みちしるべ
第233号
目次(ページ内リンク)
§全視協全国委員会&社員総会参加報告 生田 行信
§「太陽号」装い新たにスタート 〜「太陽号」説明会参加 正岡 光雄
§「雨の中の街頭宣伝」 濱口 誠一
§「点字版選挙公報製作基礎研修会」に参加して 正岡 光雄
§【新会員紹介】 入会のご挨拶 岩本 英雄 藤野 由紀
§【読者投稿】 恵那で暮らして 大上 俊子
§【特集】 牛乳有害説はほんとうか? そして、コーヒーも? 有光 勲
§ 編集後記
生田 行信
5月10日(土)11日(日)に開かれた標記の会に参加してきました。
全国委員会は1日目の午後6時から9時前までと2日目の午前9時から午後2時半ま
で、続いて約1時間社員総会が行われました。全国委員会は各社員(地方組織)から1
名、社員総会には各組織の会員数に応じた議決権で臨みました。本会からは私が一人
で議決権3を持って参加しました。ほとんどの社員が本会と同じような参加の仕方で
したが、東京のように議決権5に対し、5人の代議員で臨んだ組織もありました。
2年に一度開かれる大会(社員総会)で、その後の2年間の方針を決めるので、中
間の時期に当たる今回は、中間報告と今後の取組確認と言えるものでした。「決める
」会である社員総会は約1時間であるのに対し、執行部と各地方組織、各地方間の意
見交換、共通理解、取組の具体の確認等、情報交換や背景理解の意味合いが強い全国
委員会はたっぷりと時間をかけて行われました。
主な議題は、前年度の事業報告、決算・監査報告、今年度の事業計画、予算案でし
た。
内容別に挙げてみると、
○会員拡大、点民読者拡大
○一丸となって取り組む要求運動 ーー 優位眼に基づく障害者手帳の等級実現、サ
イン自署対策(視覚障害者の意思表明手段の確立)、静音車対策、テレビラジオの日
常生活用具化、情報アクセシビリティ対策
○大切にする要求 ーー 社会保障・社会福祉、あはき、安全で便利なまちづくり、
情報保証、雇用・就労、防災、平和と憲法を守る取り組み
など様々な課題について話し合われました。社員総会では、本会を含むすべての社員
(組織)が賛成し、すべての議案が承認されました。
その中で、この4月から大きく変わった点字民報について簡単に報告します。点字
民報は全視協会員にとっては機関誌として、周囲の方々には理解啓発の刊行物として
大切なものです。しかし、その発行費が全視協予算全体の40%近くを占め、課題と
なっていました。そこで今回のような編集と発行体制の見直しを行ったわけです。予
算削減の効果としては、約290万円の削減、率にして従来の3分の1の費用で発行
されることになりました。内容面では、概ね当初の予告通りで好評でした。点字民報
が今後も役割を果たせるよう見守っていくことが大切です。
今後の取り組みとして開催されるテーマ別集会について紹介します。
(1)女性部第18回大会
6月7日(土)8日(日)、神奈川県三浦市
※申し込みは締め切られています。
(2)青年の集い
7月20日(日)21日(祝)、埼玉県(予定)
レクレーションを中心とした集いを検討
(3)「福祉」イン福岡
9月14日(日)15日(祝)、北九州市
65歳問題など、障害者福祉の諸問題
(4)北国交流集会
11月2日(日)3日(祝)、福島県郡山市
雪国固有の問題
(5)第11回あはき交流集会
11月15日(土)16日(日)、東大阪市
開業、勤務者、理療教育の各分科会
また、2年に一度の大会が来年5,6月中の金土日の3日間日程で埼玉県で行われ
ます。運営資金は315万円と見積もられており、参加費で100万円、大阪大会繰
越金35万円、地元埼玉80万円、全国の組織から100万円でまかなう計画です。
全国からの応援は会員一人あたり千円で、捻出の仕方は各組織で決めることになって
います。埼玉の資金作り活動としては、ワイン3本五千円等、物品販売を行っていま
すので協力していきましょう。
正岡 光雄
「太陽号」は社会福祉協議会が、「高知県立障害者スポーツセンター」に運営を委
託しているバスです。
このバスがこれまでの方針を全面的に見直されることになりました。
3月30日「県障害者スポーツセンター」で、その説明会があり、参加してきました
