みちしるべ
第230号 自治体交渉(意見交換会)報告集
目次(ページ内リンク)
§ はじめに 自治体対策部長 正岡 光雄
§ 電車と県交通バスについての意見交換会 有光 勲
§ 8月8日第1回(あはき関係、子育て関係、街づくり関係その他) 門脇 哲郎
§ 8月8日県との意見交換(パソコン関連、盲学校関連、日常生活用具その他) 正岡 光雄
§ 高知市人事課・市民図書館と交渉 井上 芳史
§ 結局は「予算が無いが、要望や問題があれば連絡してください」につきる解答! 8月15日 第2回県との意見交換会 濱口 誠一
§ 国の制限、重くのしかかるヘルパー制度、パソコン使って情報生活向上へ!! 藤原 義朗
§ 唯一ウソを回答したNHK 8月22日(木) 高知県への陳情の報告 生田 行信
§ 第4回交渉報告(点字図書館、街づくり、医療、南海地震対策その他) 山崎 辰雄
§ 福祉サービスの充実を〜県との交渉から 有光 勲
§ 編集後記
自治体対策部長 正岡 光雄
8月の猛暑、特に今年は高知が全国で最も暑い地域でしたが、8月中の4回、およ
びそれに先立って行われました交通機関(バス、電車)との懇談会にも参加いただき
まことにありがとうございました。
それに加えて9月12日の夜にも県独自の会が持たれました。
担当者が毎回変わりそれぞれ持ち味を生かした司会、運営がなされました。
参加の皆様には多くの意見を出していただきありがとうございました。
このような形での会を4回も5回も持つことができますのも皆様のご協力があって
こそ成り立ちます。
時間の制約もあり1回きりの会では解決に至らないものもありますが、その点は個
別に追加の交渉も企画したいと思います。その節にはまたご協力をお願い申し上げま
す。
なお今年の意見交換会への参加は毎回10名を上回って居りました。重ねてありが
とうございました。
有光 勲
自治体交渉に先立って、8月1日(木)13時から17時まで、土佐電鉄電車部と
県交通バスとの話し合いを行いました。参加者は10名、車内放送や「ですか」の残
高照会など共通した ものもありますし、県交通との交渉はこれまでにも何回か報告
してきましたので、ここでは電車についての話し合いの模様を簡単に報告します。
(要望)電停位置の統一を。
(回答)車が右折しやすくなり、交通の流れを良くするため、横断信号を越えた所に
電停を移している。しかし、道路事情などによりすべて出来てはいないので、今は2
種類の電停が存在せざるをえない。その点のご理解を。
(要望)車内放送が聞こえにくい場合がある。特に線路の状態が悪い所ではなおさら
である。
(回答)線路の補修は徐々におこなってはいるが、まだ不十分である。また、音量に
ついては、乗務員が判断し、ボリュームの調節を適切に行うよう指導しているが、な
お繰り返して徹底を はかるようにしていきたい。
(要望)整理券が出るところを分かりやすい 位置に。
(回答)「ですか」カードリーダー設置の関係で、今の位置にせざるをえないが、具
体的な希望を出してもらえば、それが可能かどうか検討 したい。
(要望)「ですか」の、少なくなった残高照会を音声で。
(回答)ですか会社の話では、導入の際この問題についてかなり議論したようである
。額が 少ないことを他の客に聞かれたくないのではと いう結論に達したらしい。
ソフトを手直しするには相当費用がかかる。そこで、今のところは乗務員に遠慮なく
残高を聞いてほしい。
(要望)よく利用する上町5丁目から蛍橋の電停に屋根の設置を。
(回答)電停のあるスペースは自社のものではない。そこで、道路管理者、交通管理
者と協議している。指摘のあった電停は狭いので屋根の設置は無理である。協議会で
了解が得られれば電停を広げて屋根をつけたり、場所の統一も可能となる。
(要望)電停が変わっていたことを知らなかったので大変危険な目にあった。すみや
かに知らせてほしい。
(回答)ガードマンを1週間ほど配置するなど していたが、徹底が不十分であった
。今後は高知市や県の広報などに載せるなどして徹底を はかるようにしたい。
