みちしるべ
No 223 2012年7月号
目次(ページ内リンク)
「高知守る会の提案で検討」理事会報告 井上 芳史
8月の県・高知市等との交渉の担当者一覧(敬称略)
2012年度 守る会総会の報告 生田行信
こんな風に変わります 正岡 光雄
ピシッと紙パンツはいて歩いた 藤原 義朗
街づくり調査活動(北環状線福井編) 恒石 道男
基本設計から実施設計へ 片岡 慈仲
近況報告 田元 美紀
私の趣味は音楽 武岡 清美
編集後記
井上 芳史
法人全視協の理事会(旧、全国委員会)が5月12?13日、手をつなごう要請行動が14日に行なわれました。地方団体(社員)・青年学生部・女性部の中で欠席は5組織、19組織の出席で理事会は成立しました。
理事長の田中氏の開会挨拶の中で「4月22日の愛知の団体の総会で全視協からの退会が決定され、退会したいと文章が届いた。11月頃から退会の情報があり、3月に話し合いを持ったが、意思が固く、話し合いにはならなかった。理由としては、全視協が法人化になること、点民を会員全員に配布すること、業務執行理事の選挙にあたって信任・不信任の選挙をしないことなどに異議がある」と報告されました。
今回の理事会には高知守る会として特別な思いで望みました。それは全視協の体制を法人化する前の状態に戻したい、会員・地方団体を大切にする全視協に戻したいという思いです。そのためには理事会での決議方法を変えることだと考えました。
昨年、法人全視協となって初めての理事会で討議を重ね、どうしても賛否を問わなければならない事態となりました。理事会は業務執行理事(提案する役職)、地域担当理事(地方団体)・青学部・女性部で構成されており、全視協の方向を決定するためには理事全員で決めなければなりません。ということは提案側の業務執行理事(14名)も加わることになります。高知守る会としては業務執行理事が加わらない形、地方団体の意見が反映される形で全視協の方向を決定する事だと考えました。
高知守る会からの提案は「業務執行理事の中で、理事は理事長・副理事長・総務局理事とする。残りの業務執行理事は総務局員とする」という定款の変更です。これにはいくつかの地方団体からも支持の発言がありました。この提案に対し、業務執行理事からは「運営方法に問題があると思っていた。13年の全視協大阪大会に向け、司法書士と相談しながら定款の変更を検討していきたい」と回答がありました。「大阪大会で定款の変更を決定するためには10月の理事会で定款の変更内容を指し示したい」と前向きな発言がありました。
手つな要請行動など全視協運動によって実現した事項
1.4月からロービジョンケアが医療の中で行なわれるようになった。
2.郵便物の不在通知の点字化:中央郵便局に届けておくと不在通知の点字版プレートを自宅に配布する。
3.郵便局のATMで他の銀行のキャッシュカードも音声ガイドで利用できる(手数料がかかります)。
4.スペアの白杖も支給:白杖は自転車などに巻き込まれて折れ曲がることがあるのでスペアも含め2本申請することができる。
最初の方がその日の責任者です。参加者には、交通費500円をお支払いします。
多くの方のご参加をお願いします。
8月2日 正岡 永田門脇
8月9日 井上芳史 恒石
8月16日 生田 大原 藤原
8月23日 片岡 山崎
8月30日 有光 井上奈美子 大野
8/2、8/9、8/16、8/23(いずれも木曜日)は、
13時〜15時が高知市と、15時〜17時が県との交渉です。
8/30(木)は15時〜17時は県警による信号機の説明があります。
18時〜20時は県障害福祉課との話し合いです。
詳しくは正岡090?4784?8181までお問い合わせください。
事務局次長 生田行信
去る6月17日(日)、高知市障害者福祉センターにおいて、過去最高ではないかと思われる42人の参加で今年度の総会が開かれました。