ので、その概略を紹介します。
@利用目的の明確化を図る。従来からの事業所や学校、老人などは対象外とする。
障碍者の集会やレクリエイション等社会参加に限定する。
A利用料の改定を行う。これまでの料金がガソリン代相当額になっていたが、実際
にはその額に達していないし、またガソリンの価格も値上げになっていることがその
理由である。今後はスポーツセンターからの距離に応じた負担額になる。
B利用団体の責任の明確化を図る。
これまでの各利用時の際の申し込みに加えて、年度ごとに登録の申請を行う。
C利用申し込み受け付けを6か月前から3か月前に変更する。
D利用団体は予め登録されているボランティア運転手の中から電話等で連絡し決定
する他、介助者1名以上を選定する。
E利用範囲は県内を原則とする。県境も範囲内とする。「センター」が特に認めた
場合には四国管内とする。
F改定の施行日は26年4月1日とするが、既に受け付けているものもあるので、料金
については同10月とする。
G利用団体は1日に1団体に限る。
H利用定員は18名(運転手を含む。車椅子席4)とする。
〈改定利用料金〉
@2000円 高知市、土佐市、南国市、いの町、日高村
A3000円 香南市、香美市、佐川町、須崎市、越知町、芸西村、津野町
B4000円 土佐町、中土佐町、仁淀川町、安芸市、大豊町、安田町、大川村
C5000円 田野町、奈半利町、四万十町、北川村、馬路村、梼原町、黒潮町
D6000円 四万十市、東洋町、三原村、宿毛市、土佐清水市、大月町
濱口 誠一
4月5日(土)に行いました無免許対策の街頭宣伝への参加、協力ありがとうござ
いました。そして、お疲れ様でした。
アーケードがあるとはいえ、雨の中の街宣で、風邪など引いているのではないかと
心配していますが、大丈夫でしょうか?
間が空きましたが、報告します。
当日は、雨が降っていましたが、予定通り午後4時から「ひろめ市場前」で行うこ
とができました。参加者は、会員外の方を含めて10名でした。
アピールのちらしを入れたポケットティッシュは、250個ほど。午後4時から3
0分で配布を終了することができました。
「マッサージ、あん摩、指圧には免許が必要!」「視覚障害者の職域は拡がってきて
はいるが、あはき業で生計を立てている人が多く、まだまだ、職業選択の中心的なも
のである。」「無免許業者の氾濫は視覚障害者の限られた職業自立の機会を奪うもの
である。」「消費者にとっても安心・安全に施術を受けて欲しいので、無免許業者に
ご注意を!」
などの内容でアピールしました。
訴えには拡声器を使ったのですが、準備のとき、マイクのボリュームを上げる操作
が分からず手間取りました。それが、マイクのトークスイッチのすぐ傍にボリューム
があったので、何とか間に合いました。「灯台下暗し!」でした。少し大げさですが
、おかしくて笑ってしまいました。
慰労会は、9人で和気あいあいとできました。場所は、「土佐茶カフェ」で初めて
行った店です。おつまみの種類が少ないのが難ですが、値段も安くて概ね好評だった
と思います。ちなみに、午後7時がラストオーダーですので、それに合わせるように
慰労会も終了となりました。ついでながら、「甘味コーナー」があってお酒に縁のな
い甘党の方にもいいのではないかと思います。
(店の宣伝のつもりはありません。本会のアピールのちらしをトイレに貼り付けても
らいました)
(なお、なお、以前に旭の障害者福祉センターで何かとお世話と話題になりました、
竹
村さんのやっている法人の経営です)
活動日が土曜であったためか、日曜に間違えて来られた方も若干おられました。
今後は確認など徹底して参りますので、ますますの協力のほどよろしくお願いします
。
仕事、歓送迎会、ひっこしなど、何かと忙しく、慌しい時期ですが、それだけに通
行人が多く、啓発の効果もあると考えて計画しました。
啓発活動に使う「ちらし」の内容も適切で分かりやすく、利にかなうものを作って
いきたいと計画しています。
感想やご意見をお寄せください。
準備作業などを含めて、13名の皆さんの協力で行うことができました。(のべ24人
)
重ねて、お疲れ様でした。感謝いたします!!