(意見)パソコンを使っている者も多いので、ホームページにアップしてもらえれば
いいと思う。広報で知るまでには時間がかかる。
電停が横断歩道を越したところにあるので、不便なこともある。それは信号待ちして
いるのに電車がさっさと行ってしまうことである。
(回答)歩道の信号が青になるまできちんと待つよう乗務員に指導していく。
話し合いの後、車庫にある電車に乗せてもらい、整理券ボックスやカードリーダー
の位置 などを確認しました。
最後になりましたが、大変親切に対応して くださったことに感謝したいと思いま
す。
門脇 哲郎
担当:正岡・門脇 参加者合計10名
■あはき関連
無資格者の取り締まり及び啓発に関しては、今迄の説明の繰り返しで私たちの主張
が受け入れられず、残念な思いです。ただ今回は、ホテルや旅館に対して有資格者を
確認するために携行可能な「届出事項証明書」が交付されることになりました。現在
実務レベルの細部の詰めに入っており、その作業が終われば、説明会を予定している
とのことです。参加者からマッサージ行為ともとれるチラシを配っていた接骨院に対
する高知市側の対応についての質問があり、この件は広告について指導したとの回答
がありました。マッサージと柔整の間で業務範囲に問題が生じた場合は、調査のうえ
適正に対応するとのことでした。また、広告について、まぎらわしい表現や言葉の規
制についての意見がありました。
あはきは、視覚障害者にとって重要な問題です。長い間交渉を続けており、一朝一
夕に解決できない問題であるが、私たちの鬱憤を晴らせるような実のある回答を期待
することで締め括りました。
■親が視覚障害者の子育て支援について
(1)高知市立学校からのお知らせなどの通知書は、担当教員が視覚障害者の希望す
る方法(拡大コピー・電話・Eメール等)で伝えているとの回答でしたが、その都度
対応するのでなく、前もって可能な事例を検討してその内容を知らせてもらえば安心
できるとの意見がありました。
(2)災害時における高知市立学校の一斉休校の連絡については、テレビ(民放3社
)とラジオ(RKC・高知シティFM)に依頼をしているとの回答がありました。参
加者から最近、ラジオで放送されていないのではないかとの質問に対して高知シティ
FMは、午前6時から随時、RKCは、午前7時前後のニュースで放送することを確
認しているとのことでした。但し、RKCは飛び込みのニュースがある場合は、変更
することもあるとのことでした。また、テレビの字幕放送の副音声化についても放送
局に働きかけをお願いしました。
(3)3年前の児童扶養手当の改正により加算の対象の可能性があるのに制度そのも
のを知らなかったり、通知書の内容が理解できていない人がいるので漏れのないよう
にチェック体制をとってください。また、点字は、漢字がないので判りやすい文章で
の提供を要望しました。
(4)子育てに必要な専門知識を持ち、更に視覚障害のことにも精通した専門スタッ
フの養成を再三にわたり要望してきたが、全然進展がない。検討してその結果を知ら
せてもらえるようお願いしました。
■市議会本会議の画像のインターネット配信の開始について
定例会閉会日から約2週間後から視聴できます。高知市のホームページ議会の専用
ページに入り、議会日や質問議員ごとに再生ボタンをクリックすると視聴できます。
■街づくりについて
(1)日曜市開催場所で点字ブロックの上に陳列台を置いていた出店者に対して指導
をしました。これがきっかけとなり、バリアフリーの街路市を目指して障害者が安心
して買い物ができるようサポートすることをブロック全体で申し合わせをしてくれま
した。さらに、該当するエリアに3名の歩行者誘導員を配置したとのことです。
(2)知寄町3丁目電停からフジグランへのルートは、電停交差点から市道下知38
号線を北進して次の交差点で市道下知1号線を東進するルートを考えているようです
。38号線に点字ブロックの新設の整備を行い。1号線は、38号線の整備が完了後
