みちしるべ
No 211  自治体交渉報告特集号

目次(ページ内リンク)
視覚障害者への図書館サービスは全て点字図書館で??――8月5日市交渉報告―― 生田 行信
裁判所前に音響信号機が付きます。 ――8月5日県交渉報告――
「13m概算で20万円台」――8月12日市交渉報告―― 井上 芳史
インターネットで買い物をしてて…――8月12日県交渉報告―― 北代 麻衣
無資格取締り、ロービジョン、盲導犬の予防注射、防災対策Q&A
――8月12日県交渉報告―― 正岡 光雄

県職員採用試験の実施面で新たな前進――8月19日市・県交渉報告――
点字図書館は合築に伴い追手前小学校 跡地へ ――8月26日市・県交渉報告―― 片岡 慈仲・大原 保子
話し合いと信頼から細かく前進――9月2日県障害福祉関係―― 藤原 義朗
高速道路の有料化の際に、車を限定しないでほしい ――9月9日県交渉報告(再質問等)――

視覚障害者への図書館サービスは全て点字図書館で??


  ――8月5日市交渉報告――
          報告:生田 行信
 8月5日(木)13:10〜15:00、市民図書館3階視聴覚ホールにおいて、吉岡邦廣(進行)、門脇、生田の担当、片岡会長はじめ10名の参加で、今年度1回目の高知市各課・部署への陳情交渉を行いました。以下その回答の概要を報告します。

  1 市民図書館について
    筒井館長(今年4月着任)
 ・図書館内の利用者端末は、今年2月から新しいシステムがスタートし、開発業者とは今後5、6年の契約なので、その間大きなシステム変更はできないとの回答。かなり以前から本会は視覚障害者が利用可能なシステムをと訴えていたにもかかわらず、今回のシステム更新に際して要望を反映してくれていないというのは、ガッカリというか、腹が立つというか、「視覚障害者のことは点字図書館で」という姿勢の象徴のように思えました。
 ・なお、自宅にインターネット環境があれば、本や視聴覚ライブラリの検索、借りる予約ができるようにはなっています。
 ・著作権法改正の恩恵を具体化するためのサービスマニュアルの作成計画は、「新図書館基本構想策定の中で検討」「十分なイメージができていない」との回答。「いつまでに」という目途を示すよう迫りましたが明確な回答はなく、「障害当事者の意見を聞く場を持ってほしい」との求めに「9月末までには」と引き出すことはできました。

  2 無免許マッサージ問題  
    高知市保健所保健総務課 
    戸梶課長、森本課長補佐
 概ね「あはき三者懇」での交渉の際の回答と同じ内容で、担当者から次のような発言がありました。
 ・H20年度の15件19人の摘発というのは医事関係全般と聞いており、そのうちあはき法によるものの数や詳細についての本保健所の問い合わせに警察は回答しなかった。
 ・徳島の摘発事例は、「保健所は関与せず、警察が単独で動いた」と、徳島の保健当局から回答を受けた。
 ・他県でのあはき法に基づく取締り実績は把握できていない。先日の全国部局長会議でも確認できなかった。そのような実績があるのかどうか…
 ・厚労省に照会を出しているのは、「たんとん」についてである。厚労省からの回答はまだない。
 ・旅館ホテル組合、観光協会への協力依頼は、文書で本年5月実施。だが各ホテルでの実状リサーチは行っていない。
・無資格者への注意を喚起する啓発活動は、別途予算が必要な方法では考えていない。

    3 盲導犬の狂犬病予防注射について
      生活食品課 岡林課長
 ・今までも巡回会場に出向いて予防接種を受ける場合は、注射料金3千円(技術料
2,450円、注射済票交付手数料450円)が無料になっていましたが、動物病院で受ける場合は技術料が有料になったり、注射済証をわざわざ保健所に持参しなければ交付されないという手間が必要でした。盲導犬の場合は動物病院のほうが受けやすい場合が多いので、巡回注射の場合と同様にその場で無料で交付できる方向に改善するとのことでした。
 ・巡回注射の案内状を視覚障害者が読める媒体でという要望にも、その方向で検討する。減免措置そのものについての周知は、引き続き広報「あかるいまち」の狂犬病予防注射のコーナーで行っていく、との回答でした。

  4 路上の不法占拠について  
    道路管理課 亀越課長
 ・春野町弘岡の三和段ボールが仕事中にポールを立てたりして通りにくい状態が生じていることについては、同社に指導をし、指導の結果を本会に連絡するとの回答。
 ・他にも歩道上には、看板や自転車、自動車などが不法に置かれている場合があり、総合的な指導をお願いしましたが、自転車や自動車は警察、看板などは役所の道路管理課というように担当が分かれており、即「はい」との返事はいただけませんでした。