正岡 光雄
4月6日に、大阪の日本ライトハウス情報文化センターで行われた「点字版選挙公報
製作基礎研修会」に参加して来ましたので、簡単に報告します。
まず、主催者を代表して、竹下義樹さんより本会の意義について挨拶がありました
。
その中で、世界人権宣言、障害者権利条約が日の目を見ている今日において、なお
我が国では未だに選挙管理委員会の責任によって点字の選挙公報が発行されていない
ことは極めて残念であると述べられました。
次いで、ロゴス点字図書館館長の高橋秀治さんよりこれまでの「公報」に関する経
過報告が成されました。
今回のメインテーマである、点字の表記の基準について、渡辺昭一さん(京都ライ
トハウス)および福井哲也さん(日本ライトハウス)より「点字出版物製作基準」を元
に説明がなされました。
それから引き続いて、点字版選挙公報の最終校正を行った結果報告があり、講演を
終わりました。
最後に1時間質疑応答がありました。最初のうち意見が出ないので私(正岡)が「
強度の弱視者の場合に、点字も不得手で、録音を聴くことにも不慣れな人がおります
が、そのような事例では点字と録音版の2種類をその人に送付してはどうか?」と発
言しました。
この発言に対して、神戸からの参加者から「兵庫県ではそのようにしている」との
意見があり、答える側の高橋さんもほっと胸をなでおろした感がありました。
研修会は10時〜4時までみっちり鍛えられ、6時の新幹線(みずほ)に乗って、帰途
についた時は安堵しました。
○入会のご挨拶
岩本 英雄
守る会の皆様、初めまして。今回入会させていただきました岩本英雄と申します。
これから皆様と一緒に楽しく相互研鑽していきたいと思っていますので何卒宜しくお
願い申しあげます。
本年59歳になります。高知市相生町に居住しております。完全に視力喪失したの
は3年前になります。直接の原因は網膜色素変性症と網膜の中心部分に穴があく黄班
円孔により失明しました。時系列的に進行しましたので精神的には準備ができており
ましたので比較的に負荷は少なかったと思います。前職は生命保険会社でマネージメ
ントの仕事をさせていただいておりました。公的年金、マクロ的日本経済の方向を日
常的に取り組んできました。保険という金融商品でカバーできるものとカバーできな
いものが存在するものだということが今理解できるようになったものも皮肉なものだ
と痛感しています。コミュニティー存在が生きていくうえに最も大切だということを
認識しています。音声パソコンによる多岐に広がる情報を享受しております、対面朗
読によりさらに踏み込んだコミュニケーションのパイを広げております。一人では生
きていけない自分に多くの人々が携わってくれていることに只々感謝感謝の毎日です
。
見えなくなって経済的損失がありましたが、人々の温かさが見えない目に見えてきま
した。これから守る会の会員の皆様と一緒に少しずつ歩んでいきたいと思っています
。
定例会でお会いできることを楽しみにしております。
○入会のご挨拶
藤野 由紀
初めまして。今年から賛助会員になりました藤野由紀と申します。高知に来て、ま