周りの点字ブロックなどの整備状況を見てから考えたいとの説明がありました。
(3)バス停の縁石は、一律に取り除くことができないので危険な箇所を連絡してい
ただければ調査のうえ、改良を検討しますとのことでした。
点字ブロックの整備など歩行の安全に関する要望で昨年の回答から一歩も前進してい
ない項目については、実現可能な方策を真剣に検討するよう再度要望しました。
正岡 光雄
3時10分からは県との意見交換会であったが参加者は10名であった。以下簡単
にその状況を報告する。
○「視覚障碍者の参加申し込みは無」
〜高知市以外の各市町村でも
パソコン教室を開いてほしい〜
須崎、佐川、いのでの募集が行われたが、視覚障碍者の申し込みはなかった。
「これらの地域では広報も無く視覚障碍者にお知らせが届いていない可能性があるの
ではないか」、「パソボラ、ルミエールサロンの出張等で当事者に集まってもらいお
知らせをしてはどうか」、「パソコンを持っていない人も多いと思う。触ったことも
ない人も多いともおもわれる。まず集まってもらい、体験会でも行ってはどうか」等
、種々の意見が出た。県としてはパソボラ、ルミエールサロン、点字図書館などを通
じて参加を促したいとの解答で締めくくった。
なお、パソボラ派遣は回数に拘らず相談してほしい、またパソコン周辺機器への補
助が5年に1度しか受けられない件についても、県としては小分けにしても一向に差
し支えない等の話も出た。これは市町村が決めることであるようだ。
○「盲学校は視覚障害に特化した教育を」
聾学校への養護学校の併設の件もあり、大変気になるところである。
県の説明は「盲学校は従来通り視覚障害に特化した専門的教育を行いたい」と前置
きした上で、「生徒数減、小中学では重複化の傾向があり、集団指導の確保点、7割
が重複生との中ではそのままで良いのかどうかが課題であるとの意見もある。ただし
本年度は体験入学等もあって生徒数が増加している」また、「今後の検討はパブリッ
クコメントや検討委員会への関係者からの意見なども踏まえて方針を立てたい」との
コメントであった。
参加者からの意見としては「音十愛ちゃんの入学に際しては視覚障害でありながら
、病院併設校でなければならない等の方針も示された点とは矛盾するのでは」、「中
途失明者に対しては職業教育に留まらず、点字、生活等を含めた教育の場の必要性も
感じる」等も出された。
○日常生活用具は県から各市町村に対して紹介します
プレクストークリンクポケットについては各市町村で対象品目に指定されている。
携帯型GPSでは東京都の新宿区他が指定されている。各市町村に紹介したい。バーコ
ード+読み取り装置については読書機に読み取り可能なものがあり、それを使ってほ
しい、等の解答があった。
井上 芳史
8月15日は11名の参加で高知市・県と交渉をもちました。私は高知市との交渉の報
告をします。
1.人事課との職員採用試験について話をしました。採用試験にパソコンを導入してほ
しいとの話の中で、パソコン・音声ソフトなどを準備するのに40万ほど必要であり、
すぐに実施することは難しい。
2.市民図書館の視聴覚ライブラリーの音楽CDやDVDの郵送による貸し出しは9カ月で37
6タイトルの利用があった。点字図書館に注文してくれれば点字図書館から郵送する
。
3.介護福祉課:介護保険法によるサービスが優先されますが、相当するものがない場
合は障害福祉サービスを受けてもらえるように考えている。
4.住宅課:定期的に年3回の募集を実施している。最近、高齢者や障害者の単身住宅の
申し込み倍率が著しく増えており、申込の状況により単身住宅の戸数を検討している
。
8月15日 第2回県との意見交換会
濱口 誠一
(県警交通指導課)
自転車の違反については、「赤切符をきる」などして、強く指導するようにしてい
く、とのこと。強制力のある罰則と安全な歩行の確保の問題などはあいまいでした。
(県警交通規制課)
歩車分離式信号は全てに音響を付けることができていないが、予算を順次確保する