 5 障害者単身向け市営住宅について
   住宅課 吉永課長、清水課長補佐
 ・公営住宅は、世帯向け入居を原則として整備が進められてきた経緯があるとのことですが、単身者が増えているという現状や、単身の障害者は民間アパートから貸し渋られることもある等の事情を訴え改善を求めました。今年6月の募集では、全体23戸中、単身障害者だけが申し込みできるもの1戸、応募ができるもの4戸が用意されていました。
 ・潮江地区に整備された42戸を最後に、市の財政状況から今後は新規の建築の予定はないそうです。今後は民間アパートの借り上げなどの方法を検討してみるとのことでした。

  6 中央公園公衆トイレの
    オムツ交換台について  
    みどり課 千頭(ちかみ)課長、
    中沢課長補佐
 ・必要な物であり、かつて設置してあったのだが、壊されてしまった。スペースや壊されにくい構造などを検討し、遅くとも来年度の予算では設置するとの回答です。

  7 「市議会だより」について
    議事調査課
 ・「あかるいまち」とともに「市議会便り」についても、今年2月発行分から電子メール版(テキスト版かワード版)、RSSリーダー版ともに発行されているとのことで、事前にメールアドレスを届け出ると利用できます。

  8 市議会本会議の中継について
    議事調査課
 ・現在、ケーブルテレビで生中継、その録画DVDの貸し出しは行われています。要望していたインターネット配信についても、開かれた議会という意味でも必要性は認識しているとのことから、経費のかからない方法について検討中とのことで、できるだけ早い時期に導入したいとのことです。

  9 防災対策について
  危機管理室 北川さん、有沢さん、
  浜田さん
 ・現時点では福祉避難所に指定されている施設はないが、東西南北の健康福祉センターや旭障害者福祉センターを本年度中に指定できるよう検討中。
 ・障害者が犯罪のターゲットにならないよう、防災マップへは障害者や高齢者の情報掲示はしないよう自主防災組織などに指導していく。
 ・防災情報等の点字等による情報提供を本年度中に作成するよう検討中。
等の回答がありました。

 最後に事前準備についての感想です。当日の時間と順番に沿ってアレンジされた陳情書と、高知市各部署からの回答文のテキストファイルが事前にメールで配布され大変便利でした。関係者の皆さん、ありがとうございました。予め読んでおくことができた点ももちろんですが、フォント・大きさを調節したり、書き込み用スペースを入れておいたり等、自分の使い勝手がいいように加工でき大変便利でした。

裁判所前に音響信号機が付きます。


   ――8月5日県交渉報告――
 日時:2010年8月5日 15:15〜17:30
 場所:本町ビル2階
 担当:生田行信(司会)、門脇哲郎、吉岡 邦廣
 参加者:有光勲、井上芳史、生田行信、
片岡慈仲、門脇哲郎、畠山俊惠、藤原義朗、正岡光雄、町田浩子、松田近子、吉岡邦廣

  *交通規制課(石井さん)
 信号機関連の回答。今年度中に裁判所前信号機に音響が付設されることになった。しかし、その他の音響信号機については「会の方で優先順位付けしてほしい」との回答があり、後日改めて優先順位を知らせることになった。障害者センター南側道路、春野町役場前の音響信号機の新設については、一般からもさまざまな場所への信号機新設の要望が出されているため、やはり時間がかかるそうである。
 上町5丁目、知寄町3丁目音響信号機の音量上げの要望に対してはすでに対応が取られた。しかし知寄町2丁目信号機に関しては、信号機が古いためにこれ以上音量が上げられず、現在はまだ対策できていないとの答弁だった。
 音響作動時間の延長については、交渉の結果、夜間は音量を下げることも含めて利用頻度の高い場所だけでも時間延長を検討してみることになった。検討する場所としては、障害者センター、盲学校付近等の希望を伝えた。
 音響作動開始時間と終了時間のホームページでの公開については、個人宅名、店舗名を用いることができないため、番地で信号機の場所を表さなければならないが、これでは場所の特定が難しいのではないかとの回答があった。今後要望を継続するか検討する必要があると思われる。

  *交通指導課(岡さん)
 毎月15日を「自転車指導、取締り強化日」として、20日を「県民交通安全の日」として自転車の取締りを行い、5月は「自転車月間」として集中的に公報、啓発を行っているとの回答があった。取締り件数は3370件(無灯火823件、二人乗り936件、信号無視515件、傘さし運転541件)、自転車教室開催回数は486回となっている。また、交渉参加者から「歩行中の事故で白杖が壊されるのはたいへん困る」との発言があり、この点については自転車教室での周知が図られることになった。

