ
No201 自治体交渉報告特集号
目次(ページ内リンク)
あはき交渉レポート 森本 幸一
人事課との交渉 大いに進展、街づくり、後期高齢者医療制度等について 有光 勲
「あはき、街づくり、読書権について」 井上 奈美子・山崎 辰雄
8月21日の高知市との交渉の報告(議会事務局、秘書広報課、子育て支援課、他) 畠山 俊惠
「家具転倒防止助成金制度」 井上 芳史
後期高齢者に対するあはき補助券 10月より復活、一層充実する県立図書館の障害者サービス 8・28高知市・県との懇談より 片岡 慈仲
9月4日 県立図書館懇談会報告 便利な機器やサービスいろいろ 中平 晃
2008年9月4日高知市交渉(点字図書館、福祉サービスなどについて) 吉岡 邦廣
「盲人ホームの行方にきちっと見張りを」 〜県障害福祉課との陳情交渉〜 生田 行信
2008年7月31日(木曜日)
16:00〜17:00迄
出席者:守る会8名(森本、友永、井上、有光、黒川、大野、吉岡、藤原)、特別ゲスト1名、県警2名。
最初に下記の陳情項目に対しての回答をお願いした。
無資格マッサージの取り締まり強化について
@無免許による按摩、マッサージ、指圧業者及び無免許者を他県並みに、厳正かつ敏速に取り締まってください。
A ホテル、旅館等に対して無免許者を使わないよう県の方で指導を徹底してください。
B 無免許による健康被害及び危険性について、広報紙などを通じて定期的に一般の方々に対して周知徹底してください。
県警の回答としては(主に@)様々な問題があり、なかなか取り締まりが進まない。ひとつには法的な問題、名称の如何を問わずあはき法1条違反と解釈するのであれば取り締まりが出来るが残念ながら厚労省の見解が障害となっており積極的に取り締まれない。
被害相談、被害届がないといった実態もあり無資格者自信があはき法違反と認識しているかどうかなどの問題もある。又、全国的に取り締まりが丁重しているのは無資格マッサージの増加の理由として(個人的な見解であるが)あはき法の罰則が医師法、薬事法等と比較して最大でも罰金50万円以下、懲役刑がないなどと軽いのも無免許者増加の原因であり法改正が必要ではないか。複数の被害者が出れば捜査を実施するが一人の被害者では困難である。
参加者の意見としては、
※県警側から積極的に厚労省に働きかけてくれないか。
※徳島県は検挙例もあるが、高知県ももっと積極的にやってくれても良いではないか。
※マッサージの定義云々というが社会的通念上に照らして考えてほしい。
※無免許マッサージの被害として肉体的被害のみでなく精神的被害もある。
※整体指導と称して高額料金を取るいわゆるサギまがい商法も増加している。
※無免許者は勉強不足であり、重大な疾患
を見落とす場合も考えられる。
※県警のHP(こうちのまもり)にも無免許マッサージに対する注意喚起文章を掲載したらどうか。
※被害者が一人でも骨折等の重大事故で有れば捜査可能ではないか。
などの意見が出された。
県警としては警察庁を介して厚労省に働きかけを検討する、捜査に於いてもあはき法以外の法律も視野に入れて検討する等の回答があった。いつもの事であるが、今回の交渉に於いても行政側の職務怠慢がネックになっている。
有光 勲
8月7日15時10分から17時10分まで、県庁西庁舎7階会議室で行われました(参加者7名)。
*県職員点字受験について(人事課)
障害者の全国的な自治体への雇用等については、定期的に調査したりその結果を公表したりするようなことはしていない。必要に応じて行うようにしている。
県職員採用の点字試験については長年要望されてきたところであり、また皆様から請願も寄せられている。そこで、この度身体障害者を対象とした試験の中に、点字によるものも実施することにした。是非とも合格できるよう積極的に挑戦していただきたい。
今年度の身体障害者を対象とした採用選考試験で、点字による出題をするための準備を進めている。拡大文字による出題は、現在でも受験者から申し出があればそれに応じている。拡大読書器による受験も、申し出があればそれらの装置の持ち込みも認めることにしている。音声化ソフトや画面拡大ソフトについては、試験問題のデータ化が前提になるので現在実施していない。なおこの件については大阪で実施されているとのことであるので、問い合わせた上で検討するようにしたい。
視覚障害者が実際に働いている7都府県に出向いて直接話を聞いてきた。プライバシー保護ということもあり、本人に直接会うことはできなかった。本県においても、合格した場合その人の適性を充分考慮した上で職場の配置を考えていくようにしたい。