今年の総会は役員改選がないことから、総会前に30分間ミニ学習会を行いました。点字による受験者として初めて高知市職員に採用され、昨年の4月から保健総務課に勤務している脇水哲朗さんにおいでいただき、日頃のお仕事ぶりをお話ししていただきました。福岡のご出身で明治大学と大学院を卒業された脇水さんが、直接のご縁のない高知を受験したいきさつや、意外な配属先の発表で当初複雑な心境になられたこと、着任後は上司や周囲の方々が仕事を与えようという姿勢で臨んでくれていて恵まれていると感じていること、電話応対や会議録の作成など日頃の業務、コミュニケーションを大切にしていることなどを聞かせていただきました。これを機会に高知の視覚障害者とも交流が深まるきっかけになればと思います。
続いて井上事務局長の進行のもと「開会セレモニー」が行われました。片岡会長が挨拶にたち、障害者自立支援法の廃止や新法制定など与党政府の選挙公約や当初の約束がことごとく反故にされている政治の実状に対する怒りと、それでもなお粘り強い運動の大切さが訴えられました。総会は現在の会員数70人に対し、委任23人を含めて過半数で成立。議長に恒石道男さん、永田征太郎さん、記録に生田が選ばれ拍手で承認されました。
さっそく恒石、永田両氏のもと議事に入り、まず2011年度活動報告が各担当部長から、会計報告を山崎会計部長、監査報告が津野一美さんから、2012年度の活動方針(案)が一括して片岡会長から、同予算案が山崎会計部長から行われ、活発な議論の後、拍手で承認されました。議案の詳細については「議案書特集号」をご覧いただければと思います。
では当日の質疑の中からいくつかピックアップしてみましょう。
●全視協が一般社団法人になったいきさつや、その後の状況についての質問に対し、片岡会長から次のような説明がありました。
「一般社団法人になった理由は、会員であるビル所有者からの寄贈が提案され、受け取るためには法人になる必要があった。昨年度の全視協愛知大会で正式に法人化することになった。任意団体「全視協」の時代と性格は基本的に変わらないようにするということで承認された。ところが、新設された理事会での方針決定の仕組みが、業務執行理事(旧執行委員)も採決に加わるため、ほぼ執行部(業務執行理事会)提案が通る仕組みになってしまっている。そのため、これを改善し以前のように民主的運営がなされるよう、全視協への提案やそのための役員学習会を進めてきた。詳細な報告はみちしるべ222号を参考にしてほしい。このような中で愛知の組織が全視協を脱会した。もともと法人化に反対していたことと、梅尾裁判の当事者として係争中であり、法人であることがそぐわないと判断したのではないだろうか。」
また業務執行理事の一人である藤原さんからは、「私の考え方は高知の考え方と同じなので、その趣旨に則って業務執行理事会の中で頑張っている。」
●街づくりの取り組みについて活発な発言がありました。
要求検討委員である門脇さんから、改善してほしいと感じていることを要求としてどしどし出してほしい。夏の交渉にもぜひ積極的な参加をお願いしたい、との呼びかけがありました。
「上町4丁目交差点信号の南北の青の時間を長くしてほしい。」
「県交通一宮営業所の北の方にある信号に、音響を付けるか見やすい信号にしてほしい。」
「デスカカードの残高音声をぜひ実現してほしい。」
「バスについての改善要求では、直接運転手と話し合う場面も持つといいと思う。」
今年度の要求書作りと関わって、6月9日(土)、10日(日)に行われた点検活動の様子や、要求に挙がってきている場所の問題点を、松田近子さんや町田浩子さんが具体的に報告してくれました。
「点検活動であらためて、音響の音量が全体的に小さくなっているように感じた。」
「上町4丁目交差点では南北の歩行者の青が短いし、同じ方向の車の音に併せて歩き始める危険性が高い。」
「御座交差点(大津バイパスと薊野バイパスが交叉)は、すごく複雑な交差点なので、視覚障害者の立場から歩行や横断の難しさを指摘してほしい。」
