みちしるべ
No 205  2009年7月号

目次(文書内リンク)
「第43回守る会総会」報告   井上 芳史
「一丸となって要求の実現を!」 井上 芳史
地デジ、ロービジョン、ハイブリッド、ディスプレイ、そして障害認定 藤原 義朗
「石川大会に参加して」  山崎 辰雄
全視協石川大会に参加して  山本 貴裕
石川大会雇用分科会報告  吉岡 邦廣
石川大会の感想  中越 祐太
もっと分業化してもいいんじゃないですか? ――「ゆいまーる」京都大会より  藤原 義朗
「全視協点字プリンター購入募金」報告  事務局 井上 芳史
新入会員自己紹介  永田征太郎 田邊準 中越祐太
編集後記  田元 美紀

「第43回守る会総会」報告


             井上 芳史
 5月24日に「第43回総会」が障害者福祉センターで行われました。
 参加者は今年の4月に採用になった理療科の永田先生を含め23名、議長に吉岡邦廣さんと津野一美さんにお願いし、総会が始まりました。
 1.北部環状線と上町2丁目を北に行った交差点(宗安寺分岐)付近の点字ブロックや音響式信号機の敷設をお願いしたい。
 2.5月17日にJR旭駅付近で下り列車の事故があり、復旧するまで数カ所で踏み切りの遮断機が下りていた。事故によるものか列車が通るためなのか分からない。職員を配置し、安全に踏切を渡れるよう対策をとってほしい。
 3.盲ろう福祉会館から山の端交差点に行く路地で水路側に転落防止柵をつけてほしい。
 4.山の端交差点から高知駅に行く東西の道路の歩道の舗装が傷み、点字ブロックが認識しにくい。
 5.桟橋車庫電停が暗いので街灯をつけてほしい。
 6.点字図書館の職員補充で、「就労を促進する会」の運動とリンクして要望してはどうか。職員定数確保とサービス内容の充実をお願いしたい。
 7.会計に対し、正会員・賛助会員を含め未納者が多い。全視協に対し、会員1人当たりの上納金は6千円、事務所維持募金は千円である。
 などの意見が出されました。今年は2年に1度の選挙の年であり、選管に片岡義雄・梶原百合子・畠山俊惠さんが選出されました。立候補と推薦の公募をしたところ、会長に片岡慈仲、副会長に有光・正岡さんの推薦があり、拍手で信任されました。その後、会長から事務局長に井上、事務局次長に生田、あはき担当に森本、学習部に藤原、自治体担当に正岡、「みちしるべ」に有光、「点字民報」に生田、レク部に大野、会計に山崎、組織担当に井上、女性部に大原、青学部に北代(青学部・女性部は部内で選出)の推薦があり、拍手で承認されました。
 最後に正岡副会長から「私は全視協会長を今回の大会で辞任します。高知から藤原さんが立候補しました。みなさん応援をお願いします。」と力強く閉会の言葉がありました。

「一丸となって要求の実現を!」


             井上 芳史
 6月12日から13日にかけて金沢で「全視協第29回代議員総会」が行われました。 高知からは井上・藤原・吉岡が出席しました。
 1.石川医療専門学校は全国各地からの反対署名にも関わらず開校したが、定員60名に対し15名しか入学していない。
 2.可動式ホーム柵は全国で普及しつつあるが、転落防止のためであり、ワンマン列車導入には反対していく。
 3.各地で重度障害者医療助成制度が年齢や所得で制限されているが、和歌山や新潟では運動でくい止めることが出来た。
 4.下記の事項は緊急性・タイムリーな要求であり、みんなで実現させよう。(1)ロービジョンケアを診療報酬に位置づけさせる。(2)両眼の視力の和によって身障手帳の等級を決めている制度を改善させる。(3)電気自動車などのエコカーの走行音を技術的に確保させる。(4)点字ディスプレーを日常生活用具給付制度の対象にさせる。
(5)視覚障害者が使いやすい(音声化)地上デジタルテレビの開発、解説放送を充実させる。
 5.永続可能な全視協活動:全視協発展のためには事務所並びに職員の確保が不可欠と事務所建設募金に取り組み87年には
3500万円を集めた。01年に「点民の有料購読性から会費の値上げなき点民の全会員無料配布」となった。事務所維持・職員給与など毎年、220万円ほどかかるようになり、事務所基金の残高が2400万円ほどになってしまった。10年で基金はなくなってしまう。そこで永続可能な方策について検討している。
 08年に事務所提供の申し出があった。法人格のない全視協が当該物件を取得すると4000万円ほどの贈与税がかかる。全視協運動の妨げにならない法人格の取得(贈与税がかからない)が必要である。
 各組織からは物件を確保、維持させるのは不安である。提供者の気持ちをくみ取り申し出を受け入れてはどうか。運動の妨げにならない法人格はあるのか。現在の事務所は他の障害者団体と共同で借りているが、他の障害者団体はどうなるのか。などの意見が出された。
 執行部からは慎重に進めていく。全国委員会で報告しながら検討する。そのために研究するための予算化をお願いしたい。採決の結果、反対5名、賛成45名、保留1名で承認された。
 総会を通して「就労」「会員拡大」など高知の取り組みがクローズアップされたと思います。