*街づくりについて(交通規制課
菊池交通管制官)
音響式信号機…南国市サンプラザ新鮮館駐車場前については候補地の一つとして検討する。裁判所前の交差点は道の経路が複雑になっている。南北の横断歩道は3ヶ所あるが、全て同時に渡ることはできない。真ん中の横断歩道を対象外としてよいということであれば、設置は可能となる。
中須賀、町田眼科から北に向かう交差点
及び田野町駅前交差点についても候補地の一つとして検討する。
改善希望箇所の知寄町2丁目と旭駅前電停については再度調査し結果を報告する。
ホームページに音響信号機の設置箇所を載せることはできるが、作動時間帯については変更があった場合に間に合わないなど煩雑になるので、必要に応じて問い合せていただければ対応する。
横断歩道…大橋通り交差点については現在補修工事を発注している。8月末には完了の予定。上町3丁目交差点については間もなく発注の予定である。
駐車禁止除外の対象にならない場所は?…道路交通法44条及び45条に駐停車及び駐車を禁止する場所について書かれているので、そこを読んでいただきたい。路側帯のある場所では75cm以上空けなければならないことになっている。
*高知県交通政策課
電停線路側の柵を除去することについて土電から回答を貰っている。「バリアフリー電停についてはスロープの両側に手すりを設置することになっている。これは道路側及び線路側への転落防止の役も果たしており、肢体障害者の方だけでなく視覚障害者の方々にとっても必要なものであると考えている。電停の点字ブロックは線路側への転落
防止ということで敷設している箇所もあるが、狭い電停では意味をなさないだけでなく肢体障害者の方々にとって通行の支障となることも考えられる。改修工事の設計に当たっては、認可署となる高知県道路課を通じ障害福祉課を窓口として障害者の方々の意見を取り入れていきたいと考えている。」
*後期高齢者医療制度及び
特定検診について(国保指導課・
健康づくり課)
後期高齢者医療制度については、法律の建前はともかくも、高知県の場合は前期高齢者と同じように後期高齢者の方についても検診を実施することにしている。保健指導については、6月12日に政府が後期高齢者医療制度全般について見直しを行った。その際「長寿健康増進事業」を組み込んでおり、本県広域連合は7月の臨時議会で補正予算を組んでいる。県としても適切に実施したいと考えている。
井上 奈美子・山崎 辰雄
8月14日(木)13時から市民図書館視聴覚ホール、15時10分から県庁正庁ホー
ルにおいて会員6名の参加で交渉を行いました。
1 高知市交渉
1.あはき関連
「地域保健課」
無資格マッサージの取り締まり強化については、開設届提出済掲示用プレート配布や
台帳整理、広報誌等での無資格マッサージによる健康被害や危険性の周知、ホテルや公衆浴場等への文書・口答による施術者の資格確認(H20.3)・指導、指摘された無資格業者には自動車運転免許(本人確認)やあはき免許を確認しながら継続した調査・指導を行っておりその結果については後日回答する。
2.街づくりについて
「交通安全課」
音響信号機の増設・改善、帯屋町の音声案内信号機の改善、横断歩道の白線の塗り直し、違法駐車の取り締まりや駐車禁止除外対象とならない場所、自転車の無灯火運転や信号無視の取り締まり強化については県警の所管なので、8月7日(木)の高知県(県警)の陳情交渉会で説明・協議した通りとなります。
「道路維持課」
点字ブロックの新設・延長・改善に
ついて
・電車通りから障害者センター(旭)までは道路が狭く歩道設置に必要な幅員確保ができないので点字ブロックの敷設は困難である。
・春野町弘岡川久保バス停付近と高知橋から高知駅までの点字ブロック敷設・改善に
ついては国道なので高知国道維持課へ連絡した。
・山の端交番から小津町に向けての点字ブロックは歩道整備と併せて20年度に南側を21年度に北側を施工する。
・工事等で点字ブロックの移動や通行制限がある場合は点字ブロックの移動や警備員の配置等で適切に行っていく。
・点字ブロックの材質・色・形態・敷設方法等については交通バリアフリー法の道路移動円滑化ガイドラインに基づいて関係する業者に周知徹底を行っていく。
・一定規模の点字ブロック敷設工事を行う場合は当事者との事前協議を行っていく。道路の側溝への蓋については、幅員が4m以下の道路は工事の際に順じ蓋掛け整備を行っている。4m以上の道路は交通状態を考慮し整備をしている。