「市民図書館前の北側のお堀沿いは柵が途切れていて危ないと感じる。」
●視覚障害者と災害時の対応について
「5月27日の視覚障害者と大震災の学習会はたいへん良かった。別府さんや藤原さんからの現地に行ってこその生々しい話が聞けたし、いろいろな災害時のグッズを直接見たり触ったりすることができた。それに対し認知症の講演は一般的な内容に止まり、事例や具体的な内容を聞きたかった。」
●無免許マッサージ問題への対策の一つとして、有資格者であることがわかる携帯免許証について、浜口あはき対策部長から説明がありました。
「昨年4月から着任した高知市保健所保健総務課樫尾課長から、有資格者を差別化するよい方法がないかという前向きな発言があり、携帯免許証も一つの方法ではないかという話が出た。以前のものを参考にしたり、会員からの意見を聞いたりして研究し、夏の自治体交渉には具体的に当局に意見を出せるようにしたい。」
知事免許時代の携帯免許証を知る松田哲昌さんからは、「以前のタイプのものは携帯に不便なので、カードタイプがよい。」とのアドバイスがありました。
●有光編集部長からは、田元さんが結婚して抜けてからの編集部の体制について、編集作業など町田さんが随分手伝ってくれているが、一人に負担を掛けすぎてはいけないので、特に墨字の製本作業では積極的にお手伝いをお願いしたいとの呼びかけがありました。
●現在、土佐希望の家分校で学習している音十愛ちゃんのお母さんである山崎理恵さんから、自分から物を触ることが出来はじめたり、行動範囲が随分広くなってきたことなど、音十愛ちゃんの最近の成長の様子が報告されました。
●予算に関連した質疑では、事務所維持費が増えている理由として、今までは販売活動で捻出していたが、思うように金額が伸びないので、本会計から支出するようになり、今年度は増額する必要が出てきた。まもなく物品販売のチラシを送るので、購入にぜひ協力してほしいとの呼びかけがありました。
閉会にあたっては、昨年の11月まで長年高知点字図書館に勤務された有光京子さんが、ここまで充実した仕事をしてくることができた感謝の気持ちを述べられ、ご挨拶がありました。そして正岡副会長の締めくくりの言葉で閉会となりました。
県交通バス会社との交渉から
正岡 光雄
前号でお知らせいたしました「銀行協会」との意見交換会に引き続いて、3時から一宮に場所を移して、県交通バスの会社との意見交換会を持ちました。銀行協会から、全員揃って高知市のバス「元気号」で全員移動しました。
守る会が、かねて県を通じて要望していた項目を順次説明しました。
1.車内放送や車外放送を正確に行ってください。
「バス停の車内放送がズレていて、とんでもない所で降りてしまい、大変困った。人通りもなく、通りがかりの人に聞くことも出来ずにさんざん迷い歩いた。雨でも降っていたらどうなったかと思うと、バスに乗るのがためらわれる。」
〈回答〉
「乗務員(運転手)の社内教育には、かなり力を入れているが、そのようなことのないように、尚研修には徹底を図るようにして行きたい。」
「乗りたいバスが黙って行き過ぎたり、止まっても放送が聞こえないことがまだよくある。再々来るバスならいいのだが、1時間に1度とか、30分に1度のバスだと、1時間も2時間も待たねばならなくなる。白杖をずっと上げたままで待のは、とても
つらいものだ。そのへんを、運転手さんにも十分お伝えいただきたい。」
〈回答〉
「皆様のこういったお言葉は、すべてお伝えしております。まことに申し訳ないことです。」
「家庭でのもめ事の後だったのかも知れないが、大変乱暴な運転の方もあり、事故でも起こるのでは
ないかと不安になった」その一方で、「この頃、運転手さんは大変親切になっている。そのようなことも、ぜひともお伝えいただきたい。」との意見もあった。
2. デスカについて