ようにしたい。新設は、5機は増やしていく、とのこと。
昨年度は、新設が3機、更新が2機。本年度は、新設が6機、更新が1機であると
のことでした。なお、設置してから20年を過ぎると更新する候補になる。
潮江小学校の北側の2箇所には音響式信号が設置される。
福祉センターの南には信号機そのものがないので、新設されるときには音響がつく
とのことで、まだ確約できない。
音量の調整をしたので、確認して欲しい、などの解答がありました。
(医事薬務課)
「あはき」関連の問題で、ほぼ例年どおりの解答でした。
マッサージは免許が必要であるなどをホテル・旅館に通知する。出入りのマッサー
ジ業者の調査をする方向で検討する。など、少しは前向きな話し合いができたという
ところでした。
(障害保健福祉課)
中途視覚障害者のリハビリテーションの充実について
○生活訓練の実施状況の報告
昨年の訪問訓練は、49人に延べ111回。
スカイプを活用したパソコンの指導は、7人に27回。
本年7月末現在で訪問訓練は、28人に延べ50回。
スカイプでのパソコン指導は、5人に10回。
など、解答がありました。しかし、何がどこまでできるようになっているのか、とい
った実情は分かりづらく、追跡調査をするなどして、より充実したリハビリの推進を
求める意見が出されました。
街作り、誘導ブロックの破損箇所の改修は担当部署に連絡している。など解答があ
りました。
(感想と課題)
1.電停への誘導法の確立についてのいっそう
の検討が急がれます。
2.無免許マッサージとの違いをはっきりさせ
ながら、情報なども提供するなかで、実績を
みせていかなければならないこと。
3.街作りも進んできたといわれるが、まだま
だ十分に気をつけて、そして支援も期待しな
がら街を歩かねばならないこと。
など、社会福祉の充実は、社会全体の底上げによってしか実現できないものなんでし
ょう。
実現したことには感謝を伝えながら、理解を深めることが出来た交渉となりました
。
多くの仲間の参加と、率直な訴えも大事なことでしょう。
藤原 義朗
8月22日の高知市交渉は10名の参加であった。以下に報告します。
1.新高知市役所は平成30年
市役所前の薄い点字ブロック改善について「改築まで待って下さい」との返答であ
った。27年度中に工事に入り、29年度中に完成予定である。今後、新たな市役所
づくりの取組みが必要である。
2.民間会社へは行政も一緒になって
点字ブロック敷設、信号機、土電・県交通など交通機関へは陳情書によって高知市
より各機関へ要望していただき、文書回答をもらうことができた。要望項目以外につ
いても参加者から意見を聴いた。
「八幡通りに電停を」「電車で信号機に止まる際、アナウンスがない時もある。マ
ニュアルは?」など、役所の人と一緒に話し会社の方へ連絡していただくことになっ
た。
3.事業所の情報・福祉のしおり
「福祉のしおり」は、点字と音声とで毎年交代で出している。今年は点字の年。表
のエクセル部分はまだ音声化には難が一部ある。一応メールでも送信してもらえるこ
とになった。同行援護など事業所の一覧も同じくエクセルで出してもらえることにな
った。
4.パソコン訓練
点字図書館と障害者福祉センターで行なっている。障害者福祉センターの方は、他
の障害の方と一緒に講習を行う方式なので、6点キー入力など視覚障害に特化した点
ではやや弱い。しっかりと点字図書館の講習会にもつなげてもらえるよう話し合いが
行なわれた。その点では、点字図書館の夜間講座開催は大切になってくる。
5.パソコンソフトのバージョンアップ
日常生活用具の給付には耐用年数というのがある。運動で緩和されている部分もあ
るが、パソコン周辺機器は6年との話しがあった。昨年も「それでは必要もない分ま
で申請してしまう場合もあり余計に無駄遣い」だという意見もあった。市の方も一般
の生活用具とは耐用年数については違うことは認識しておられる。あとはいかに情報
環境の変化とソフト開発によって年々進んでいることを知らせていく必要がある。
6.施設では使えない?
