みちしるべ
第234号

目次(ページ内リンク)
§ 第48回守る会総会(2014年度)の報告・・・生田 行信
§ ご利用ください 高知市生活相談支援センター(ミニ学習会より)・・・ 藤原 義朗
§ 点字ブロックの点検をしました「意味不明のブロックが確かにありました」・・・畠山 俊惠
§「牛乳有害説はほんとうか?」を読んで・・・町田 浩子
§ 近況報告・・・曽田 美紀(旧姓 田元)
§《ちょっと一言》ど根性葡萄のこと・・・有光 勲
§ 編集後記

§ 第48回守る会総会(2014年度)の報告



              生田 行信

 6月15日(日)、高知市障害者福祉センターにおいて、今年度の守る会総会が2
8人の会員や賛助会員の方々の参加で行われました。



 役員改選がない年の総会では恒例となっているミニ学習会が、「高知市生活相談支
援センターの役割と、総合支援法における程度区分と専門相談支援事業所について」
というテーマで行われました。講師には、高知市役所等の該当の職員さんに来ていた
だきました。

(1)高知市生活支援相談センター事業

 来年度から施行の生活困窮者自立支援法に基づいて、生活保護に至る前の段階の自
立支援策が強化され、自立に向けた相談や支援事業が開始される予定です。そのモデ
ル事業として高知市では、「高知市」「市社協」「職安」「若者サポートステーショ
ン」で運営協議会を設立、その運用管理のもと、高知市と市社協で「高知市生活支援
相談センター」を昨年11月に開所しました。場所は県庁前電停近くのニッセイビル
3階(088?856?5529)で、このフロアに市社協の生活支援課と地域福祉課も同時に移
転しました。相談・支援の内容としては、

・経済的困窮の方の相談を来所、電話、メールで受付

・状況によっては、相談者宅に訪問のうえ相談内容を聞き取り

・解決に向けて必要な関係する機関に紹介(例えば、福祉事務所、障害福祉課、職安
、法テラス、消費者センター等)いわゆる「つなぎ役」を果たす。

 また本人からの申し出があれば、センターの相談員が同行することもできるそうで
す。

(2)総合支援法によるサービス利用の流れ

 ホームヘルパーやガイドヘルパー等のサービス利用について今までと変わる点は、
特定相談支援事業所と利用契約し、その相談支援相談員(ケアマネージャ)にサービ
ス等利用計画(ケアプラン)を作成してもらったうえでサービス利用が開始されると
いうことです。「継続的に利用するサービスの場合はよいが、県外に行ったときのガ
イドヘルパー利用など、いわゆる「一見さん利用」したい場合は、事前にケアプラン
といっても難しい。どうすればよいのか?」との質問には、「一応事前にケアプラン
を・・・」との回答で、歯切れがよくありませんでした。

 なお、補装具や日常生活用具の申請には、今まで通り事前の区分認定やケアプラン
は必要ありません。

(3)「障害程度区分」から「障害支援区分」への見直し

 障害の程度(重さ)ではなく、必要とされる支援の度合いを示す区分に見直される
ため、「程度区分」から「支援区分」に変更になる。併せて、認定調査項目の追加・
統合・削除等が行われ、従来の106項目から80項目へ見直される。追加されたのは、
知的障害、精神障害、発達障害の特性をより反映するための6項目。従来から課題と
なっていた視覚障害に由来する不便や支援の必要性を適切に反映できる調査という点
では、判断基準の見直しにおいて、

・できたりできなかったりする場合はできない状況(支援が必要な状況)に基づき判


・点字等を使用している場合は、全面的な支援を要するに該当

・自宅など慣れた環境や限定された条件でのみ「一連の行為ができる」場合は、部分
的な支援を要するに該当

などが実際のサービス決定にどう反映されるか注目したいと思います。



 続いて「開会セレモニー」が行われました。まず初めに井上会長が挨拶し、会長に
なってからのこの1年間において、秘密保護法の成立、消費税増税と法人税下げの動
きなど私たちにより厳しい動きが強まっている。そのような中で守る会は地道に活動
を続け私たちの声を反映させてきました。これからの活動に向けて活発な論議をお願
いしたいと呼びかけました。私たちの親団体である全視協の田中章二代表理事からの
メッセージを町田さんが代読してくれました。新入会員の岩本さんから入会にあたっ
ての抱負が述べられました。