「デスカは大変便利でありがたい。しかし、残高がわからず困ることが多い。特に長い距離の場合、これで料金が足りないのではないかと不安になる。運転手さんに聞けばいいのだが、忙しそうで聞きづらくもある。」
「県を通じての回答では、100円までになったら、通知があるはずだとの話だったが、後になってそれはまちがいだとわかった。」
〈回答〉
「皆様のご要望の主旨はよく承知しております。県からもたびたびお聞きしております。実現には二つの問題があります。一つは、乗客の中には残高が他人に知られるのをいやがる方がいるのです。しかも、それが何度も何度もになりますので、余計な神経を使うことにもなるわけです。
もう一つは、費用の点です。プログラムの組み替えになるわけで、これには少しの組み替えにしても約1000万円も必要になります。今でも赤字の当社としては、大変苦しいところです。県からの補助などもお願い出来たらと望んでおります。そんな次第で、皆様の切なるご要望ではありますが、解決出来ていないのが正直な話です。まことに申し訳ありません。」
3. 時刻表をもっとわかりやすくしてください
「最近、電照式の時刻表は増やしていますか?」
〈回答〉
「これも費用が大変かかりますので、増えておりません。」
4. バス停を表示する点字ブロックは、正しい位置にしてください。ずれているもの、木の陰になっていたり、バス停表示の看板の陰になっているような場合は、必ず直してください。
この他にもたくさんの要望や意見が出ました。
最後に、総括的に責任者から締めくくりの話がありました。
〈締めくくりの話〉
「日頃皆様にはバスをご利用いただき、まことにありがとうございます。乗務員には、お客様に対するサービス、特に言葉の問題あるいは、運転の仕方等種々の点でいつも研修の際に注意しておりますが、お話のようになかなか徹底が出来ていないこともよくわかりました。今後とも、なお一層行き届かないところを改善していくように努めていきたいと考えております。本日は皆様お足を運びいただきまして、また貴重なご意見を頂戴いただきまして、まことにありがとうございました。
意見交換は、大変友好的な雰囲気の内に終わりました。やはり何年かに1回は、このような機会を作って行かなければならないことを痛感しました。
皆様からのご要望やご意見など、正岡までお届けください。JRや新聞社などへの意見交換も、行ってほしいとのご意見もあります。そのようなことも含めて、いろいろご意見をお聞かせください。4月5日の意見交換でしたが、当日参加された皆様方、大変お世話様でした。
「防災グッズ学習会と認知症サポータ養成講座」
藤原 義朗
認知症は、「80歳以上の4分の1」。今や超高齢化社会の重要課題である。厚労省はそのサポーターを400万人へと目標を引き上げた。
以前よりこの講座を行いたいと思っていたが、大震災支援報告とトイレ課題と合わせて学習する機会を得た。場所は、あんしんセンター。参加は守る会を中心に視障者家族、ヘルパーの33名、市役所職員・保健師さんなどスタッフ11名の計44名であった。
第1部 大震災支援とグッズ
1.視覚障害者支援の1年間のまとめフォーラム報告
3月11日に仙台で行われた日本盲人福祉委員会の報告会に藤原が参加した。避難所では「お年寄りもやっているのに何で出来んの」など言われ、居る事ができなかった。配給は避難所の人にしかなかった、など深刻な話を聞いた。
今回、仙台の盲導犬訓練センターが支援拠点となり得たが、「四国に拠点のないことが心配」と指摘された。
2.「家に帰りたい」という言葉も言えない福島へ
日盲委の専門家派遣で、ルミエールサロンの別府さんが3月、福島に支援に入られた。慣れない道をレンタカーで仮設訪問された。40歳代から80歳代。役立つグッズを手にし喜ばれる思いと共に、知らなきゃ給付されない福祉用具の申請主義の限界を感じた。福祉用具の送付だけでは使い方がわからない。専門家の説明がいる。やはり、視覚障害者支援の窓口設置が課題である。