  *道路課(長野さん、岡崎さん)
 誘導ブロック関連の要望に対する返答があった。敷設に対する要望については、宗安寺分岐点前交差点からネッツトヨタ付近の交差点にかけての道路の南北に、検討の上、敷設されることになった。誘導ブロック破損のチェックについては、2年で全体のチェックが終わるように1年に半分のペースで行っているため、早急に修繕が必要な場合は高知土木まで知らせてほしいとのこと。

  *管財課(橋本さん)
 県庁、県議会への誘導ブロック敷設の要望に対する回答があった。外構の耐震工事が終了するまでは敷設できないが、工事終了後に敷設する旨の発言がはっきりせず、論議がやや紛糾した。最終的には工事が終了する23年末以降、敷設することを前提に敷設方法を検討することになった。

*小・中学校課(渡辺さん)、
 幼・保支援課(山下さん)
 視覚に障害を持つ親にも判読可能な形式での、小学校、幼稚園等からの通知、連絡の要望に対する回答が行われた。小・中学校課からは「大切なことについてはICレコーダーへの吹き込み等の対応をとるよう、メーリングリストを通しての各小学校への指導と市町村教育委員会への要請を行った」幼・保支援課からは「園児の送迎時に、配慮の必要性の有無の把握と通知、連絡の周知徹底をお願いしている」との回答がそれぞれあった。当会参加者からは、一部の情報ではなく、すべての情報が伝えられなければならない点、対応事例の把握が行政側でできていない点が指摘され、「問題の認識が甘い」との発言もあった。この事例の把握に関して、小・中学校課からの具体的な発言はなかったが、幼・保支援課からは9月に計画されているヒアリング調査において、視覚に障害を持つ保護者への対応についても調査する旨の返答があった。

  *特別支援教育課(渡辺さん)
 盲学校に関する要望への回答があり、今後も平成17年の「高知県における特別支援教育のあり方について」検討委員会の方針に沿って他の支援校との併合は行われないことが確認された。併置問題については、第2次・第3次再編計画が発表されたときに意見を出してほしいとのことであった。
 また、盲学生数の現況についても報告があり、盲学校に就学する学生数は昨年より微減の28人(幼稚部3名、小学部4名、中学部2名、高等部7名、専攻科12名)、傾向としては重複障害の学生が増えている。地域の弱視学級で就学する学生数は20人となっており、こちらは昨年より増加しているとのことである。
 当日は医療的ケアを要する児童の受け入れ問題についても「今後も引き続き受け入れてほしい」との要望が出され、「保護者、医師との話し合いの上、可能であれば受け入れてゆく」との返答があった。やはり全面受け入れには慎重な姿勢だった。
 その他の議論としては、地域の高校に進学した学生の状況把握の必要性の指摘があり、特別支援教育課からは「おそらく連絡会で話し合われることになると思う」との回答が行われた。

「13m概算で20万円台」


    ――8月12日市交渉報告――
             井上 芳史 
 8月12日に高知市との交渉が行われ、7名の方が参加されました。
  
 1.市役所本庁舎から議会棟への点字ブロックの敷設について…正面玄関を入ると受付があるので、申し出てくれれば案内します。市役所の敷地の北東に誘導ブロックがあり、それに沿って行くとスロープ、更に行くと本庁舎の正面玄関に行く所に出ます。ここから議会棟までの距離は約13mです。点字ブロックの敷設にかかる費用は概算で20万円台ですが、厳しい財政状況の中、予算の確保が難しい。何かを削れば20万円程度は予算化できると思います。市の職員の方は受付まで来れば案内するのに、なぜ、議会棟に点字ブロックを敷設しなくてはいけないのか分かっていないように思います。障害者が自由に行ける市役所にしてほしいものです。  
 2.旭の障害者センター周辺の街づくりについて…旭駅前電停の南にある西川カメラの敷地内にある木の枝が顔に当たる。交渉前に市の職員が行き、説明をし、枝を切って貰った。何かいい方法がないか考えたい。センターまでの点字ブロックは設置に向けて前向きに関係機関と検討していきたい。
 3.視覚障害者の雇用・就労について…高知市は昭和61年から障害者別枠採用試験を実施しており、13名の方が採用されていますが、視覚障害者の採用実績はない。22年6月現在、障害を持つ職員は30名、その内視覚障害者は1名となっています。  
 4.投票所のバリアフリーについて…投票所に段差がないようにスロープの設置を進めています。視覚障害者の場合、慣れない学校内の投票所に行くことが難しい。電話連絡をしておけば、学校の正門まで選管の方が迎えに来てほしい。それは可能だと思う。視覚障害者が慣れている盲学校や高知市障害者センターを投票所にすることは検討していくが、地域での投票となっているので、全ての視覚障害者が慣れた場所で投票するということは難しい。