地デジ、ロービジョン、ハイブリッド、 ディスプレイ、そして障害認定


藤原 義朗
1.七人の侍
 平和・人権・共同を、スローガンにした全日本視覚障害者協議会第29回石川大会が、6月12日〜14日にかけて、金沢で行なわれた。石川視生会も、創立27年、神戸定子会長を中心に準備を行ってきた。 
 高知からの侍7名は、金沢へ出発した。メンバーは、正岡全視協会長、代議員は、
井上事務局長、吉岡邦廣君と藤原である。  
 そして、2日目の全国視覚障害者活動交流集会から、山崎会計部長、新人の中越裕太君、そして、徳島から山本貴裕さんが参加した。 

2.海鮮どんぶり
 列車は早かった。吉岡君や井上先生と漫才をしている間に、のぞみ、サンダーバードと乗り継ぎアッという間に金沢だ。
 近江町市場で海鮮どんぶりを食べた。サーモン、さわら、あまエビ、いか、たこ、たい、あじなどふんだんに乗っている。しょうがとわさびを醤油に溶かしぶっかけいただく。さあ!これから大会だ。
 
3.やりきるぞ!5つの願い
 大会前の全国委員会には、井上事務局長が参加し、総会議題の整理を行なった。代議員総会の報告は、井上代議員の報告に任せるが、今大会の特徴として、表題の5つの課題に、石にかじりついてもやりきる方針を固めた。また、全視協が法人を取っていく方向性が論じられた。時代、情勢が変わる中、次のバージョンへジャンプする勇気が必要である。 


4.楽しく歩もう
 2日目の昼から全国活動交流集会が始まった。参加者はぐっと増え350名である。正岡会長および来賓の挨拶、ジャズバンドの演奏で、気持ちよくなった後、記念講演である。金沢大学地域創造学類教授の井上英夫先生である。記念講演というと重く考えやすいが、井上先生は上野裁判や堀木・塩見訴訟・玉野事件などを通じて、私たちと共に歩んで来られた方である。 
 それらの運動を振り返りながら、完全参加と平等の実現に向けた道のりについて、学ぶことができた。全視協が出来て40数年、少しずつ扉は、開かれ時代が前に進んでいることを、歯車を私たちが廻していることを実感できた。 
 尚、レジメとICレコーダーによる録音をとっていますので、必要な方は、藤原までご連絡お願いいたします。


5.どれも行きたい、学ぶ分科会
 5つの学びの分科会が行なわれた。どれにも行きたかった。話が面白かったといって山崎先生と吉岡君は井上教授が助言者の権利条約の分科会へ。正岡先生は、社会保障の担当、あはきは井上さんと中越君、山本さんは平和の分科会である。私は、裁判員制度の分科会へ行った。
 講師の弁護士さんから、民とかけ離れた生活をしている職業裁判官の裁判から、庶民の感覚を法廷の場へ反映させることの意義、裁判期間が短すぎることの問題が強調された。 
 また、裁判は、99%が有罪判決であり、無実の人が有罪判決になっていることがある。そこに、裁判員制度でメスを入れる必要性が強調された。
 議論されたのは、36条の不選任の問題、つまり、理由を告げずに裁判員候補者を降ろすことが出来ることの問題が提起された。 


6.夜の交流会
 中村幹夫石川視生会初代会長の乾杯で始まった。各県からの挨拶、出し物が行われた。特に、吉岡君、ひょっとしたら参加最年少の中越君には惜しみない拍手があったことは言うまでもない。