だ一年なのですが縁があって会員にさせていただくことになりました。中3、小3、小
1の3人の子の母です。毎日子育てに追われています。
まだまだわからないことがたくさんあるので、教えてもらいつつ、お手伝いさせて頂
きたいと思っています。
よろしくお願いします。
(※藤野さんは岩本さんのご紹介で入会して下さいました。)
大上 俊子
皆さん、「やっとかめやなもう」
思わず舌を噛んでしまいそうなこの言葉は、私が住んでいる岐阜県の方言で、皆さん
「お久しぶりですね」というものです。若い人達はさすがにもうこんな言葉は使いま
せんが、年輩の方達は未だに日常語として使っているようで、私も時々耳にすること
があります。
さて、編集部から私の住んでいる岐阜県恵那市のいい所や暮らしぶりなどを紹介し
てほしいと言われたのですが、もうここに来て三十年にもなろうというのに、私自身
が恵那市についてお話出来るような知識を持ち合わせていないことに気付いたのです
。
この機会に私も自分の住んでいる恵那市を改めてグルッと見回してみたいと思いま
す。
「えな」とは、エスペラント語で「へそ」という意味だとか。おへそは人間の体の
ほぼ真ん中にあります。恵那市は日本の真ん中、それが地名の由来だと聞いたことが
あります。
恵那市は名古屋から電車で約一時間、岐阜県の東部に位置し、長野県との県境で、
御嶽山やアルプスの山々を望むことが出来ます。人口は五万六千人ほどですが、市町
村合併でかなり面積が広くなり、市内をくまなく見て回ろうと思っても、おそらく一
日では回りきれないでしょう。
恵那市だけではなく、岐阜県そのものがとても広い!例えば、飛騨市というところ
があるのですが、この市一つに大阪府がスッポリ入ってしまうというのですから驚き
ですよね。
♪「恵那は自然がいっぱい」
木曽川が流れ周囲は山ですので、それは当然ですね。今は新緑の季節。うぐいすや
巣作りに励むつばめの声と共に、名前も知らない鳥達の声があちこちから聞こえてき
ます。梅雨時ともなると、ほととぎすの哀愁を帯びた鳴き声が昼夜を問わず聞こえる
ようになります。でも、いいことばかりではありません。猿や猪が田畑を荒らすのは
日常茶飯事、それに加えて、この時期から秋にかけては「熊目撃情報」なるものが頻
繁に聞かれるようになり、子供達は熊よけの鈴をランドセルなどにつけてリンリンと
大きな音を鳴らしながら登下校するのです。もちろん私は出遭ったことはありません
が、恐ろしい話ですよね。
♪「恵那は災害が少ない」
もちろん全くないわけではありませんが、高知で経験したような大きな台風にも久
しく出遭ったことがないし、そう言う点では穏やかに暮らせる所かなと言う気がして
います。でも、大きな地震発生が近いと言われている昨今、海が遠い分、津波の直接
の影響はないにしても、何が起きるか………。油断は禁物ですね。くわばらくわばら
!
♪「恵那はおいしいスイーツがいっぱい!」
甘い物大好き人間にとっては、こんな嬉しいことはありません。特に栗を使っての
スイーツが豊富で、一番有名なのが栗きんとん、その他にも栗饅頭、栗羊羹などなど
、和洋取り混ぜた栗づくしのスイーツが一時の幸せを運んでくれます。ああ、思わず
唾をゴックンです!