インターネットで買い物をしてて…


   ――8月12日県交渉報告――
             北代 麻衣
 私は、高知県の陳情書の交渉会に参加するのは初めてでした。前半の高知市の交渉には、バスの関係で参加できませんでした。
 交渉に初めて参加して、いろんな話を聞きました。とくに印象に残ったのは、消費者問題と医療のことです。
 まだ私は、消費者問題には、ひっかかったことはありません。でも、今は、インターネットで買い物をしてて、お金を払って物が届かなかったり、大金がかかったり、振り込んでお金をだまされたりするので消費者問題の話が聞けてよかったです。
 また、私は医療関係で働いていないので、分かりませんが、無資格マッサージ師に体をもまれてあちこち体をいためたときや患者さんにトラブルが起こった時には、どうするでしょうね、「ごめんなさい」といっても、許してもらえないし、それに資格を取った人が変な目で見られたり、後で無資格者と資格者を比べられて、上手なあんまマッサージさんで、人気のあんまさんに会ったら無資格者
か、資格者か分からなくなりますね。だから、私は思いましたが、無資格の方はやめてほしいです。ほかの話も気になったですが、ちょっと忘れました。

無資格取締り、ロービジョン、盲導犬の予防注射、防災対策Q&A


   ――8月12日県交渉報告――
正岡 光雄
 8月12日の県との交渉は無資格取締り、ロービジョン、盲導犬の予防注射、防災対策等について話し合った。
  1 あはき無資格対策 
    〜ホテル、旅館から有資格者が
    追い出されれば県は取締まる
 「あはき定義が不明確で取締りは極めて困難」等、いつもの回答の繰り返しであったので、県に対し取締りを強く求めた。
 Q 施術痕があり、診断の結果、施術によるものだとの医師の診断があった場合、県としてはどうするのか?
 A 情況を確認する。
 Q 確認した後どうするか?
 A 内容を整理した上で、必要なものについては、国に紹介する。
 Q その間に、県はどうするのか?
 A 明確には判断できないので、国の判断を待つ。
 Q 高知市の事例では、情報提供があって、国に紹介したが、1年半を経ても結果が出ない。それほどは待つことはできない。
 A 県としては国の判断が出ないと、動けない。
 Q 国の判断が出るまでは県は何もできないのか?
 A 因果関係が明らかにならないと、動けない。
 Q 今の事例は、医師の診断で施術によるものとされている場合であるが、どうするつもりか?
 A 県警と調整しながら対応する。
 Q 具体的にはいかがいう対応になるのか?
 Q 抽象的でなく、もっと具体的で、分かりやすくお願いしたい。
 A 警察の生活環境課と事例について、相談する。
 Q 当医療薬務課は県民の健康維持を司るところではないのか?それならば、もっと主体的に動けないのか?国の判断を待つまでもないのでは?
 Q 県民に情報提供を求めながら、その事例に対して何もできないというのは納得できないと思う。無資格の取締りと言うのは有資格者を守るだけでなく健康を守るという点で非常に大事だ。そういう役割がありながら、国の判断が出るまで何もできないとは大変情けない話だ。
 A 何しろあはき法による行為かの、判断がつかないので国に指示を仰いでいる。
 Q 医師による診断で施術との因果関係があると認められた場合はどうか?国の紹介を求めるまでもないではないのか。国の指示がなくても健康被害は明らかではないのか?
 A 果たしてあはき法による行為かどうかも判断しにくい。
 Q 高知市の場合情報提供の後、国に紹介されたが、1年半たっても、何の返事もない。肩が痛くなって、1年半も経っては無意味である。
 Q 無資格だから、あはき法ではない。あるいは、あはき法違反でしょう。
 Q 土佐ロイヤルホテルで無資格者によって有資格者が追い出された。県はこんな場合指導すべきではないか。
 A 指導する。
 後日対象者を伴って役員が県に赴き、改めて説明の機会を持った。「指導する」との回答があったことは、ともかく、前進面である。今後の折衝に期待したい。

  2 医療センターにおけるロービジョンケアの実態を聞きたい
 〜医療センターにはロービジョンケアはありません   
 A 医療センターでは現在、ロービジョンケアは行われていない。眼科外来において、診察後、視覚障害者への相談窓口、生活訓練指導員、福祉機器展等の紹介を行っているのが現状である。僅かに、毎週水曜日学童を対象に弱視、斜視に対して、眼鏡の装用やアイタッチ訓練を行っているに過ぎない。学童以外ではケアの必要な場合には、「町田眼科のロービジョンケア」を紹介している。
 なお、当日四国管内のケアについて質問が出たが把握していないで、後日回答があり、香川で行っているとのことであった。また医療センター内の眼科医師は2(市川、大庭)、視能訓練士は1のスタッフであるとの報告があった。
 県内のロービジョンケアの確立は急務であり、要求運動を強めなければならないとの印象を強くした。