7.原水禁代表派遣の意味ふりかえる
居酒屋へ繰り出した。といっても、全視協から原水爆禁止世界大会への代表や平和行進参加者での交流会である。代表派遣も23年になるが、若い人など始まりを知らない人もあり、みんなで振り返る機会となった。なんとも真面目な会である。

8.語り合う分科会
 最終日は、10の分科会に分かれた。吉岡君は点字受験の運動の発表、井上先生には街づくりの分科会でバスロケーションシステムのレポートを頼み、私は「防災」の分科会に出席した。
 防災グッスの紹介や地震保険などの話があった。地域によっては、要援護者台帳登録が進んでいるところもあり感心した。警察官であるという人が訪ねてこられ、本当におまわりさんなのか、流行のオレオレなのか見分ける方法についてなど話が盛り上がった。
「ガラスに飛散フィルムどうやってした?サポーター制度はあるの?」「台風が来る
前に事前にショートステイの制度はある?」など各地方の経験や意見を聞くことができた。
 語る分科会は、視覚障害固有の話を沢山聴くことができる。

9.次は愛知で
 合唱構成劇の後、引き続き分科会の報告があった。また、参加者からの意見としては、「手つな」など交渉の時、役員はしっかり勉強して臨んでくれなど手厳しい訴えがあった。 
 最後に、新役員挨拶と会長をおりられる正岡光雄さんの挨拶があった。正岡先生は、48才の時、執行委員になられ、4年前の福岡大会から会長をされてきた。主な挨拶は、役員になって鍛えられたこと、酒も強くなったこと、みな頑張って協力してくれたこと。  
 高知のメンバーが(まさやんに恥をかかせてはいけない)と支えてくれたこと。これから旅行などする。秋には北欧にいく。これからもずっと皆と歩んでいくよ、というものでした。

10.最後に
 藤原は今大会で全視協執行委員をさせていただくことになりました。役員さんや元役員さんに聴くと、なかなか大変だな。膝がガクガクする思いです。
 井上教授の話にあったように、楽しく歩んでいこうと思います。これからご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

「石川大会に参加して」


山崎 辰雄
6/13・14の両日、金沢で開催された第9回全国視覚障害者活動交流集会に参加してきましたのでその内容を報告します。
新入会員の中越さんと高知を朝6時発の南風号で出発、途中の京都で徳島の山本さんと合流しサンダーバード号で一路金沢へ、車窓から眺める北陸の景色を楽しみながら
12時過ぎに6時間の列車の旅を終え金沢駅に到着しました。
会場は金沢市文化ホール、外観もキレイで室内環境も整っていたこの施設で、13時に開会し全体会が始まりました。正岡会長の挨拶をはじめ現地実行委員会や来賓等の挨拶・紹介のあと、アトラクションとしてフィールドハラー・ジャズオーケストラの生演奏、金沢大学教授の井上英夫先生から「完全参加と平等」と題しての記念講演、学ぶ分科会(5分科会)へと進んでいき初日の日程を終えました。夜は18時30分から懇親会、美味しい料理を食べながら全国各地の出し物を楽しみました。高知からは21〜71歳の年齢層の参加者7名がそれぞれ一言ずつ挨拶し会場から笑いや拍手を受けていました。その後、夜遅くまで各地の参加者と交流が続きました。2次会では市場内にある近江町食堂というお店で、新鮮なノドグロや水たこ・甘エビ等日本海の魚を堪能しました。
2日目も同会場で、朝9時から語り合う分科会(10分科会)が11時30分まで行われ、昼食後閉会の全体会として、まず金沢紫金草合唱団の「紫金草物語」の合唱朗読、この紫金草は春の野に咲く薄紫の花で、日中戦争のころ薬学者の山口誠太郎さんが南京の紫金山のふもとに咲いていた花の種を持ち帰り「紫金草」と名づけて広めてきたもので、この紫金草物語は山口さんを心ならずも戦争に参加せざるを得なかった一兵士に置き換えて創作したもので、日本人として心から戦争の加害者として謝罪の気持ちを込め鎮魂と平和を願って歌われているものでした。
その後、正岡会長から代議員総会の報告、分科会報告(3分科会から)、「折り鶴」と「上を向いて歩こう」を全員で歌ったところで帰りの列車の時刻の関係もあり退席、帰路につきました。帰りの金沢駅ではボランティアの方がみやげ物選びやJRの乗り継ぎ手配まで、細かく丁寧に対応していただき本当に頭の下がる思いでした。列車の中では五臓六腑にしみわたる清涼飲料水?で疲れを癒しながら楽しく帰高しました。初参加だった中越さんも疲れはあったようでしたが多くの仲間と交流でき、いい経験や繋がりが持てたのではないかと思います。
以下に参加した分科会の内容を報告します。