♪「恵那はとても寒い!」
雪は思ったより降らないのですが、「寒すぎて降らないんだ」と言う説もあるくら
い。これが科学的に証明されていることかどうかは別として、地の底からしんしんと
冷え込む冬は南国育ちの私にとっては未だにかなりきついものがあります。夜間、急
激に温度が下がるのを利用して、寒天作りが盛んな地域もあります。真冬だと、室内
でも温度計がマイナスを指すことも珍しくありません。恵那に来た頃はよく風邪を引
き、そのたびに熱を出し、体がここの気候に慣れるまでに三年ぐらいはかかったでし
ょうか。以来風邪もほとんど引かなくなったというこの厚かましさ。でも、やっぱり
寒いのは苦手!厳しい寒さといかに仲良く暮らしていくか、これは私の生涯の課題と
言えそうです。
♪「方言は難しい」
言葉の違いにももちろん最初は戸惑いました。このあたりの方言を少し紹介してみ
ましょう。「このネギはこわい(硬い)」「おそがい(怖いまたは恐ろしい)」「な
んとかかんこしてみてよ(考えてみてよ)」「どこへいかっせる?(どこへ行くの?
)」「だだくさ(いい加減)」また、言葉の語尾に「てえ」「らあ」「よう」などと
つくのが特徴です。例えば、「大変やてえ」「そうやらあ」「あのよう」などなど。
聞くものにとっては、最初は理解し難い言葉であっても、聞いているうちに人の優し
さ暖かさが伝わって来て、方言っていいなあと感じるこの頃です。
♪「えっ!こんな所ででも?」
あるんですね、同県人との出会。遠く離れた地で、それはかなりの驚きと喜びです
。いつも利用しているタクシーの運転手さん。この方はご夫婦共高知市出身で、名古
屋での県人会の集まりに行って来たとか、高知に帰った時空港で豊ノ島と出会って話
をしたとか、また、じまん焼き(高知で言う太鼓饅)のお店のお嫁さんは安芸市の出
身、時々実家から送って来たからと柚の酢をくれたり、旧姓が同じ「小松」だから、
「私たち先祖は親戚だったかもね」などとよく笑って話をします。これまた、行きつ
けの食堂で出会った人は、私と同学年で、なんと城西中学校出身だったのです。その
人とは、鐘や太鼓の盲学校の運動会の話や、耐寒訓練で毎朝走っていた話など、当時
のいろんな話題が飛び出してかなり盛り上がりました。こんな所でこんなローカルな
話が出来るなんて、その偶然に心から感謝したものでした。
恵那での生活が高知でのそれよりも長くなった今、住めば都とは言いますが、やっ
ぱり私にとって生まれ育った高知の存在は別物です。高校野球では高知のチームを応
援し、高知のニュースだと聞けば思わず耳をそばだてる、それが故郷をこよなく愛し
続けるものの心情というものなのでしょうね。
これからも故郷からの定期便、「みちしるべ」を楽しみに読ませていただきます。
有光 勲
新谷弘実(しんやひろみ)医師の「病気にならない生き方」は、かつてベストセラ
ーとなり、なんと200万部も売れたという。彼はその著書の中で牛乳・乳製品を徹
底的に否定している。これには、多くの名のある学者たちが「全く科学的根拠なし」
と反論している。そのことについて見逃してはいけない問題だと思うので、いろいろ
な客観的情報に基
づいて書いてみたい。
まず新谷氏は、「生乳の成分を均等化(ホモゲナイズ)する際、攪拌するので、脂
質が空気に触れて酸化され、過酸化脂質となっている。それが癌の原因になる」と言
う。しかし、それは全く事実ではない。彼の言うように成分を均等化するため、あた
かも鍋に入れた牛乳をしゃもじでかき混ぜるようなことはしていないのである。小さ
な隙間を通すことで均等化しており、生乳から飲用の牛乳に処理する過程で空気に触
れる工程はないという。仮に空気に触れたとしても牛乳の脂質は、魚油や植物油と違
って飽和脂肪酸なので簡単には酸化されない。牛乳は、どこにでもあるのだから調べ
てみればすぐわかるはず。なぜそのような事実でもないことを平気で言うのだろうか