3.大は小を兼ねない紙パンツ
別府さんから「安心缶」と言われる防災グッズセットの紹介と使い方について説明あり。福祉機器展・おしりまわり隊のスタッフより、段ボールで作る簡易ポータブルトイレの説明があった。和式トイレの要領で尿の吸収方法や、男性自身を入れて尿取り方法、また、意外に匂い吸収力のある新聞紙の使い方について学習した。
紙オムツや紙トランクス、尿取りパッドを実際にはいて、漏れない工夫について指導していただいた。ちゃんと知って目的に合う物を使い、きちんと使うことで大きく違うことを体験した。
第2部 認知症サポータ養成講座
春野にある小規模多機能施設「ほのか」の小笠原さんに、キャラバンメイトを務めていただいた。キャラバンメイトとは、認知症サポータ養成講座の講師のことである。
「食べたのは覚えているが、何を食べたか忘れたのは良性・・」など介護現場で培った多くの体験を基に語られた。周辺症状は、声掛けや対応で抑えることができる。大切なのは、優しい声のかけ方。困惑させない方法が大切である。
よく言われる言葉であるが、早期診断と早期治療が大切であり、最近は新薬もできてきた。
講座を終え、参加された皆さんが「認知症サポーター」としてのオレンジリングを腕にはめ会場を後にした。
★「認知症にならないためのキーワード」
声に出して読む、計算、日記、食事を作る、散歩、特に水泳、歌、野菜、魚、腹八分目、仲間、話題。
★「おやっ!」と思った時の高知市での連絡先
高知市地域高齢者支援センター連絡先一覧
東部地域高齢者支援センター
882?9381
西部地域高齢者支援センター
828?4784
西部地域高齢者支援センター旭分室
873?7705
南部地域高齢者支援センター
831?6074
春野地域高齢者支援センター
894?2602
北部地域高齢者支援センター
823?9121
恒石 道男
先日行われた町づくり調査活動について、北環状線万々交差点から福井町にかけての報告です。内容としては、点字ブロックと信号機、バス停などが対象でした。北環状線というのは、イオンのある高知市北東部から西に向かい、一ツ橋、万々、福井、横内、塚ノ原を通り、高知商業方面に抜ける県道のことです。
点字ブロックについては、万々から東は比較的よく整備されているのですが、万々から西の方はお粗末な状況です。万々交差点から西へつつじヶ丘バス停あたりまでの300メートル程の区間は、やっとのことで数年がかりの要求の結果、点字ブロックが敷設されました。しかし、それは北側だけで南側は出来ていません。そしてこのつつじヶ丘から西は、両側ともに歩道には点字ブロックはありません。また、お年寄りがよく利用する福寿園前の横断歩道部分には警告ブロックもなく、多くの人達が行き交う奥福井交差点では、北側には警告ブロックがあるものの南側にはあ
りません。歩道の点字ブロックが、切れ目なく敷設されることは理想ではありますが、まずはいくつかの交差点部分の警告ブロックの敷設を優先した方がよいのではないかと感じています。県としては、歩道の点字ブロックは順次西に延伸していく計画があるように聞いていますが、現実的ではないように考えます。
歩道についてですが、舗装面がはがれたりでこぼこになったり歩道にアップダウンがあったりして、車椅子やお年寄りの方にとっても通りにくい箇所が多くあります。保守管理をしっかりとしてほしいものです。
次に信号機についてです。
音響式信号機は万々交差点にはありますが、他の箇所にはありません。旭町1丁目からの市道が、拡張されて来ている奥福井交差点については、交通量が一段と増加してきており、音響信号機の設置がぜひとも必要と考えます。
ここで、万々交差点から西へのいくつかの信号機について、その状況を説明します。それぞれ押しボタンがついているもの、いないものがあります。また押しボタンと言っても、いくつかの種類があります。