旭駅前バス停から障害者センター(旭)までの歩道環境整備については、電車通りは歩車道ともに拡幅整備計画(時期未定)がある。縄手川沿いの市道は整備済み。電車通りからセンターまでの南北市道は幅員が狭く歩道整備は困難である。
「総務課」
市議会玄関までの点字ブロック延長については、議会棟には案内窓口が無くすぐに急
な階段があり安全性が確保できにくいため本庁舎の窓口から係員が案内を行う。
「都市整備総務課」
電停の安全地帯の線路側の柵については、土佐電鉄からの回答として、高知県ひとに
やさしいまちづくり条例に基づき転落防止と体を支える役割りを果たすものとして原則として両側に設置しているが、今後も様々な障害を有する方や高齢者等の意見を取り入れバリアフリー化を進めていきたい。
バス等の公共交通機関におけるIC化やロケーションシステムの構築については、地方では都市部のようなシステムは経済面やサポート面から難しいが、四国総合通信局が検討を始めた地域バスのための無線の利活用に関する調査委員会でのシステム構築に向けた意見交換を行っていく。
3.読書権について
「市民図書館」
視聴覚ライブラリーの蔵書の郵送貸し出しについては、財政面や破損・弁済などの課
題から難しいが、点字図書館のルートで今後検討していきたい。
対面朗読については点字図書館でお願いしたい。分館・分室・公民館等でスペースの
あるところでは場所の提供は可能である。
大活字本の購入については、H19年度は110冊を購入した。入り口等の目に付きやすい場所に置いてあるので利用してほしい。
カセット文庫等新しいメディアの充実については、カセットはH19年度は購入でき
ていないが蔵書数2598巻、CDは10点購入し蔵書数235点となった。
音声パソコンでの蔵書検索については、音声ソフトがインストールできないため困難である。県の横断検索システム用を利用した方法も検討しているが使い勝手や検索結果の表示に課題がある。
日曜日の9時から9時30分の正面玄関の開放については、職員配置ができないこと
から施設管理面で問題があり東入口を利用してほしい。なお点字図書館職員が案内等の対応をすることはできる。
2 高知県交渉
1.街づくりについて
「道路課」
*点字ブロックについて
・工事等で点字ブロックの移動がある場合は、極短期間の工事を除き移動するように周知徹底する。
・点字ブロックの材質・色・形態・敷設方法等については交通バリアフリー法の道路
移動円滑化ガイドラインに基づいて関係する業者に周知徹底を行っていく。
・一定規模の点字ブロック敷設工事を行う場合、高知市については今まで通り当事者との事前協議を行っていく。郡部についても努力していきたい。
*歩道について
・歩車道の2cmの段差は今後堅持していく(自転車通行部は0〜2cm)。既存の段差については改修工事の時に2cmに直していく。
・工事等で通行制限がある場合は仮点字ブロックの敷設や誘導員の配置で対応したい。
・歩道のポール等が通行の邪魔になる場合は具体的場所を教えてもらえれば検討する。
・歩道への違法駐車・駐輪等については、県警や高知市とともにマナー向上に向けた取り組みを行う。
・側溝への蓋については、原則として市街地部はつけるようにしているが山間部は難しい。またグレーティングは非常にコストが高く基本的にコンクリート蓋をつけるようにしている。
「管財課」
正門から県庁玄関及び県議会玄関までの点字ブロック敷設については、敷地内は歩道
がなく駐車場として使用しているため危険性が高いことや史跡内に建物があるため文化庁の許可が必要であり点字ブロック敷設は難しいので警備員の誘導で対応したい。近々建物の耐震工事があるので工事完了後エスコートゾーン等も含めて再検討したい。
畠山 俊惠
*議会事務局
市役所のホームページ「情報日曜市」について…RSSリーダー版対応可能になるので、もう少し待ってほしい(情報政策課で見直し中)。
「市議会だより」について…希望者のメールアドレスを取りまとめて貰えば、本年度中の発行部からワードまたはテキスト版での 送信が可能となる。
市議会本会議の動画配信について…特別委員会で検討されることになっているので、もう少し待ってほしい。定例会本会議はケーブルテレビで生中継している。録画テープの
貸出もしているので、利用してほしい。
*秘書広報課
「あかるいまち」について…希望者のメールアドレスを取りまとめて貰えば、RSSリーダー版・電子メール版で配信可能。
*子育て支援課