?私は不思議でならない。
それから、こうも言っている。「牛乳には多くのカルシウムが含まれているから、
カルシウムの排泄機能が高まり、その際、カルシウムだけでなく、マグネシウムや鉄
など体に必要な多くのミネラルまでいっしょに引き連れて排泄されてしまう。だから
牛乳を飲み続けていると骨粗しょう症になる」と言う。全く噴き出してしまうような
話しである。牛乳1パック(200ml)には、1日に必要なカルシウムの3分の1程
度が含まれているだけだ。これにも、なんの科学的根拠はないのである。新谷氏自身
が、そのような研究は全くしていないらしいし、もしそれが事実であるのなら、きち
んと論文を書き、世界的に知られている「サイエンス」や「ネイチャー」などの科学
誌に掲載すべきであると多くの学者たちから指摘されている。
さらに、人間が飲んでいる牛乳を子牛に与えると五日で死ぬともいっているが、こ
れまた違う。温めた飲用牛乳を子牛に与えてもすくすく育つという。牛乳・乳製品は
大昔から世界中で重要な栄養源の一つとして用いられてきた。もし、新谷氏のいうよ
うに牛乳がそれほど有害・無益なものであるのなら、とっくに淘汰されてなくなって
しまっているはずである。
ところで皆さんは、コーヒーのようなもの、まさか飲んではいないだろうね。「あ
れは飲んではいけない。浣腸剤として使え」と新谷氏。「農薬や多くの化学物質が含
まれているので飲用には適さない。コーヒーエネマ(コーヒー浣腸)として用いれば
よい。私も毎日1・2回それをやっている」と書いてある。玄米・菜食で、しかも肉
類はほとんど食べないというから、腸の中はさぞかしきれいなはず。毎日コーヒー浣
腸をしなければならない程便秘するはずがない。それより毎日のようにコーヒー液を
注入していたのでは、直腸やすぐその上のS状結腸粘膜までいためてしまうことにな
りはしないか、ばかげた話しだ。彼は、そういっているが、コーヒーがいかに体にと
ってよい飲み物であるかということは科学的に証明されている。コーヒー生産者やコ
ーヒー愛飲者をずいぶんばかにした話ではある。
なかなか商売熱心と見えて、最近彼は「新谷酵素」なるサプリメントをなりふりか
まわず宣伝している。高新にも折込広告が入っていた。[全てのサプリメントはイン
チキで、「新谷酵素」のみが本物のサプリメントだと言っている。この「新谷酵素」
のほかにも、いわゆる「酵素」と名の付くサプリメントが、テレビショッピングなど
で売られている。
それでは「酵素」とは何か?それは化学反応を助けるための物質(触媒)で、人間
の体内には数千、あるいは一万以上の酵素があるといわれている。人間だけでなく全
ての生物はこの酵素なくしては生きられない。しかし酵素は、全て体の中でつくられ
るものである。なるほど新谷氏のいうように熱を加えられていない生野菜や果物、さ
しみなどには多くの酵素が含まれているだろう。しかしそれらは、口から取ったので
は何の意味もない。もはや酵素としての働きは失われるのである。酵素は、蛋白質か
らできているので、消化管に入れば蛋白質分解酵素によって全て分解されてしまうの
である。すなわち「酵素が酵素によって」分解される訳である。このことをよく理解
しておいていただきたい。
新谷氏は、アメリカの大学病院で40年間に延べ30万人の胃腸内視鏡検査をした
と書いている。しかし、これまたちょっと信じがたい。おおよその数字だということ
かもしれないが計算してみた。30万人を40年で割り、さらにそれを365日で割
ると1日に20人ちょっとになる。つまり、40年間1日の休みもなく毎日20人の
内視鏡検査をしていたということになる。そのようなこと、物理的に絶対不可能であ
る。しかも、その
40年間に一枚の死亡診断書も書いたことはないし、彼の治療した癌患者の再発率は
ゼロであったといっている。もし、それが事実ならまさにノーベル賞もの、ギネスブ
ックものではないのか?