  3 盲導犬の予防注射の
無料化について 
〜注射はお医者さんのプレゼント 
 接種は獣医師会の責任で行っており、無料化は現状では、医師の行為に依存しており、一方、注射実施の証明は市町村扱い(済み証)であり、免除は市町村が負担している。現在、ユーザーの住む、3市町村は高知市、香南市、安田町で、全て減免になっている。県内で、免除制度を持っているのは10市町村であるという。
 医師の負担ではなく、公的負担になるよう取り組まねばならないと思う。動物病院での接種についても、同様であるべきだ。

  4 家具転倒防止策について
   〜県と市町村からの補助があります
 地震に備えての家具転倒防止策は、怪我を防いだり津波などからの敏速な避難のために欠かせない。県は各市町村実施の「家具固定支援事業」に対して、その2分の1(上限あり)を補助する事業を開始したが、未だ十分浸透していないので、普及に努めたい。現在、県下34中10市町村が制度を持っている(県の説明)。後ほど補助事業市町村に関しての資料提供があるので、「みちしるべ」に掲載したい。
 Q 賃貸マンションに住んでいるが、「工事」を行ったあと、引っ越す場合に元に戻さなければならない。それは費用の面でも作業の面でも大変な負担である。
 Q 敷金からの差引も多いだろう。ガラスへのテープ貼りなどもある。県は借り手の負担の軽減策を考えないと「防止策」は絵に描いた餅になって、計画は進み難い。また公営住宅の場合については昨年もお聞きしたが。
 A 公営住宅の件は後ほど調べて回答する。また賃貸住宅の件については検討する。

  5 福祉避難所について
 Q 毎年要望を出し続けているが福祉避難所の計画は一向に進んでいないように思われる。実態を説明してほしい。
 A 各市町村において、「避難支援プラン」全体計画を策定し、福祉避難所設置を行うことにしている。県では利用可能な社会福祉施設の調査の上で市町村に情報提供を行い、市町村との協定を行えるように準備している。
 Q 実現は何時(いつ)ごろになるのか?
 A 今年度中に可能施設の調査を終え市町村に情報提供するので協定は来年度からである。
 Q 長年の要望でもあり、早急に実現して欲しい。視覚障害者の場合、災害時に避難所では食料の配給の際の受け取りや仮設トイレ使用等で苦労すると聞いている。盲学校、障害者福祉センター、老人ホーム(福寿園等)障害者に対応し可能な設備、職員配置等の点で限定されると思う。「災害が襲ってくる」などの情報を盛んに流す割には対応が極めて遅れているように感じる。
 防災対策については「防災マップ」、「避難、誘導」等種々あったが、紙面の都合で割愛する。

県職員採用試験の実施面で新たな前進


――8月19日市・県交渉報告――
 担当者 永田征太郎、森本幸一、山崎辰雄

  1.市との交渉
(1)特定健診で課題
 健診案内については点字・大活字が用意されることになるようですが、受診カードについてはいまだに検討がなされていないようでした。

 (2)消費者問題で慎重な対応を
 回答の中で「被害事例はない」とのことでしたが、相談事例の中で気になるものも見受けられました。住宅や家具の破損など、視覚障害者単独では発見が困難または遅れることがあり、その点について悪徳業者に付け込まれないようにしていくための何らかの防衛策が必要になってくると感じました。また、契約書が読めないという問題に関しては、相談員が家庭に出向いて相談に応じることがベストであろうが、それは人員的に厳しいので、契約文書を消費生活センターにファックスで送信することで相談に応じることが現段階での対応になるということでした。

(3)視覚障害者向けパソコン講習会は頭打ち…
 今年の交渉でも引き続き視覚障害者向けのパソコン講習会を増やすよう求めていますが、これ以上回数を増やすことは困難であるという結果に終わりました。視覚障害者がパソコン操作のスキルを身につけることは就労問題の解決の糸口にもつながると考えられるため、専門性を有した指導者の育成や環境の整備を積極的に進めていくよう、これからも強く要望していきたいと思います。

  2.県との交渉
 (1)県採用試験で音声化に向けた
    新たな取り組み
 「県職員の採用試験について、試験問題の媒体を点字のみでなく多種類に拡大してほしい」という要望項目に対し、人事委員会職員課より回答がありました。委員会では来年度実施する身体障害者を対象とした試験において、試験問題の音声化を実現するよう準備を始めたそうです。問題の提供方法については、音声化パソコンを使用するか、CDによる読み上げ方式を採用するか、これから検討されるようです。なお、これが実現したとしても、点字がメインであって音声資料は補助的手段であるということを前提として実施するということを強調していました。これは、音声のみでは表現しづらい図や表などは、点字で確認することが前提となるからのようです。来年度の実施に向けて、我々の意見を聞く場を設け、DAISY形式の媒体にするなど、視覚障害者が十分に実力を発揮できるようなものとなるよう検討していってほしいという意見が出されました。これからの準備作業を期待しながら、しっかりと見守っていきたいと思います。