「健康づくり課」では、保健師による子育て相談や子育て支援サービスに関する情報提供をしているので、子育てで困っている方は相談して下さい、との回答があった。
それに対して、「親が障害のある場合に、適切なアドバイスをしてくれる専門のスタッフを揃えてほしい。」
「制度面の相談とともに、特に全盲夫婦の家庭では、日常生活の上でスタッフの援助が必要だと思う。」
「ただ、『困っている方は相談して下さい。』と言うだけではなく、もっと状況を調査して、『こんな相談があったらどうするか。』という体制を整えて、素早い対応ができるようにしてほしい。」などの意見が出された。
ファミリーサポートセンター事業について…平成16年10月より事業開始。
平成20年7月現在846名(援助会員
289名、依頼会員491名、情報会員66名)で活動。障害児世帯25、親が障害のある世帯1の依頼会員の登録がある。事業開始以降の援助件数は2975件。8世帯10名の方が援助を受けている。
*学校教育課
親が視覚障害のある家庭は、市立養護学校に2名、旭小学校に1名いるとの報告があった。
それに対して、「朝倉小学校にも2名ほどいるはずだ。」との指摘があった。
旭小学校では、学校からの通知を視覚障害者家庭に電子メールで送付している。親は音声ソフトを使って内容を確認している、との大変素晴らしい報告があった。
*危機管理課
1.災害時、福祉避難所はどんな施設が適当か。また、どんな事前準備が必要かなどについて、地域自主防災組織やボランティア関係との協議を進めている。
2.現在350くらいある「自主防災組織」で「防災マニュアル」を作成しているが、「災害時要援護者」の名簿は携載しないことにしている。各組織で「災害時要援護者」を把握して、その人たちの情報が洩れないように
皆さんで守ってほしいと指導している。
3.防災対策について…「防災対策人」として登録されている技術者を講習会などに招いて、家具転倒防止策やガラスに特殊フィルムを貼るなどの指導をしている。
借家に住んでいる場合、契約上家具の固定などができないかもしれない。講習会などを通じて、家主様たちの意識を高め、災害の重要性を理解して貰うしかないと考えている。
*人事課
点字受験について…「点字受験」のことは前向きに検討していきたいとの回答だった。
「県の方は『点字受験』が実施されることになったので、是非実現に向けて検討していただくよう」強く要望して、高知市との交渉を終え、次の交渉先、県庁へと移動した。
井上 芳史
8月21日に高知市との交渉(6名参加)と県との交渉(8名参加)を行いました。要望について報告します。
1.議会事務局と秘書広報課…「市議会だより」・「あかるいまち」ともメール配信を行うので、メールアドレスをまとめてほしい。市議会のインターネット中継については検討中である。
2.子育て支援課…障害を持つ親に対する子育て支援を要求した。専門職員はいないが対応していきたい。
3.保育課・市教育委員会…保護者が視覚障害者でお子さんが小・中学校に通っているのは3名であった。テープやメールなど視覚障害を持つ保護者の方が分かる方法で行っている。先生に要望してほしい。
3.危機管理室…福祉避難所については
検討中である。災害要支援者については防災マップには掲示しないで各地域で情報を共有している。
4.人事課…市の職員で視覚障害を有する方は3名であり、今後、採用を検討していきたい。
5.県医療薬務課…マッサージの定義がないので取締りは難しい。
6.県子育て支援課・教育委員会・幼保支援課・小中学校課…特別支援学級(弱視学級)に通っている子どもさんのことは把握して いるが、保護者が視覚障害者の家庭については把握していない。学校の諸連絡が視覚障害を持つ保護者の方に分かるように行っていきたい。
7.県民生活課・男女共同参画課・消費生活センター・経営支援課…貸金業に対し視覚 障害者が契約する場合に点字による文書が
必要であることを要望した。法律を守らせることを指導しているので、そこまでは難しい。
8.地震防災課・障害保健福祉課…家具 固定支援制度があることを知りました。市町村名と対象者・補助対処経費を挙げると、
室戸市…高齢者・障害者等世帯、取付作業費(4時間を上限)
香南市…高齢者・障害者等世帯、取付作業費(4台まで)
南国市…高齢者・障害者等世帯、取付作業費(4台まで)
黒潮町…町内に住所を有する者、固定器具・ガラス飛散防止フィルム購入費、設置に要する費用、対象経費の2分の1以内(上限1万円)
中土佐町…高齢者等世帯、取付作業費
―― 8・28高知市・県との懇談より ――
片岡 慈仲