1.学ぶ分科会 「権利条約」
まず金沢大学教授の井上先生から「障害のある人の権利条約」と題して講演があった。Convention on the Rights of Persons with Disabilitiesを障害者権利条約と訳すのではなく「障害のある人の権利条約」と訳すことが正しく、障害者というマイナスイメージが強くあまり呼ばれたくない言葉を使うことは望ましくないこと。機会の平等・形式的平等から固有のニーズに応じて実質的平等・結果の平等へと考え方が変わっていること、そのなかで必要とされる配慮は合理的配慮として逆差別になるものではないこと。普遍的人権と固有の人権の両者を保障するのがねらいであること。Independenceを自立と訳すより、いろいろなサービスを充分に受け自分の可能性を追求していくという考えに立てば独立という言葉が正しい訳し方であること。その他、視覚に障害のある人の人権として過去の上野訴訟・堀木訴訟などの話があった。中津川代読裁判のコミュニケーション保障は自ら選択するあらゆるコミュニケーション手段が認められることが原則であること。最後にノーマライゼーション社会とは人権の保障された社会であり、頑張らなくても良い社会を目指すことではないかと締めくくられた。
後半は井上先生の講演を聞いての感想や質問を出席者それぞれが出し合った。その中で多くの出席者から生活面や仕事面で配慮を受けづらい状況があることが出され、実質的な平等や結果の平等の考え方から合理的配慮を当然の権利として求めていく必要があることが確認された。

2.語り合う分科会 「雇用」
初めに田中章治さんから現在の障害者雇用をめぐる状況を厚労省の雇用状況調査結果をもとに説明があった。障害者の雇用状況として公的機関では、国は法定雇用率を達成しているが、都道府県では知事部局は達成しているがそれ以外の機関では7.1%が未達成で、特に教育委員会は47都道府県のうち達成しているのが4都道府県だけであること。民間企業は法定雇用率を達成している割合が44.9%で前年比1.1%の上昇であるが、特に中小企業は不況の影響を大きく受け雇用自体がかなり低い水準である。また不況による影響として解雇された障害者が前年度より82%増加し2774人に上っており、障害者や派遣労働者・不定期雇用者など社会的に弱い立場の人達に影響が大である。
次に高知(吉岡さん)から県・市職員採用試験への点字受験導入に向けた「就労を促進する会」の取り組みの報告を行いました。この会を結成するに至った経緯や取り組みとしてのニュース発行や署名活動またジャンボ葉書運動、議会請願や音声パソコンのデモなど様々な運動を報告しました。最後に運動の成果として県では点字受験の導入や年齢制限の緩和、市でも予算が確保され2009年度には実施される見込みが大きいことを報告し、この活動が一定の成功を収めた理由を報告しました。
後半はまず高知の取り組みに対する質疑から始まり、その後雇用問題全体の話へと広がりました。あはき業に従事している参加者が比較的多かったので、病院や特養などの施設、またヘルスキーパーでの雇用問題について意見交換が行われました。またあはき分野以外では特別支援学校の教員から、理療科への進学は難しいがかといって作業所を進路に選択する程度ではない生徒の進路をどのように考え保障していったらよいかという質問も出され、視覚障害者の職域を現状からどう広げていくかについても意見交換が行われました。

全視協石川大会に参加して


             山本 貴裕
 徳島の山本です。今回初めて参加しました。記念講演ではこれまで障害者が置き去りにされたことや、これからも積極的に参加しなければならない事を知りました。
 分科会では、マスコミ報道では分からない事実がある事を知りました。懇親会ではテレビ小説ウエルかめ等郷土のPRをしました。楽しかったです。最後に高知の皆様方、ボランティアの皆様方には大変お世話になりました。ありがとうございました。次回もまた、参加したいと思います。