みかづき文化会館前の信号機は一般的なもので、音響や押しボタンはありません。
北福井バス停近くの福井保育園前の信号機も同様です。福寿園前の信号機は時間延長の押しボタンはありますが、音響はありません。奥福井交差点の信号機も時間延長の押しボタンはありますが、音響はありません。奥福井交差点から西にある、越智神(おちがみ)バス停傍の信号機は押しボタン式信号機で、ボタンを押すことで歩行者側の信号が青に変わるものです。
その中で、奥福井交差点の押しボタンは、常時押しボタン部分からプップップッという押しボタンの位置を知らせる通知音が流れています。そして、信号が変わる時に、わずかですが通知音が途切れるようになっています。
福寿園前の信号機についている押しボタンは、時間延長のためのものですが、位置を知らせる通知音は流れていません。
越智神(おちがみ)バス停傍の押しボタン式信号機は、ボタンを押して待っていると歩行者側が青になった時点で(信号が青になりました)の音声ガイドが流れるようになっています。ただし、押しボタンの位置を知らせる通知音はありません。せっかく音声ガイドがあるのですから、押しボタンの位置がわかるものであればと残念に思います。
この結果、音響式信号機の設置が困難な箇所については、(以下の条件を満たす機種の有無を確認する必要がありますが)押しボタンの位置を知らせる通知音があり、信号が青に変わった時点で横断可能の音声ガイドが流れる押しボタン式信号機の設置が有用ではないかと考えます。
次にバス停についてですが、バス停の標識が車道側にはなく後方に引かれていたり、点字ブロックがない箇所がいくつかあります。これだと視覚障害者にとってはバス停の位置の確認が出来ず、非常に困ったことになります。また、バス停箇所に縁石があり、バスの乗降に支障を来す箇所もありました。バス会社の話では、乗降客がほとんどない箇所については点字ブロックを敷設してないということでしたが、乗降客の多少に関わらず点字ブロックは敷設してほしいと考えます。
北環状線が全面開通して20有余年、年々交通量は増加の一途をたどっています。環状線沿いには、多くの建物や店舗が出来ました。それに伴って、交通事故の話を耳にすることも多くなって来ています。我々を含め、市民全体が安全な生活を送ることが出来るように、ハード面の整備を急いでほしいものと考えます。
片岡 慈仲
平成27年度開館予定の県・市合築の新図書館は、基本設計へ具体的な実施設計の段階に入り、去る6月28日午後、市民図書館3階研修室で新点字図書館についての意見を聞く会が行われました。参加者は、県視覚障害者協会2名、守る会2名、点訳ボランティアの会2名、音訳ボランティアの会1名(1名欠席)と館長以下点字図書館職員、県障害福祉課(2名)でした。
まず、坂本館長から平面図を示しながら、点字図書館の構造の説明がありました。点字図書館は1階に置かれ、メインの玄関を入るとカフェがあり、点字図書館部分に入ると広い読書室があり、そこには用具の展示コーナー(便利グッズや各種情報機器など)、視覚障害者意外の方も実際のデイジー図書や点字図書などを体験出来るコーナー、パソコンや周辺機器などのセット、読書するためのテーブルなどが置かれます。対面朗読室は2坪程度の部屋が2部屋、その倍程の部屋が1部屋、計3室あり、さらに2階・3階の一般図書館にもそれぞれ対面朗読室があります。点字図書館には、さらに図書制作コーナーとして、テキストデイジー・マルチメディアデイジー図書の制作を行ったり、スキャナや点字変換ソフトを使ってテキストデータから点字図書を制作したりする「メディア変換工房」、録音室、校正室、ボランティアコー