正岡、片岡が担当し、8名の参加で、高知市では消費者問題、福祉医療、あはき、IT、雇用、街づくりなど。県では特別支援教育、読書権、広報誌、議会だよりなどについて 順次話し合いを行った。
1.市民相談センター
訪問販売、マルチ商法、ヤミ金融問題などでの契約の際、視覚障害者が文字を読めないことについて、行政としていかにカバーしてくれるかというのが私たちのポイントであるが、当局の理解は全く不十分で、ここ3年来相変わらずの回答であった。
――「あかるいまち」で振り込め詐欺やマルチ商法、ヤミ金融などについて注意を喚起
している。契約約款について高知市には業者に対する指導権限がなく、管轄は県の経営支援課や国の財務事務所である。被害防止とか被害に遭った際の対処法について学習会を開くことはできる。1ヶ月前ぐらいに希望を出していただければ、消費生活相談員を講師として派遣する。視覚障害ゆえに起こる契約上のトラブルを未然に防ぐ方法、被害に遭った際いかに解決するかについて、行政として
具体的に回答してほしいということなので、
次回、あるいはそれより早く、皆様にお伝え
したい。
2.高知市保健医療課
後期高齢者医療制度に伴う福祉医療費助成制度や後期高齢者へのあはき補助券については、概ねよい回答が得られた。
(1)今年4月にスタートした後期高齢者医療制度に伴い、県下で高知市だけが65歳から69歳までの重度心身障害者が国保を選択した場合、福祉医療費助成制度を受けられなくなっていたが、障高連を中心とする強い抗議の結果、高知市は8月、臨時議会で条例改正を行い、この不平等を改めた。
(2)後期高齢者医療制度に移管した方へのあはき補助券については、9月議会に議案を出し、10月から以前通り使えるようにする。
(3)特定検診の通知や後期高齢者保険の納付証の点字化(年間の納付金額、納期月ごとの納付金額など)と拡大文字版は可能である。また、保険証に点字シールを貼ることも
できる。保健医療課に希望者の名簿を提出してほしい。
3.高知市元気生きがい課
IT関係…講座は来年度以降も積極的に取り組む。旭の障害者福祉センターでの講座については、他の障害者には年間15回行っているのに、視覚には昨年は1回しか行っていないこと、夜間の希望者が多いのに昼間しか行っていないこと、6点入力など視覚障害者のニーズに合ったものになっていないこと、広報のしかたがまずくいつやっているかが当事者によく分からないことなど問題が多いので、社協と話し合ってよりよいものにする。カルテソフトは業務に関するものなので、日常生活用具とはいえず、支給できない。
雇用・就労…自立支援法施行により、就業面と生活面との一体的強化が図られており、障害者の就労支援に力を注いでいるが、視覚障害者に特化した取組みは行っていない。一般企業での視覚障害者の就労状況についてのデータは市では持っていない。視覚障害者への就労のサポート手段、委員会の設置、関連情報を集めたHPの作成などについては 次回答えさせてほしい。
タクシー…点字シールの剥がれたものが 多いということについては、昨年タクシー 協会に文書を出し、今年は電話で改善を要望した。
街づくり…春野町のサンシャインへの点字ブロック敷設は既存の建物にはひとまち 条例による指導が行えない。
4.県特別支援教育課
愛媛県で盲とろうを一緒にした学校にしようという動きがあったし、「特別支援学校」というように校名変更をした所もあるが、高知県はどのように考えるかについて質問した。
―― 平成19年4月から、設置者の判断で複数の障害に対応する学校とすることができるなど、新しい法律が施行された。高知県では法改正に先立ち一昨年度、検討委員会を開き県立の盲・ろう・養護学校の在り方を審議し、(1)可能な限り身近な地域での教育、(2)専門性と継続性が必要、(3)一定の児童集団の確保 ―― の3点の基本 方針が決定された。県としてはこれに沿って特定の障害に特化した学校を基本とし、センター的機能の充実を目標としていく。従って 盲学校と他の障害学校を統合したり、校名を変更したりということは考えていない。 もしこの方針を変更する場合は、予め保護者や当事者の意見を充分聴いて話し合う。
5.県立図書館、生涯学習課(読書権)
県立図書館は、昨年に引き続き私たちの読書権の充実に向けて積極的な姿勢が見られ、大変心強い。
蔵書目録…ホームページを音声対応に改善し、任意の単語を入れれば容易に蔵書の検索ができるようにした。
(9月4日にウェブUDとネットリーダーを使って実際に検索させて貰ったが、少し指導して貰えば初心者でも検索できると思う。)