石川大会雇用分科会報告


吉岡 邦廣
 石川大会2日目、雇用分科会に出席した模様を報告します。
 この分科会には石川、千葉、東京、福岡、和歌山から10名の参加がありました。高知からは、新入会員の中越さん、山崎辰雄さん、吉岡が出席し、公務員試験における点字試験実施の高知の取り組みを報告して来ました。
 まずは東京の稲垣さんの司会で、田中章治さんから昨今の障害者雇用の状況と、今回の不況の視覚障害者雇用への影響についての報告がありました。
 公的部門では知事部局、県警で雇用率が達成されていく中、647団体中6団体と教育委員会では雇用率はまだまだ低迷しているようです。民間企業の実雇用率は1.59パーセントとなり、法定雇用率1.8パーセントに徐々に近づいているようですが、達成企業数で見ると全体の44.9パーセントに留まっています。法定雇用率達成企業数を増やすため、現在厚労省は中小企業での実雇用率改善に取り組んでいるそうです。
 また、昨年から続いている金融不況では昨年度比82パーセント増という解雇率の増加とともに、ヘルスキーパーの求人数の減少が目立っています。ヘルスキーパーの雇用問題については、後ほど持たれた意見交流の場で、石川のヘルスキーパーさんから「運動で開いたこの職域を若い人たちに手渡していきたい」という意見も出されていました。ヘルスキーパーに限らず、退職に当たって、空席となったその雇用先を後に引き継いでいくことは今後全国的に大きな問題になってくるのではないかと思います。
 高知での公務員試験運動については、たくさん報告したいことがありましたが、20分ほどで吉岡が報告させてもらいました。関連して、他の参加者からは「一般試験だけでしか点字受験が認められていない地域があるので、障害者特別枠試験も要望しなければならない」等の意見が出されていました。また、福岡から参加された方からは「福岡では盲学校が職業訓練を行っており、卒業生ももちろん訓練を受けることができる。高知でも、そうできないか」という意見も出されていました。
 試験問題や試験時間についても話題が集まりましたが、全国で2番目に点字試験が導入された和歌山県をはじめ、どの県でもなかなか合格者が出ていないようです。特に専門職以外での採用区分で合格するのは相当難しいという印象です。
 分科会後半の意見交流では機能訓練指導員制度の周知、視覚障害に精通したジョブコーチの養成が主な話題になりました。
 機能訓練指導員制度では、提出した訓練計画書に対して報酬が、特養ホームやデイケア施設に支払われます。ラジオ体操からカラオケまで幅広く、訓練内容として認められ、もちろんあはきも認められており、雇用連ではこの職域の拡大に取り組んでいるそうです。パンフレットは厚労省に準備されているので、この制度が視覚障害者雇用に適していることを施設に情報提供してほしい旨の提案が田中さん、稲垣さんからありました。
 また、「あはきの資格を取るのは難しいが、福祉就労をするほど障害が重くない児童の就職先が見つからない」という石川の盲学校の先生からの発言があり、視覚障害に精通したジョブコーチの必要性も話し合われました。1日2、3時間といった短時間労働の事業主への提案や、あはき以外での就労を支援できるジョブコーチがそうした児童には求められます。静岡県では実際にそうしたジョブコーチがいるそうですが、全国的に視覚障害のジョブコーチの養成は進んでいないようです。
 この外、事務部門に配置された新潟の保育士さんの苦労話も印象に残りました。この方は今まで、窓口業務1割、文書作成等の自分のペースで行える業務が9割という感じだったのですが、これからは窓口業務が9割近くになるそうで、スピードが求められる業務なため、たいへん困っているそうです。上司に雇用促進法の意義について話し、理解を求めるつもりとおっしゃっていましたが、できないことがあるからこその障害者雇用なのですから、よい結果が出るように頑張ってもらいたいと思います。
 この分科会には情報収集、仕事上の相談を目的に参加されている方が大半でしたが、稲垣さんの上手な司会で発言が相次ぎ、有意義な会となりました。また、新卒就職で忙しい中、今大会には新入会員の中越さんが参加してくれました。「職場でいじめられていませんか」という質問への「かわいがってもらっています」という彼の答が、「いったいどのようにかわいがってもらっているのか」と皆の笑いを誘う場面もありました。真面目で明るい青年なので、皆さん、今後ともよろしくお願いします。