 議長には大野俊一さん、記録に生田が選ばれ拍手で承認されました。総会は現在の
会員数64人に対し、出席者28人と委任27人を合わせて過半数で成立し、さっそく議事
に入りました。

 まず2013年度活動報告が各担当部長から、会計報告を山崎会計部長、監査報告が津
野一美さんから、2014年度の活動方針(案)が一括して井上会長から、同予算案が山
崎会計部長から行われ、活発な議論の後、拍手で承認されました。

 予算案の提案に先立ち、会費変更案が次のように提案されました。

・正会員 1万1千円を1万円

・夫婦会費 1万7千円を1万6千円

・学生会費、賛助会費は据え置き

 会費を値下げということだが、全視協への上納金は値下げされないのかとの質問に
対し、井上会長から「事務所維持会計も廃止され、全視協会計としては厳しさが増し
ており、上納金はむしろ上げたいという本音があるようだ。」との回答があり、会費
変更案は拍手で承認されました。

 また、この4月に女性部長が大原保子さんから畠山俊惠さんに交代し、守る会の役
員としての変更が拍手で承認されました。

 議案の詳細については「議案書特集号」をご覧いただければと思います。



 では当日の質疑の概要を報告します。

●親の会

 昨年末に急逝された佐々木優至さんのお母さん(美穂さん)が今後も賛助会員とし
て活動に協力してくださる。堀内佳美さんが第16回図書館サポートフォーラム賞を受
賞されたので報告します。

●無免許マッサージ問題

 実質的には無免許で「マッサージ」を行っている業者の集まりであるリラクゼーシ
ョン協会という団体が数年前からできており、国に働きかけてきた結果、総務省の産
業分類に「リラクゼーション業」が位置づけられた。名前を変えただけの無免許マッ
サージであり、リラクゼーションという呼び方とともに正当化の根拠になりかねない
。他団体でも抗議活動を行っているようであり、全視協としても何らかの取組をする
べきだ。あはき対策部が中心となって情報収集し、対策の方向性を打ち出していく。

●点字ブロック点検活動から要望へ

 5月18日に行われた点字ブロック点検活動を通じてわかった不備な点がいくつかあ
る。例えば、タクシー乗り場のブロックが表示ポールとずれていたり、場所によって
異なり一貫性がないなど。点字ブロックと表示ポールを同じ場所にし、意味を表すシ
ールを貼ってもらうようさっそく要望に結びついた。今回点検活動に参加して、点字
ブロックの大切さとともに付け方の重要さを強く認識するようになった。いろいろな
場所の点字ブロックを付け方に留意して見ていきたい。

●障害者医療費助成

 重度障害者医療費の助成制度が高知県では継続されており、当たり前のことのよう
に思っているかもしれないが、他県では所得制限、1割負担、償還払い等どんどん後
退している。この問題についてもっと危機感を持つ必要がある。情勢を常に注視し、
必要なときは機敏に運動を起こす必要がある。

●高知市生活相談支援センター

 先ほどミニ学習した生活支援相談センターだが、なじみのないニッセイビルにある
だけでなく、事務所が2階にあり1階には対応するサポートがない。一人では行きにく
く、障害者が行きやすいサポートを講ずるよう要望したい。

●教科書等墨字教材のテキスト化

 大学等で学ぶ視覚障害者が、教科書等の墨字をテキストで提供を受ければパソコン
を使って学習できます。高知点字図書館にテキスト化対応の要望をしてきたが、速や
かに対応するとの返答は得られなかった。高知新聞の「秋の助成」に応募することに
し、採用されて必要な機器とソフトを購入し、音訳ボランティアさんのところでテキ
スト化をしてもらって学習している。