以前、鬱病についての研修会があった時、講演の後で講師の医師に新谷氏のことを
質問してみた。「私は、永年アメリカにいたがそんな人の名前は聞いたことがない。
もし、質問にあったようなことをほんとに言っているとしたら、それは、もはや医者
というよりは宗教者に近いな」と言っていた。「なるほど宗教者か!」、それはなか
なか言いえて妙だと思ったものである。
新谷氏自身が、いかに偉大な人間であるかということを、ことさらに吹聴し、彼の
著書やサプリメントを売りつけようとしているのだろう。それなら、そのからくりが
全て納得できるというものである。牛乳はやめて、豆乳に変えればよいと言っている
。豆乳は私も時々飲んでいる。しかし、あまり飲み続けると問題がおきるらしい。前
日、RKCラジオで言っていたが、そのような人に突然花粉症が発症したり、口の中
や皮膚にアレルギー症状が現れることがあるらしい。何事もほどほどにということで
あろう。
インターネットで検索してみると新谷氏のことを「人間のくず、詐欺師、金の亡者
、だから彼の著書やサプリメントは信用するにあたいしない」と書かれている。個人
攻撃的なものになってしまい、私自身、自己嫌悪におちいらないでもない。新谷氏の
人格を傷つけることになるというのならお詫びしたい。これを読んでくれている皆さ
んに不愉快な思いをさせたかもしれない。しかし、私は単なる感情論ではなく、事実
に反すること、非科学性を追求しているつもりなので、どうか意のあるところをお汲
み取りいただければ幸いである。
私は、声を大にして言いたい。食事学や栄養学は、決して思想や心情、宗教的なも
のではない。それは科学である。一人のいうこと、一つの著書だけを読んで「我が意
を得たり」とばかりにそれを実行するのは、きわめて危険なことである。できるだけ
多くの人の言うことを聞き、また多くの著書を参考にしながら、自分なりの考えを持
つようにすることが最も大切であると思う。同じ事柄でも人によっては180度違う
ことを言っているケースは決して少なくないからである。
読者の中には、新谷ファンがおられるかもしれない。そのような方、私に対する反
論を是非お寄せくださるようお願いしたい。
〈参 考 資 料〉
○公益財団法人、すこやか食生活協会「声のすこやか食生活情報」
○日本酪農乳業協会、ホームページ、新谷氏に対する公開質問状とその回答
○新谷氏のホームページ
なお、この問題に関しては、インターネットにたくさん出ているので、いろいろと
検索してみていただきたい。さらに、インターネットのサピエ図書館には、食事学や
栄養学に関する点字図書や録音図書が、これまたたくさんある。ジャンル別では、医
学の所、タイトルや著者名から検索してもよい。できるだけ多くの本をダウンロード
してお読みいただくと参考になると思う。
3月30日には、恒例の花見を予定しておりましたが、残念ながら雨天のため桜の
下での宴会はできなくなりました。その替わり「花より団子」、急遽居酒屋に場所を
移し、そこで花見の宴が盛り上がりました。参加者は、11名とちょっと少なかった
のですが、大変うれしいことがありました。それは、3人の新入会員を囲んでのミニ
歓迎会ということになったからです。仲間が増えるということはほんとにありがたい
ですね。それだけ守る会の力が強くなるということです。
高知県は、誘導ブロックや音響式信号機の敷設状況が全国的に見ても進んでいます
。これは、守る会が毎年自治体交渉を行なっているからです。
最近ちょっと気になることがあります。それは、重度障害の医療費助成が全国的に
廃止されつつあるということです。これまた守る会が中心となって、存続させるため
の運動をしなければならないと思います。
6月15日には、守る会の総会と懇親会が行なわれます。多くの方々に参加してい
ただき、いろいろな悩みや問題を出し合いましょう。さらに、その後の懇親会でも大
いに親睦を深めたいですね。多数の方のご参加をお願いします。
▼ 守る会の移動用 ▼
守る会 みちしるべ メニュー
守る会 メニュー
守る会 トップ
↑http://mamoru-k.net/