国制度により、入所施設では外出時、居宅制度である同行援護は使えない。「じゃ
あ、病院へ行くときは誰に?」と訊くと、「施設の人に連れて行ってもらってくださ
い」ということになる。実際には施設連携の医療機関には連れて行ってもらえるが、
病院を選ぶことはできない、という声も聞く。また、有料の場合もあると聞く。その
他、帰省時にも、帰省の日や入室日など支援費の重なる場合は利用できない。重なら
ない場合のみ利用できるというものである。国制度が重くのしかかっている。国に対
しての運動課題である。
なお、日常生活用具にしても施設入所の場合は、給付できない品目もまだある。
7.介護保険ケアマネ、そして相談支援専門員がカギに
通院時の院内介助について、医療機関職員がするのが基本という事が示された。し
かし、どうしてもできない場合は、移動支援制度利用もありうる。今後、障害者福祉
は相談支援専門員のニーズ調査、そして、支給決定がなされる。たとえば、医療機関
の利用頻度はどうか、その院内は介助してもらえるのか、このあたりは詳細にニーズ
調査時に話すことが肝心である。
また、15日の話し合いの宿題であった介護保険利用者の内、障害福祉サービス利
用者数は、介護保険の認定者で同行援護利用者は32名である。
ホームヘルパーの介護保険に障害ヘルパーの上乗せ、もしくは視覚障害固有のヘル
パーサービスとしての支給人数時間が知りたかったが、それは抽出しにくい数値との
ことである。しかし、実際にはヘルパー給付の例はある。介護保険ケアマネに対して
、「介護保険では足りない。読みなどをしてもらわなければならないので、障害とし
ての給付が必要である」とのニーズ表明が必要。つまり、介護保険ケアマネがキーマ
ンになってくる。
8.コミュニケーション支援事業
かねてから「読み手派遣」を要望してきたが、地域支援事業としての補助が下がっ
てきており、要望に応えにくいとのこと。やはり、総合支援法の個別給付化にすべく
国への働きかけが基本になってくる。
9.最後に
医療では、回復期リハビリ制度によって、在宅の概念が入所施設の一部にまで広が
ってきている。今回「入所中は移動支援制度は使えない。日常生活用具も制限がある
」などの回答があったが、福祉全体が変わってきている。そのことを念頭におきなが
らの運動が必要である。
担当:藤原、生田(進行)
参加人数 11名
報告:生田行信
1 音響信号機
前回の懇談で音量アップの要望があった3カ所(高知駅南口の夜間、上町1丁目と
升形交差点)を早速改善したとのことなので、通行の際には確認してみてください。
2 障害者単身用の県営住宅の増設
県営住宅そのものを今後は新設しない。既存の県営住宅をバリアフリー化するなど
使いやすく改善する、55平米以下の小規模なものは単身者も申込みできるようにする
等により、実質的に障害者枠を増やしていく。現在、県営住宅が約4100戸あるうち、
約1000戸が障害者が入居可能な住宅である。
3 読書権(県立図書館)
(1)大活字本
24年度購入の172冊を加えて、現在2499冊。24年度の貸出数は1928冊。今後も購入
を続ける。
(2)録音図書
23年9月から県立図書館としてサピエに登録しており、視覚障害者だけでなく、高
齢者やディスレクシアの人達など身障者手帳がなくても、県立図書館や最寄りの図書
館に頼めば借りることができます。マルチメディアデイジーや電子書籍等も財政的な
課題はあるが対応できるよう検討していきたい。
(3)意見聴取の在り方
図書館協議会のメンバーには、やはり「幅広い」見識を持った有識者5人というこ
とでした。障害者サービスのこと、地域図書館との連携のこと等、それぞれ専門性を
持った人を集めて協議会全体として「幅広い」見識という人選の考え方ではないよう
です。今後、色々なルートを通じて視覚障害者のニーズを伝えていくことが重要です
。
(4)新点字図書館の開閉館時間(あくまで現時点での回答です)
土日祝日も開館、月曜が休館(月曜が祝日の場合は火曜に休館)
開館時間:全て9時
閉館時間:5時(火・金は7時、一般図書館は平日8時・土日祝日6時)