 (2)投票所のバリアフリー化で一歩前進
 「投票所のバリアフリー化を義務化してほしい」という要望に対し、市町村振興課より回答がありました。地域の実情によっては対応が困難なケースもあるため、義務化することは難しいという回答の一方で、学校の体育館などが投票所に指定されている場合には、門の所まで案内人が出向くこともできるという前向きな返答が得られました。それを受けて本会からは、「さんSUN高知などを通じて、地域の視覚障害者にこのような有益な情報が伝わるよう配慮してほしい」という意見が出されました。

  (3)街づくり、民間業者への指導・
     啓発
 公共交通課より回答がありました。土佐くろしお鉄道の両替機の投入口に関する要望については、すでに昨年改善済みであるという報告がなされていました。JRの遮断機に関する要望に対しては、事故現場に急行する対応はとっているが、踏切に人を配置することは難しいため、遮断機が下りている間は原則として横断しないことを守ってほしいということでした。「ですか」の残額が少なくなったときのガイダンスについては、「財布の中身を見られているようで嫌だ」という意見を踏まえ、ガイダンスを開始する残額の引き上げには至りませんでした。また、土電の電停に関しては、「場所によって電停の構造に違いがみられるが、バリアフリー化の基準に則って整備してほしい」という意見も出されました。

  (4)県営住宅について(住宅課)
 単身用ではなく、全体については次のような状況でした。現在、県営住宅の総数は
4000戸、そのうち視覚・聴覚障害者向け住宅は12戸(3DK)、車いす向けが90戸ほどあるということでした。個数については財政面の問題でこれ以上増やすことが困難なため、古いものを整備して使い続けているのが実情と説明がありました。視覚障害者向けのものでも、現状は手すりに点字シールを張るなど、住宅そのものを改造するというよりはソフト面で対応できるようなレベルなので、当選して入居が決まった際には、個別の相談に応じたいということでした。
 障害者単身については、次のようなことが懸念されるという指摘がありました。まだ確定事項ではないけれども、障害者や高齢者でなければ新たに単身への入居はできないという法令の縛りが改正によって解かれ、逆に競争率が上がることが予測されます。また、ガラス飛散フィルムや家具転倒防止器具の設置による一部の破損は認めるが、設置作業を住宅課だけで対応できるかは分からないとのことでした。

  3.全体を通して
 今回の一連の自治体交渉においても、ある一面での前進があれば「交渉を続けてきた甲斐があったなあ」と感じる一方、昨年の回答内容と変わらずに進歩が感じられない点もたくさんありました。今季の自治体交渉全体を振り返り、陳情書づくりから交渉に至るまで関わらせてもらう中で、検討委員の一人としての私の思いをいくつか書かせていただきます。以下、守る会総会で出された意見と一部重複することをご了承ください。
 (1)個人から出された要望項目については、その人が責任をもって状況把握に努めていただきたいと思います。陳情書は生き物です。新しい要望は新たに盛り込み、解決した課題については削除して作り直していかなければなりません。街づくり点検などチェック作業にも取り組んでいますが、検討委員だけで全ての状況を把握するのには限界があります。要望を出された方は現状把握に努め、解決された際には役員や検討委員までご一報いただければと思います。
 (2)(1)と関連することですが、要望を出された当事者は自治体交渉にも積極的に参加していただければと思います。県や市の職員に対して説得力のある意見を伝えるには、当事者の発言が一番重みがあると感じています。1つでも多くの要望が実現するよう、会員のみなさんのご協力をお願いします。
 (3)民間業者に対しての要望項目が増えてきたことも踏まえ、県や市を通して要望を伝えるのではなく、直接交渉の場を設けることが必要になってきたと感じています。ナマの声を伝えて討論することが、課題解決への近道であると考えるからです。
 今回の成果を活力に、また来年に向けてがんばっていきたいと思います。