音訳サービス…県立図書館職員を昨年に続き大阪に派遣して障害者サービスの研修を受けさせたり、対面音訳ボランティア養成講座を行い、まず県立図書館の体制を充実させ、これを各地の市町村図書館に広めてそこでも対面音訳が受けられるようにしていきたい。
社会科学関係の録音図書を県立図書館で新たに製作したい。
入院している人や遠くの人を対象に今年4月から往復無料の宅配サービスを始めた (8月で延べ22回・92冊、内、拡大本は5冊)
「24時間テレビ」の寄付を受け音声読書器や音声化ソフトを購入したので、是非皆様に図書館に来て使ってほしい。
移転・改築…ユニバーサルデザイン採用など、多くの人が利用しやすい図書館を考えている。今後情報開示を始め、視覚障害者や県民の皆様のご意見を伺っていきたい。
大活字本…昨年度は73冊、今年は7月末で41冊購入し、総数1604冊に達した。貸出状況は昨年度875冊(1.5倍)と視覚障害者や高齢者に多く利用されている。今後も更に充実させていきたい。
私たちからは「音訳ボランティアの養成の
際、夜間読んでいただける方、英語など外国語に強い方、大学の図書館にある本を読んでいただける学生さんなど、多様な方を養成してほしい」「千葉の中央図書館でアイポットを利用した貸出を行っているようだが、それについても検討してほしい」なども要望した。
6.県政情報課・議会事務局
*「さんさん高知」「県議会だより」
PR…FM高知とRKCラジオで毎月音訳版・点字版発行、HP掲載などについて知らせている。また議会だよりは9月7日発行の者から発行日の3日前にテレビ高知とさんさんテレビでも告知することにした。(NHKについては放送時間を買い取ることができないため、こちらの思う通りのお知らせができない)
デイジー版・電子メール版発行…財政的に現在難しいが、カセットテープの状況などを見ながら検討していきたい。(尚、電子メール版については経費はかからないと思われるので、すぐにでも実施できるのではないかと質問したところ、直ちに検討するとのことである。)
RSSリーダー対応…ファイル形式の問題で、「県議会だより」はまだ対応できていないが、「さんさん高知」は今年6月にHP上にRSSへのリンクを設けた。
イベント携載…障害福祉課にふた月前に言って貰えば、なるだけ「さんさん高知」に
掲載する。点字版は予算の関係上県中心の行事を主としているが、録音版は余裕があるので多く携載できる。
中平 晃
9月4日(木)昼の部、担当は中平、吉岡さん、大原さんでした。
13時から15時、県立図書館で新しい機器等の見学や説明、図書検索システム体験、その後懇談会を行いました。参加者は11名でした。
15時10分から17時過ぎ、市民図書館3階視聴覚ホールで点字図書館、元気生きがい課と陳情交渉を行いました。参加者は10名でした。
中平は県立図書館の懇談会を報告します。
*県立図書館3階で懇談会
懇談会の前に、「24時間テレビ」チャリティー委員会の寄贈で新しく設置された機器や音声パソコンでの図書目録検索の体験や説明を受けました。
3階小会議室には、音声パソコン、点字ディスプレイ、点字プリンター、デジタル録音機、CDコピー機が設置されています。
当日はいつもは2階に設置されている、簡単な操作で印刷物を読み上げてくれる機器「よむべえ」を3階に持ってきてくださっていました。
懇談会では主に見学した機器などについてやりとりをしました。
*「よむべえ」関連
「よむべえ」の使い方の確認を聞いたりしました。キーを1回押すとそのキーの役割を音声で教えてくれる、続けてキーを押すとそのキーの役割が実行される。といった内容でした。また、使いやすいようにキーの部分に点字シールを貼ってくれるそうです。
*点字プリンター関連
点字プリンターの型番や性能を聞いたりしました。海外製で、墨字の同時印刷はできない機種でした。申し出るとこの点字プリンターを使用させてくれるそうです。点字用紙は使用者が用意します。守る会としてよく利用するなら点字用紙を置かせてもらうのもいいかもしれません。
*音声パソコン関連
使いやすいように、キーボードのいくつかのキーにキーの名前の頭文字を入れた点字シールを貼ってくれるそうです。関連して本会員からキーボードを見やすくするシールを紹介しました。
音声パソコンで、自分のIDでないーぶネットを利用してもいいそうです。
*デイジー関連
デイジーを作成する環境はできているが、あとは技量次第、ボランティア講習を行っている状態。とのことです。音声パソコンにデイジー編集ソフトが入っています。
*その他