なぜ一般図書館と同じ時間まで開けられないのかと強く要望しましたが、今後の課
題です。
(5)先進図書館から学ぶ
県外の数カ所の図書館名を挙げ、職員を研修に派遣している実績説明がありました
が、どのような先進サービスを研修したか詳しくは話しがありませんでした。テキス
ト化サービスなど先進的な取組について積極的な導入を要望しました。ノウハウを知
っていることがあれば、皆さんからもぜひ教えてほしいとのことです。
4 雇用、就労
平成19年度から始めた障害者枠による採用は現時点で通算13名、うち視覚障害者
は1名。この秋の採用試験では3名の採用を予定。中四国地区の都道府県では、本県の
他に徳島、山口の2県が点字試験を実施しています。
5 「ウソ回答」は言語道断
内容面では前進が見られない場合もありますが、基本的にウソはないものとして回
答を聞かせてもらっています。この私が知る範囲で言うと、その日のうちに回答がウ
ソであったことがわかったのはNHKでした。「画像だけのテレビの天気予報にも音
声説明を」との要望に対し、民放各社は「限られた時間内に全てを音声化することは
できない」、NHKは「天気予報の場合、画面に出ている情報は全て読み上げている
」とそれぞれ回答。その夜のNHKの天気予報を見てみるとアナウンサーの「ご覧の
とおり」のセリフあり。民放各社にも、時間の制約があるのなら、副音声など技術的
にか何か姿勢だけでも示してほしいと不満が募りますが、NHKのような「ウソ回答
」は言語道断だと思います。以前からNHKは、無資格マッサージについても、あた
かも何ら問題でないことのように受け取れる放送を複数回行っており、中央団体や高
知からもこれに抗議をした際にも誠実な対応が見られませんでした。民放のなかには
、整骨院の療養費不正請求問題や無資格マッサージ問題を正面から取り上げる番組を
放送したところもあります。受信料を集めて放送しているのですから、もっと責任あ
る姿勢をもっていただきたい。
山崎 辰雄
8月29日(木)に行われた県・市交渉の内容を報告します。尚、当日の参加人数は
12名でした。
「高知市」
今回は点字図書館に関する内容について交渉を行いました。
1.テキスト訳や自動公衆送信サービスについて
8月にスキャナーやOCRソフトなどの機器を購入し、今年度中にテキスト化導入
研修を計画する。また自動公衆送信サービスについても今後研究していきたいとの回
答でした。北村さんへの対応についても音訳ボランティア等にお願いをし、授業等に
支障がないよう適宜対応していく。特に図表の文章化についても研修も行いながら音
訳ボランティアにお願いをし対応していくとの回答でした。その他、個人のプライベ
ートな情報(例えば町内会報やスーパーのチラシ)についてもテキスト化を検討してい
きたいとのことでした。
2.運営協議会や選書会等の設置について
新点字図書館の基本構想において、運営協議会・ボランティア協議会・図書選定会
議など柔軟な対応ができる組織体制づくりを行なうこととしており、今後様々な意見
を聞きながら検討していきたいとの回答でした。また専門職員として、司書以外にも
生活訓練指導員を配置し生活相談・指導に対応していきたいとのことでした。
3.図書館職員の点字や情報機器等の知識や技術習得について
生活訓練指導員を講師とした視覚障害基礎講座をはじめ、点訳ボランティア養成講
座や日盲社協の情報機器等支援者研修などへの参加により職員のスキルアップを図っ
ていきたいとの回答でした。
4.点字シールの貼付・文房具類の備え・サピエ情報の配信などについて
蔵書については全て点字シールを貼付していますが、今月からオンラインリクエス
トやダウンロードCDについても希望者には点字タイトルシールを貼付します。3階
録音室にも赤ペン・ホッチキス・レーズライター・辞書を備えました。サピエの地域
情報については今年度中に実施したいと考えています。などの回答でした。また、古
くなったり使用不能の機器については昨年度処分し、今後はソフトをはじめ各種機器
なども最新のものを整備していきたいとのことでした。その他、全蔵書目録は7月に
発行し現在24年度の追加目録を制作中であることも報告されました。