石川大会の感想


           中越 祐太
私は、6月13、14日と、石川県で行われた全視協大会に参加してきました。13日は、あはきの会に出席し、14日は、雇用の会に出席してきました。両方の会に出席することにより、いろいろな現状を知ることが出来ました。
あはきの会では、総人口に当てはめると、約500万人もの人が、肩こり・腰痛に悩んでいること。そしてその中で、治療院に行っている人は、100万人くらいだということ。肩こりと腰痛を比較したときに、平均的に男性は、原因の1位が腰痛で、2位が肩こりなのに対して、女性は、1位が肩こりで、2位が腰痛であることなどがわかりました。
雇用の会では、障害者の雇用率の低さや、点字受験を認めている都道府県の少なさなどがわかりました。点字受験を認めている都道府県は、全国で20あまりしかないという現状には驚きました。
今回の大会に参加してみて、新たにわかったこと。改めて考えさせられたこと。そして、いろいろな人の考えや意見を聞くことによって、すごく自分にとっての勉強になりました。参加出来て、本当によかったと思います。

もっと分業化してもいいんじゃないですか? ――「ゆいまーる」京都大会より――藤原 義朗
 沖縄の方言で、「なかま」「つながり」を意味する「ゆいまーる」。昨年誕生したばかりの視覚障害を持つ医療従事者の会「ゆいまーるの会」の総会と懇親会・記念講演が、5月30日と31日に京都で行われました。
 新型インフルエンザの影響で観光客は少なかったもののマスクの人は100人に1人くらいでした。高知からは、有光勲先生と藤原が参加しましたのでご報告します。

どうやって「ゆいまーる」を伝えていくか
正会員は、今総会での新入会員を含め、医師8名、理学療法士4名、臨床心理士1名、社会福祉士1名である。まだまだ「ゆいまーる」の存在を知らない人は多いどころか、ほとんど知らされずに現場から消されてしまっているのが実情だ。
 特に、看護師さんなどと会った時にはもう離職した後ということが多い。プライバシー保護が叫ばれる昨今、なかなか知らせにくいということがある。ホームページや口伝え、パンフレットの活用など地道に伝えていこうという議論になった。
 また、オブザーバーで参加されていた相談業務に携わる方からは、ルーペ相談の看護師さんの例など挙げられ、視覚障害相談業務の人々の集まる会、たとえば、視覚障害リハビリ学会やロービジョン研究会などにも演題を出して印象に焼き付けてもらうことなどの話があった。
 (尚、みちしるべ199号にも書きましたように、ゆいまーるは、あはき従事者を除く医療従事者ということで正会員を組織しています。)

2.財布
 相談活動、講演会の開催、会報の発行、交流会の開催など行いたいことはたくさんある。しかし、ゆいまーるはどこからも財政援助は受けていない。会員は全国各地にいる。そこで、昨年、高知県視覚障害者の就労を促進する会で県職労から資金援助を受けたように、活動を縛られない範囲で資金援助も受けながら活動を広げていくことが確認された。
 いずれにしても役員および事務局員、会員さんもすべて手弁当の会である。

3.情報アップ
 私が、毎回ゆいまーるで楽しみにしているのが、情報交換会である。昨年は、医学文献のテキスト版を出してもらうよう出版社に働きかけ成功した事例や電子カルテの話があった。
 今回は、試験の実施方法で涙ぐましいやりとりがあったことが紹介された。会代表の
守田先生は、ギランバレー症候群で車椅子、手も不自由で点字も不可の全盲の方である。医師の国家試験は読み上げ方式で、口頭で答える方式で合格された。また、事務局長で精神科の医師である大里先生は、点字と録音出題方式併用で行ったが、「血圧はミリメートルHgでしたっけ?」など、設問内容を聞き返すことが必要な為、試験途中で読み上げ方式を加えてもらうなど、すさまじい裏でのやりとりがあった事が紹介された。その他、臨床心理士や大阪市のパソコン受験でもいろいろあったことが紹介された。権利条約批准というが、まだまだ視覚障害者の就労に関するハードルはあまりにも多くあることが実感された。私の方からは、労働に関する法律について紹介した。
 ヒューマンアシスタントは、来年くらいに事務職まで配置基準が拡大されること。来年7月に雇用率の除外率が10ポイント下げられることなど紹介した。休憩時間でも、飲み会でもあちこちで情報交換会が行われていた。
 