対面朗読は夜7時までやってくれるそうです。
図書館からの便りをテキストでのメールマガジンで発行しようと準備しているそうです。
よむべえ、拡大読書器、デイジーは2階の対面音訳室の南側の部屋に設置されています。いつでも利用できますので、利用希望の方はカウンターで申し込みをしてから利用してください。とのことです。
最後になりますが、陳情交渉に参加された皆様、県立図書館の皆様、ありがとうございました。
図書館には便利な機器やサービスがいろいろあります。皆で図書館を活用しましょう。
吉岡 邦廣
9月4日、市民図書館視聴覚ホールにて、公文館長、石筒さんの出席で、点字図書館、元気生きがい課と交渉しました。本会からの出席者は10名、主に点字図書館、自立支援法等の福祉サービスについて交渉しました。市からの回答で目立ったもの、交渉でやり取りされた内容を報告します。
点字図書館とは、夜間の対面朗読の実施、委託図書に出した利用者の本の紛失等についてやり取りがありました。本会から出された「夜間のパソコン講座が実施されているときは対面朗読も可能ではないか」、「職員の就業時間の17時30分までは行ってほしい」という意見に対して、公文館長からは「個別に検討する」という返答がありました。また、利用者の本の紛失についても具体的な予防策、紛失時の対応を強く申し入れました。公文館長としては実態を把握していなかったらしく、現状を調査するとのことです。
この他、「対面朗読の時間だけでも3階の対面朗読室に辞典等を置いてほしい」との申し入れ、「障害者手帳を持っていないと点字図書館は利用できないのか」との質問が出されました。この点字図書館利用における手帳の有無についての質問に関しては、高齢者をはじめとして、手帳を取得していない人でも必要があれば、利用できるそうです。
なお、「すばる」のデイジー版は、年内完成を目指して作成中とのことです。
夜間対面朗読、利用者の本の紛失問題、3階対面朗読室の備品については、詰めが必要です。
続く元気生きがい課からの回答は項目数が多いために、3回に区切って行われました。
中途視覚障害者のリハビリについては、利用者側の都合を除けば、現在待機者もいず、点字の指導も行っているそうです。その他記すべき回答としては、福祉のしおりのデイジー版、カセットテープ版を年内に作成すること、視覚障害世帯の孤立防止策として今年1月に旭地区の民生員を対象に白内障の疑似体験、視覚障害者の手引き講習を行ったことがあります。
コミュニケーション支援事業の読み書き者派遣事業の要望に対しての「全国的にあまり事例が無い」という返答には、「人権にも関わる問題、他市を調査して前向きに検討してほしい」と申し入れました。
続いて、自立支援法、医療関連の回答が行われ、区分認定の「医師の意見書は高知市が医師を紹介する」、「視覚障害者に調査項目が不利にならないよう配慮する」という陳情に対して、「医師会の協力で医師のリストを紹介している」、「国が新しい調査項目を作成している」という回答がありました。受給者証については、求めに応じて大活字版も交付するそうです。また、臨時議会の結果を受けて、65歳以上の人が高知市国保を選択した場合でも、重度障害者医療制度は引き続き受けられるようになりました。
ここで本会からは、「全課封筒に点字で課名表示してください」という要望が各課に徹底されていなかったので、本会からの要望を全課に確実に伝えてもらうように求めました。なお、現時点で市民税課、資産税課、同和・人権啓発課、介護保険課、地域保健課、保険医療課、水道局料金課等が点字表記を行っているそうです。また、「IC録音機能つきデイジー再生機もデイジー機器の枠に入れてほしい」との申し入れも行いました。最後に、8月28日の陳情交渉で出された質問に対しての回答がありました。障害者福祉センターのパソコン講習会は、昼間の参加者が少なければ夜間の講習を実施する、初級者向け講習会の参加者が少なければ、1回に限り中・上級者向け講習会も実施する、同じ講座の再受講は可能との回答でした。視覚障害者向けの職業訓練、視覚障害者の民間雇用率等の雇用に関する質問も出されていたのですが、具体的、前向きな回答は皆無でした。
今年は2回に渡って元気生きがい課との交渉を行いましたが、高知市に提出した陳情の半分を占めるほど項目数が多く、回答だけでずいぶん時間を取られました。せめてあと1時間は必要です。また、雇用関連の陳情に対する返答は、対象を障害者全体としたあいまいなものとなっているため、対象を確実に視覚障害者に絞る交渉が必要だと思いました。