ナー、研修室、相談室(視覚障害に対するいろんな相談に点字図書館職員が対応する)、事務室などがあります。バリアフリーに関する配慮としては、道路から図書館玄関(2カ所)に至る経路には誘導ブロックが設置され、玄関にはチャイムが設置され、道路から図書館敷地に入るところにもチャイムをつけてくれるよう要望しました。館内では、各フロアの受け付けカウンター、エレベーター、階段、トイレへの経路に誘導ブロックを敷設、エスカレーターの手前に警告ブロックと手すりに上り・下りの表示をする。各階のトイレ入り口に川のせせらぎの音サイン、トイレ内の個室の音声案内は、ボタンを押すことによって案内が流れる。エレベーターは、上り・下り・到着フロア・出口方向などの音声案内とボタンのところに点字表示。触知サインとしては、トイレの入り口に女性は○、男性は△、多目的は□の立体表示。階段手すりに点字表示とボタンによるフロア表示(1階は1個、2階2個)、各部屋の入り口に点字表示と拡大文字表示、総合案内カウンター脇に建物全体の立体図、点字図書館受け付けに点字図書館全体の立体図などを設置する。
このような説明の後、参加者からの要望が出されました。その主なものを紹介します。
1.対面朗読に対する謝礼金は、現在は県立図書館では1時間800円程度出されていますが、点字図書館では一切払われていません。新図書館移行後は、点字図書館における対面朗読にも要望どおり同じ額の謝礼金が支払われるようになるという事を確認しました。
2.閉館時間は、現在点字図書館は午後5時15分で他の図書館よりも早く、夜間の対面朗読やパソコン講座などへの強い要望に応じていません。この点を改善し、他の併設の図書館の閉館時間に合わせるように強く要望しましたが、館長は頑として受け入れませんでした。
3.「福祉専門学校などから寄贈された点訳絵本を校正する」という館長からの提案に対し、「福祉専門学校には点字指導者が講師として事前に校正を行っているし、タックシートに打った点字を絵本に貼り付けた後での校正は難しい。また、すでに寄贈を受け入れた後で、校正したり仕分けしたりするのは失礼ではないか」と私達は意見を述べましたが、これらの意見も館長は頑として受け入れませんでした。
田元 美紀
結婚のため松山へ引っ越してから9ヶ月になろうとしています。毎日が家事と点訳などの活動で忙しいのですが、本当に充実した日々を送っています。
私の主人は自宅で治療院を開業していますが、木曜日は休みです。
木曜日の夕方にはいよてつ高島屋の地下へ買い物に行きます。鮮魚コーナーでは他の店ではあまり売っていないような珍しい魚も売られていますが、(例外を除いて)2割引とか半額になった時にしか買いません。それから、肉の加工品(生ハム、ソーセージ、ローストビーフ、サラダ用ハムなど)も割引になった時に買うようにしています。だから、本格的に買い物をするのは午後6時を過ぎてからです。高知にいた頃には「デパ地下の食料品は高い」というイメージを持っていたのですが、そのイメージもすっかり覆りました。帰る時には総合案内所で「お帰り切符」を貰い、その切符を使って松山市駅からバスで帰ります。
私たちの自宅の屋根には太陽光発電のパネルが設置されています。治療室には発電量と消費量が表示されるモニターがあります。主人と同居を始めた当初(8月上旬)には治療室の掃除機掛けを朝にしていたのですが、「消費」の表示が0.8〜0.9kWと跳ね上がったので、掃除機の消費電力の大きさにびっくりしました。それから、炊飯器、洗濯機、電気ポットも電気を多く消費することが分かりました。今では、電気を多く消費する電気製品はなるべく雨の日や夜間、夜明け前に使うようにしています(発電が盛んな時間帯には消費を減らして有効に発電させる)。
3月1日には自宅の白熱電球を全てLED電球に替え、取り替えなくてもよいようにしました。電気の使用に関しても、以前より強く意識するようになってきた、と感じます。
春になってからは、雨が降らない限り、水・木曜日を除いて、主人と自宅の北側の道をあるバス停まで歩いています。立体交差も通るので、上り坂の頂上を越えた時には特に充実感を覚えます。水曜日の夕方には反対方向へ歩き、買い物をして帰ります。