5.図書館の予算について
図書購入費については、24年度実績508,273円、25年度予算536,300円。県文庫
では、24年度実績494,960円、25年度予算500,000円。県市合わせた図書等購入費
は100万円強となっていることの報告がありました。
6.図書館の開館時間について
新点字図書館では祝日及び日曜日午後の開館、週2日の夜間(19時まで)の開館を
予定しており人員の確保に向けて取り組んでいることや、現状の人員では更なる開館
時間の拡大は困難であり利用が困難な方については実情に応じて個別に対応していき
たいことの回答がありました。
7.対面朗読者の資質向上について
朗読者や利用者の希望なども参考に研修等の実施によりスキルアップを図っていき
たいとの回答でした。
「高知県」
1.街づくりについて
点字ブロックがネッツトヨタ交差点付近や福寿園付近に設置されました。またサン
シャイン福井付近にも今後順次設置されていく予定です。北環状線全てに点字ブロッ
クを設置することは困難であり要望に沿ってポイント毎に設置を検討していきたい。
また宗安寺分岐部バス停や奥福井バス停は移動式なので点字ブロックは設置が困難で
あること。美術館通りの点字ブロックは24年度に現地調査し雑草の取り除きや黄色
で塗り直しの塗装をしたことなどの回答がありました。その他バス停付近の危険な縁
石については具体的な場所を知らせてもらえれば個別に対応したいとの回答でした。
2.医療について
後期高齢者医療制度懇話会に認定老健に関する代表もいれてもらいたいとの要求に
は、広域連合に伝えてあるので直接申し入れをしてほしいとの回答でした。特定検診
の受療券などへの点字付記については市町村対応であるので点字対象者リストなどが
あれば市町村に連絡する。また保健師に文書を読んでもらうよう要請も行っていくと
の回答でした。
3.広報誌について
県議会だより・さんさん高知ともに発行日の前にテレビやラジオを通じて広報して
いる。現在NHKでは行なえていないので申し入れをしてみるとの回答でした。
4.南海地震対策について
復興に関する計画は様々な立場にある人の意見を聞きながら作るのが基本方針であ
り、計画は市町村がつくるが県としても市町村と情報共有しながら進めていく。防災
情報など様々な情報の発信についてはカセット・デイジー・点字等の媒体やHPのテ
キスト化した情報などで対応していく。またハザードマップについては市町村とも連
携し個別の情報発信も含め対応していく。その他「南海地震に備えちょき」も見直し
を進めており年明け頃にはカセット・デイジー・点字を作り配布するとの回答があり
ました。
5.受験時の機器持ち込みについて
基本的に受験者が拡大読書器・デイジー・パソコン等の機器を持ち込み受験するこ
とが原則であるが、据え置き型の拡大読書器などについては個別に検討したいとの回
答でした。
6.ロービジョン検査判断料について
講習を受けないといけない状況である(医療センター)との回答でした。
7.医療センターの案内について
バス停からは警備員を、受付からは案内員をそれぞれ配置しており案内等の対応を
していくとの回答でした。
有光 勲
9月12日(木)、18時から20時まで、県庁地下会議室で県との話し合いを
行いました。参加者は10名、その概略を報告します。
高齢者福祉課
(要望)自立支援給付から介護保険給付に移行した際、サービス量が落ちないように
(回答)65才以上の障害者については、介護保険が優先的に適用されるが、サー
ビス の支給量、内容が介護保険制度では充分に 確保されない場合には、障害者総合
支援法に於いてその支給量、内容に上乗せしてサービスを受けられる仕組みになって
いる。
市町村からの問い合わせに対しては、この 制度に従って利用者に対する適切な取り
扱いをお願いしているが、さらに利用者が必要なサービスが受けられるよう制度の主
旨 について市町村担当者会などにおいて周知 していく。サービス間の矛盾があれば
国への要望もしていきたい。そういう事例があれば教えてほしい。
(意見)平成19年の厚労省通知によって