点字図書館は合築に伴い追手前小学校跡地へ


   ――8月26日市・県交渉報告――
       片岡 慈仲・大原 保子
 8月26日は参加者7名で、大原、片岡の担当で行われました。

  *高知市との交渉
 まず、先週の元気生きがい課の続きから始めました。
 コミュニケーション事業としての音訳者の派遣については、以前は前向きな態度だったし、県も前向きの発言をしていますが、今回高知市は「他の自治体でやっている所も少しずつ増えてはいるが、予算の関係で新たな事業は行えない」という回答に後退しました。
 日常生活用具で、ICレコーダーが正式に認められました。また、触読式や音声時計などが壊れた際は、年数に関わりなく申し出て貰えば対応するとのことです。
 旭の障害者福祉センター…「ノーマライゼーション」の電子メール版については検討したい。調理室の炊飯器が壊れているが、確認の上買い替えるなどしたい。センターのパソコンにウィンベスなど点字の書けるソフトをインストールする件は、センターに話してみる――との回答でした。
 点字図書館…当初から正職員5名体制だったのが1名減になっていたが、今年5月から1名増となり、現在は5名体制に復活している。また、来年視覚障害職員が1名退職するが、この後任の視覚障害職員を確保するよう人事課に働きかけており、実現できると思う。
 運営委員会の設置については前向きに検討する。
 県立図書館と市民図書館が追手前小学校跡地に合築されることが決まった。今年度中に基本構想を決定する。点字図書館は当然市民図書館とともに追手前小跡地に移る。9月議会が済み次第検討委員会を開き、皆さんの意見も窺(うかが)いたい。また、緊急な情報はその都度守る会にも伝える。――との回答でした。

  *県との交渉
 児童家庭課…児童扶養手当の改正に関する申請手続きなどの説明は、障害者家庭を個々に訪問してまでは行っていないが、丁寧な対応をするよう、各市町村の関係部門に申し入れた。
 県警生活環境課…「無資格者の検挙状況は、平成21年度は全国で10件の検挙があり、20年度には徳島でも1件の検挙があった。高知県では現在直接の苦情は確認していない。あはき法に関してはあん摩・マッサージなどの定義がはっきりしていないなど、難しい問題がある。平成7年にオウム真理教関連で、有資格者が無届けで営業していたので、取調べをしたことがある。高知であはき法関連で警察が動いたのはこれ1件のみだと思う。健康被害や猥褻(わいせつ)行為があれば捜査しやすい。高知としては、悪質事案を中心に取締りを行っていきたい。」
 国保指導課…「特定健診の受診券の文字を少し大きな文字にした。」
 県立図書館…「市民図書館と合築で追手前小跡地に建て替えることになる。情報開示を含め、視覚障害者の意見も聴きながら進めたい。対面音訳などの視覚障害者へのサービスが、後退するようなことのないようにする。検討委員会を作って新しい図書館の構想を決めるが、その委員を今検討中である。」「大学の図書館と県立図書館は協定を結んでいるので、視覚障害者の大学図書館の利用について協力する」「今年度も東京で開かれた公共図書館の障害者サービスの講座に職員を参加させたし、音訳ボランティアに対する講習も行う」「大活字本は21年度180冊、今年は今までに70冊を購入した。21年度の貸出数は1100冊ぐらいあった。利用者も多くなっており、今後も一層充実させていく」
 議会事務局…「さんSUN高知や議会だよりの電子メール版は検討する。また、デイジー版についても必要性は認識しているが、カセット版の方が使い慣れている人もいるので、どのように切り替えていくかを含め検討する」――という回答でした。

話し合いと信頼から細かく前進


   ――9月2日県障害福祉関係――
             藤原 義朗
  1.教員採用試験は希望があれば
    点字試験実施も
 教育委員会としての障害者雇用率は
1.98%。あと6名不足しているとのことであった。事務職採用は1校1人職場が多いので、難しいということを話しておられた。
教員についても、1教科1教師職場が多く採用という話はなかったが、希望があれば点字試験は可能との返答であった。

  2.パソボラ派遣制度をご利用下さい
 高知市以外での障害者対象のパソコン教室は4つの自治体で行っている。
 しかし、最近は視覚障害者の受講はないようである。マンツーマン的な指導の必要もあるので、ぜひ、パソコンボランティア派遣事業を利用していただきたいとのことである。

  3.パソコン周辺機器は柔軟性を持って
 パソコン周辺機器の上限額は、30万円である。そのうち読書支援機器は20万円。年限が6年という課題がある。利用するかどうか分からないが限度額いっぱいまで申請するケースのことが出された。必要なものを申請し、残りの金額を後で生かしていくような柔軟な仕組みを取っていけるよう市町村を指導していくことなどが話し合われた。

  4.県のホームページについて
 パソコン上で申し込むと、県の新着情報は毎週金曜日に配信していただく仕組みになっている。「さんSUN高知」も配信されるので、是非登録していただきたいとのことであった。それ以外にも、県行政で知りたいことがあれば担当課に問い合わせればメールなど配信していただけるとのことであった。