愛媛民主視覚障害者協会(愛媛民視協)では、機関紙「伊予刊」を発行していますが、私は「伊予刊」の墨字版の編集に携わっています。7月15日(日)には、「伊予刊」の読者会が開かれます。
これから長雨、そして梅雨明けの後の猛暑を迎えることとなりますが、くれぐれも体調には気をつけたいものです(松山では高知ほど雨は降りませんし、雨粒も小さいですが、それでも夏には猛暑に悩まされます)。ではまた。
「晴眼者とともにアンサンブル」
武岡 清美
(昭和43年 盲学校卒)
「音楽は私の青春」、私が本格的に楽器を習い始めたのはエレクトーンでした。ベースも弾くので大変だとは思いましたが、かえってやりがいはありました。
習い始めたきっかけは、全盲の私でもやれるかもしれないと考えたからです。3ヶ月たって、できると確信しました。
習いだして初めての発表会は少し緊張しましたが、なんとか最後まで弾けました。
ところが、弾いている間、私が見えるのか見えないのか確かめていたようです。実は、録音していたので分かりました。
その発表会で弾いたのは、ソロとアンサンブルでした。最初はソロでした。ちなみに、発表会は1月から3月までの間。うまくいったときは、見えなくてもできるんだという自信が付きました。
エレクトーン教室に通っている生徒さんは、私を除いてみな晴眼者だから、がんばりがいがあるのかもしれません。本当は私も後に続きたかったのですが、どうやら不可能みたいでした。それは、エレクトーンという楽器のバリアフリー化が遅れている。いや、遠のいたり逆行していると言いたいです。それは、最近では目で見て色々な音の選択キーをおさなければならないからです。ピアノには点字の楽譜がありますが、エレクトーンにはありません。
何年かたってアンサンブルにも参加しました。もちろん全盲は私ひとり。合同練習の時はワクワクです。「さあ心を一つに」というところかな。本番はもちろんみんな緊張したことは言うまでもありませんが、先生からは「ソロの時落ち着いてたね」と言われたけれど、私自身落ち着いてなんかはいませんでした。むしろその逆だったのですが、どうやら先生たちには落ち着いているように見えたのでしょう。
要望としては、エレクトーンのバリアフリー化も進めてほしいものです。楽器は見える人だけがやるものじゃないのだから。携帯電話のメールでさえ、ちゃんと音声が出ているのだから、もっとも全てを音声にしてほしいなどとは言いませんが。
実は、楽器も5年間ものブランクがありました。それは、耳が極端に悪くなってしまい、音楽どころじゃなかったんです。そのせいか、一日が二日にも三日にも長く感じました。このままでは、若年性認知症になりかねないと思ったくらいです。
5年たって、復帰することに決めました。いきなりでは不安だったので、復習のつもりで思い出しながら練習してきました。不思議なもので、弾いているうちに思い出すものですね。
そういうことで、なんとか復帰できました。復帰して3年後に、あきらめたはずのピアノも習い始めました。はじめは弾ける曲を弾いていましたが、半年以上たって発表会で初めて弾いた曲が、バッハの「メヌエット」ト長調、ト短調全て弾きました。
もちろん緊張しましたが、大きなミスでない限りいいんだと開き直りました。かえってそれがよかったかもしれません。大きなミスもなく弾けました。幸か不幸か、先生や他の人からは落ち着いているように見えるかもしれません。
晴眼者と一緒に発表会に出ることができるのは、自信につながったかもしれませんね。自分では盲学校にいたときよりもうまくなっていると思います。
次回は英語について書きたいと思います。
今年の総会以後、最初の発行となります。次回は、自治体交渉報告集をお届けします。また、医療体験コーナーも、できれば続けたいと思います。原稿をおよせいただければ幸いです。よろしくお願いします。
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