65才になって自立支援から介護保険に移行しても、有利なものは引き続き自立支援
サービスが受けられるということを利用者 のほとんどが知らない。またケアマネー
ジャーも知らない者が多い。この事についてどのように考えるか。
(回答)ケアマネージャーの資格は5年ごとの更新制になっており、更新のさいに研
修を受けなければならない。そのような時 に周知徹底をはかるようにしていきたい
。
障害保健福祉課
(要望)福祉サービスを受けるさい、事業所との契約書やケアプランなどは、点字版
や録音版も。
(回答)障害者総合支援法のサービスに関するパンフレットについては、全社協が作
製発行している。ホームページにもアップ されている。音声ソフトによる読み上げ
も できるので活用してほしい。また厚労省の ホームページに点字ファイルもアップ
されている。
契約書やケアプランについては、市町村の 人的配置や点字プリンタの設置状況が不
十分なため、その対応が難しい。
拡大文字などについては対応できると思う ので、各市町村の窓口で話をしてほしい
。県としても受給者証などの交付にさいして 障害の特性に配慮した工夫をしてもら
えるよう、市町村担当者会において話をしていきたい。
重要事項説明書や契約書等については、利用者の障害特性に応じて拡大文字版、点
字版を作製したり、電子媒体で提供するなどの工夫をするよう事業所に働きかけてい
る。
(意見)高知市では受給者証に点字シールは貼ってあるが、サービス内容については
わからない。点字にするとか録音とかして もらえないか。
(回答)各市町村によって対応できる方法は違ってくると思うが、なおそのような
要望があったということを市町村担当者会で あらためて話をするようにしたい。
(要望)応益負担、家族負担はやめるように。
(回答)障害福祉サービスの利用者負担に ついては、平成20年4月から市町村民
税 非課税世帯は無料、24年4月からは負担の能力に応じた負担となっている。限
度負担額の基準となる所得については、18才 以上は本人と配偶者の収入、18才
未満は 支給決定保護者の属する世帯の収入となっているが、月額上限額が設定され
るなど、 軽減措置は講じられている。
(要望)我々にとっては最も必要な読み書きサービスをホームヘルプサービスの対象
に。
(回答)郵便物や回覧板等の代読、アンケートなどの代筆は認められている。ヘル
パー研修のさいには、代読や代筆の基礎的事項について勉強してもらっている。
(要望)視覚障害を持つ親が子ども連れの 場合、その同行援護や通院介助も行うよ
うに。
(回答)視覚障害の親が子どもの通院に付き添う場合、同行援護の利用は可能である
。
(意見) 例えば図書館での対面朗読のさい、 ガイドヘルパーの報酬は往復の時間の
みの 算定となり、待機時間中は無報酬となる。
こんなことではサービスを提供する事業所やヘルパーはみつからない。待機時間に
ついても算定できないのか。
(回答) 例えば病院などで、検査や治療の ために病院内を移動する必要もある。
そのような場合は算定されるが、たんに待機しているような場合は残念ながら認めら
れて いないのが実情である。
その他、防災対策、視覚障害者の雇用、小高坂更生センターについても話し合いを
しましたが、紙数の都合で省略します。
報告文を書くというのはけっこう難しいですよね。一応長さの制限はしたものの、
形式や文体については特に定めておりません。したがって必ずしも統一性は無いよう
に思います。しかし、書き方はことなりますが、それぞれ創意工夫がみられて面白い
のではないでしょうか。
最近では「自治体交渉」とは言わず「意見交換会」ということになっております。
これはソフトな感じでいいですね。そして、この名の通り、攻撃的、糾弾的な言い方
は無くなってきていると思います。これもいいですね。
報告文を読むというのは、けっして面白くないと思いますが、知らなければ損をす
るというものもあります。興味のあるところだけで結構
ですので、ぜひ読んでみてください。
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