4.加藤先生の講演
 京都ライトハウス情報ステーション所長の加藤俊和先生によるご講演をいただいた。
印象に残ったことを箇条書きにする。
○視覚障害の相談業務に関わる人はタートルの会を知らなければいかんといわれるが、ゆいまーるも基本知識にすべき。
○ヒューマンアシスタント制度など医師を「事務職」として登録したら配置基準に乗るかも。
○日本で医師の仕事は書き物が多すぎる。もっと仕事というものは分業スタイルにしてもよいのではないか。
○視覚障害者が福祉システムに乗るのは10分の1。その繋ぎ方を作っていかねばならない。
○著作権法の改定について:最近、衆議院で通った法文ではその媒体については具体的に書かれていない。逆に媒体を問わない方が私達が広げていくことができる。
○著作物のテキスト化を進めていってもよいのではないか。テキスト化したからとい
って裁判を起こされる可能性は少ない。
 著作権の課題については、質問が相次ぎ終了時間オーバーになった。

5.その他
○出席の正会員は医師を中心に10名。協力会員やオブザーバーなど合わせて約30名の参加であった。眼科医や相談員、テキスト化の活動をしている人。大学で視覚障害者に風景を伝える研究をしている人などさまざまな人がおられた。
 私達を取り巻く関西の層の厚さを感じた。
○「AOKのAの先生に会えて感激」と言われるように、初参加の有光先生も昔からの友達に再会するように乗っていた。
○ゆいまーるの魅力は情報交換にある。
11月頃に東京で交流会、来年5月頃には関西で総会と講演会の予定です。前述の大情報交換会も行う予定です。興味のある方は一緒に行ってみませんか。
○藤原は、ゆいまーるの会副代表になりました。よろしくこき使っていただきたいと
思います。
○会った時も別れる時も固い握手。そして本音を言える関係の仲間である。拠り所となる会へ発展していくであろうことに確信を持った大会であった。


「全視協点字プリンター購入募金」報告


        事務局 井上 芳史
 全視協事務所に全国各地から募金が送られ、5月末で75万円に達しました。守る会も10名の方から募金が寄せられ6月24日に3万5千円を送金しました。この紙面をお借りしてお礼と領収に返させて頂きます。本当にありがとうございました。
 有光勲さん、伊藤教雄さん、片岡慈仲さん、門田年夫さん、門田多美子さん、
宗圓政明さん、藤原義朗さん、町田浩子さん、森本寿紀さん、井上芳史

新入会員自己紹介


         永田 征太郎
 みちしるべをご覧の皆様、こんにちは。青学部の永田征太郎です。本年4月に高知に来て早くも3ヶ月がたとうとしています。高知県と言えば坂本竜馬ですが、その坂本竜馬が設立したものとして名高い亀山社中がある長崎県の出身です。
 現在、私は高知市内の中心部に住んでおり、引っ越してきた当初から生活しやすい環境だなあと感じている一方、先日の街づくり調査活動にも参加してみて、まだまだ改善すべき点も多いことを実感しました。視覚障害者にとって少しでも生活しやすい街づくり、活動しやすい社会づくりのために私もがんばっていきたいと思います。これからよろしくお願いいたします。

田邊 準
6月に青学部に入会しました田邊準です。去年、高知盲学校の保健理療科に入学しました。四万十市出身です。以前は建築業をしていましたが視力が落ちてきて、「あん摩」の道を選びました。「いい仕事」のできる施術者を目指したいと思います。趣味は、海での魚釣りです。好きな事は友人と酒(ビール)を飲みながら話をすることです。今後ともよろしくお願いします。             
中越 祐太
皆さん初めまして。新しく入会した中越祐太です。歳は21歳です。まだ、わからないことばかりで、皆さんにご迷惑ばかりおかけすると思いますが、よろしくお願いします。

編集後記


             田元 美紀
 「守る会」の定期総会、石川での全国大会も無事終わり、肩の荷も下りました。そうはいうものの、県と高知市に対する自治体交渉の季節が近づいています。年に1度の、県と高知市に対して直接要求できる大切な機会ですので、積極的に参加していただければ幸いです。
 湿度の高い日が続いています。昔に比べて梅雨入りの時期も梅雨明けの時期も遅くなっているような気がします。これからしばらくは高温多湿の時期が続きますので、特に熱中症や食中毒には充分注意しましょう。
 「みちしるべ」には、「特急列車の発着時刻」「高速バスの発着時刻」「新しく点字・拡大文字メニューを置いたお店」など、生活に役立つ情報を掲載する、または付録として添えることもあります。「みちしるべ」で情報提供してほしいことがありましたら、ご意見をお寄せ願います。



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