最後になりますが、陳情交渉に参加された皆さん、点字図書館、元気生きがい課の担当者の皆さん、ありがとうございました。
生田 行信
9月4日(木)午後6時〜8時
県2階会議室にて
担当:藤原、生田
参加者(13名):片岡慈仲さん、
正岡さん、有光さん、井上芳史さん、井上
奈美子さん、畠山さん、大原さん、梶原さん、田村さん、山崎さん、中平さん、藤原さん、
生田
県障害保健福祉課:原田課長、公文さん、障害者雇用専任スタッフ、他
以下、主な回答を報告します。
【盲人ホーム】
建物の耐震性の問題等もあり、現在建て替えと機能充実を計画中である隣接の小高坂更正センターへの組み込みを関係者と検討中。その際、自立支援法における訓練等給付の継続施設のように形態は変わるかもしれないが、現在の盲人ホームが有する機能やサービスは維持していく。
※現在新規研修者受け入れが全く断られている問題では、「何か工夫がないか県身連と話し合う」という回答で、具体案は示されませんでした。今後の検討の中で出てくる「形態」についても注視していく必要を感じました。
【雇用、就労】
障害保健福祉課内に、現在5人体制の障害者就労支援専門チームを設けて、企業への啓発活動や実習受け入れ枠の確保など積極的に取り組んでいる。
※全国的にも5人体制というのは充実した体制と言えるだろうが、「障害種を超えた形での取り組み」ということは視覚障害者への特化した取り組みは行われていないということであり、手放しで喜べる回答ではありませんでした。
【中途視覚障害者リハ】
中途視覚障害者への生活講演会の
実施について
県独自の開催は予算的に無理だが、守る会など当事者団体が企画するものに、費用の2分の1、上限50万円まで補助も可能である。
※具体的に学びたい内容の要望があれば、是非企画してみてはどうでしょうか。
【街づくり】
●ホテルなど民間業者へのバリアフリー化の指導について
関係団体への指導通知文書をデータ版で戴いています。
【福祉サービス】
●自立支援法関係「利用の手引き」の点字版、拡大文字版、録音版の作成について
厚生労働省HPにワード版があるので、そちらを活用してもらえないか。
※通常、役所関係の公表文書のデータはPDF版という視覚障害者には使いにくいタイプだが、自立支援法の利用者関係のものは視覚障害者も比較的使いやすいワード版で提供していることを強調したかったようである。
●自立支援法の受給者証の拡大版や点字併記について
各市町村が対応することになっているので申し出てほしい。
●施設サービスについて
入所者が帰省中の在宅サービスは利用が可能である。但し、「在宅サービス受給」の決定を事前に受けておく必要があります。
●ホームヘルプサービスについて
代筆などを含む読み書きサービスは可能である。
●ガイドヘルパーについて
視覚障害者である親が子供連れの場合、通院介助も含め可能である。
居住地の枠を越えた(県外の)サービス利用のコーディネートは現在高知市が行っているが、その他の市町村については県身連にコーディネートを委託しているので、そちらへご相談をしてほしい。
※つまり、絵にかいたもちであるガイドヘルパーのネットワーク事業に逃げていると言えるのではないでしょうか。
●重度障害者医療費助成制度について
今後もこの制度を守っていくことが明言されました。
●補装具、日常生活用具について
ICレコーダーは「録音再生機」として対象品目であり、市町村にも周知している。
音声時計は、耐用年数10年経ってなくても、修理に費用がかかる場合は対応している。
《全体として》
ICレコーダーや音声時計などの日常生活用具やヘルパーに関することなどでは、県の見解は高知市やその他の市町村を上まわるものでした。また、介護保険や自立支援法の説明には、点字版や音声版を作っていない問題とともに、足を運んでの説明が鍵であることが共通認識として持てたと思います。つまり、「市町村に言っても解決できない点は直接県に相談してみてください。県からも指導いたします」という回答です。
昨年度までこの課は障害福祉課でしたが、ご存知の通り昨年度は労働分野も含め、今年度は医療保健分野も含めるようになって障害保健福祉課としてバージョンアップしました。
今後、視覚障害者の持っている課題を責任を持って市町村が取り組む場作り、そこへ県からも先進的な情報や指導を送る、私達専門団体からもアドバイスを送るようなシステムの必要性を感じた陳情交渉でした。
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