  5.生活訓練
 昨年の実施は22名に96回である。待機者は6名であるが、季節的なものもあり、この体制でいけるとのことである。

  6.いいもの教えて、ルミエール
 昨年も国の補助事業100万円を使って最新式のパソコンなど取り入れている。技術革新は目覚しいものもあり、購入検討していきたいので役に立つものを教えていただきたいとのことである。
 ルミエールサロンの見学は普段はアポイントが必要であるが、第3木曜日午後がオープンなので、お気軽に来館していただきたいとのことである。

  7.社会参加の勉強
 県外から講師など呼んで社会参加講座をする際、高知よさこいピック基金が使えるので、よい企画があれば相談していただきたいとのことである。

  8.進めたい音訳者派遣
 コミュニケーション事業は手話を中心に行われているが、音訳者派遣は全国で5箇所。その他、移動介護事業や生活支援事業などと組み合わせて行っている所を含めると10箇所以上にもなる。県内各市町村に実施を呼びかけていくと共に、国にも支援をしていただけるよう頑張っていきたいということであった。
  9.ICレコーダー給付
 日常生活用具の給付品目としてICレコーダを入れるよう市町村に通知している。
 また、ルミエールグッズ同様、役に立つものを紹介していただきたい、市町村に指導していくつもりとのことであった。

10.重度障害者福祉医療助成制度は、廃止する予定はなく、堅持していく方針である。

高速道路の有料化の際に、車を限定しないでほしい


    ――9月9日県交渉報告(再質問等)――
 司会:井上  報告:大野  
 本日の交渉参加者 9名

  *街づくりについて
   (前回の回答の再質問があったため)
 太陽号の利用については、高知県社会福祉協議会が管理している。1日1団体が基本であるが、場合によっては柔軟に対応するとのことだった。
 「高速道路の有料化の際には、視覚障害者については、車を限定しないでください。」このことを道路運営管理団体に要望していく。

* 福祉サービスの充実
 (自立支援法・介護保険関係)
 障害者の自立支援法による応益負担は廃止され、新たに平成25年8月に法律が制定施行されるようになっている。このことに先駆けて、今年4月より地方税非課税世帯は 利用者負担が無料になる対策を行っている。ガイドヘルプ事業も同等のようになっている。家族の負担は、平成20年より配偶者のみとなっている。65歳以上の方は、介護保険適用となってはいるが、十分でない場合は自立支援法を適応させ上乗せをするとのこと。要介護認定や障害者区分で非該当になった場合は、将来予測されることもあり相談業務での対応をしている。

  *雇用・就労問題 県回答
 今年2月に盲学校において、民間企業を対象にパソコンの実演、あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの治療見学会を行った。
 自立支援法に基づく就労支援センター(A型)の設置。
 各種施設への就労体験。
 就労のためのセミナーの開催。
 障害者の就職者数は、前年度より40人多い333人となった。全国11位。
 県が業者に委託しての就労支援を促進するためのパソコン教室を11月から実施するとのことでした。
 この回答に対して次のような質問があった。
 ○当初10月に実施されるはずのものがなぜ11月になったのか。そのことが利用者に混乱をもたらした。
 県は、「陳謝し今後このようなことのないようにします」とのことであった。

  *街づくりについて 見解等
 磁気誘導ループにつきましては、高齢者施設や障害者施設の設備基準に規定がないとのこと。従って、すぐに設置するのは難しい。

*民間業者へのバリアフリー化の
  指導・啓発
 昨年制定の高知県人に優しい街づくり条例で床面積が2000u以上あるホテルの新築・大規模改修の際には、音声エレベーターの設置を規定している。条例前のホテルには、旅館ホテル生活衛生組合を通じて文書でお願いをしている。文書の中には、文字の大きさ・浮き出た文字など弱視者に対しての配慮もお願いしている。
 平成22年4月に高知県人に優しい街づくり条例を一部改正して施設整備設計マニュアルで部屋入り口などに浮き出し文字・点字等を整備することにしている。
 点字ブロックの上に物を置かないように業者などに啓発のチラシを配布している。
 高知県にあるテレビ局では、予算・人材両面で静止画像(天気予報などに)音声対応はできないとのことであった。
 この回答に対し2点質問・要望があった。
 ○災害時などの際は、音声をつけてほしい。
 ○ホテルなどの設備サービスは、他県など参考にして指導・啓発をお願いする。

 小高坂更生センター(盲人ホーム)の運営は、県とは異なっている。同じ敷地内の研修ルームは、今まで通りの利用が可能とのこと、またこの施設はA型であるから、一度社会人であってもあん摩マッサージ指圧・はり・きゅうなどの持続的な就労訓練が可能となっている。盲ろう福祉会館の跡地に視力・聴覚障害者のグループホームを開設する予定になっている。



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