 点字図書館でテキスト化の講習があったようだが、積極的に情報を流してくれなか
った。多くの人にノウハウを知ってもらった方がよいと考える。

●タクシー乗車時の1割引を受けるときの手続

 きについて

 タクシー会社によって対応が様々である。手帳の提示も不要な会社もあり簡便でよ
いとも言えるが、悪用につながらないか心配もある。運転手が1割を負担しているケ
ース、障害者が乗ったことにして、運転手が1割を着服している例もある等。お客側
でも障害者でない人が割引を受ける事例が起これば、この制度の縮小につながりかね
ない。

 桜ハイヤーは事前に登録するとカードをくれる。そのカードを示して割り引いても
らう。

 個人情報漏洩の可能性もあり、手帳の提示を求められても拒否している。

 どのような手続きがいいのか、すぐに結論を出すのは難しいが、いろいろな意見を
聞いて検討していく。

●夏の自治体交渉に向けた要求

・横断歩道の白色が薄くなっているところを早めに塗り直してほしい。弱視者にとっ
てははっきりしていないと見えにくい。(上町4丁目と2丁目)

・上町3丁目の信号に音響を付けてほしい。

・電車通りの知寄町2丁目より東には点字ブロックがないので付けてほしい。

・グランド通電停を北東に行ったところにポールがあり、点字ブロックがそれを取り
巻くように敷設されていてわかりにくく危ないので改善を要望する。

 すべての議事が終了し、正岡副会長の締めくくりの言葉で閉会となりました。

§ ご利用ください   高知市生活相談支援センター(ミニ学習会より)



  藤原 義朗

 総会前のミニ学習会のテーマは、「高知市生活支援相談センター事業について」「
障害者総合支援法により必須となる『障害支援区分』とサービス支給の流の変化につ
いて」。

 高知市役所より、5名の方がおいでになり講演された。

1.高知市生活支援相談センター事業

 平成27年施行の【生活困窮者自立支援法】に基づき、昨年高知市に開所した。

高知市と社会福祉協議会職員8名で構成しており、特に経済的な困窮課題をはじめ、
相談・援助、支援計画づくりをしていく。生活保護にまで至らないように、また、必
要な場合には生活保護をはじめさまざまな資源と結びつけていく機関です。当然、訪
問相談もしてもらえます。

住所:高知市本町四丁目2番40号

     ニッセイ高知ビル3階

  電話:088?856?5529

2.障害支援区分とサービス利用の流れ

 @障害支援区分

   障害程度区分認定に代わり、必要な支援 

   量を図る目安という名目で、4月より始

   まった。コンピューターによる一次判定

   の調査科目は減り、その結果の組み合わ

   せで二次判定に回すという仕組みである。

   要するに、精神障害の方など二次判定で

   の変更率が高いことからこの支援区分方

   式に変わったと言える。

 Aサービス決定の流れ

  (1)高知市に申し込む

  (2)特定相談事業所の専門相談支援員が

     支援計画を立てる。

  (3)高知市で区分の決定を行う。

  (4)支給決定行われ、サービス開始。

3.質問より

 Q:問題解決の為に弁護士など必要な場合は

その費用など予算措置はあるか?

 A:予算はないが、法テラスなど必要機関へ

のコーディネートをしっかり行なっていく。

 Q:同行援護など「一見さん」的利用でも計

画立案は必要なのか?

 A:(相談し合いながら)一応、利用計画を

立てていく。

【藤原の感想】

 一見さん的利用は制度開始前から想定されていたこと。いまだに対応が解明されて
いないのは、全体の制度改定の波に乗せられすぎている。

 第2に、支援計画を立てるのに視覚障害の社会参加・生活保障、特に情報保障に視
野を広げる計画相談支援員がいないことである。

 守る会などで、先ほどの一見さんの対応も含め、マイプラン作成援助活動も必要で
ある。

§ 点字ブロックの点検をしました



「意味不明のブロックが確かにありました」

              畠山 俊惠

 そういえば、何年か前に私が「グランド前のあの点字ブロックは何やろう?」と誰
かに言ったことがあります。私はそのことをすっかり忘れていましたが、「5月18
日に電車通りの点字ブロックを点検するので是非参加してくれませんか?」と正岡先
生から電話がありました。

当日は「親の会」の食事会の後、何人かのお母さん達も参加してくださり、私の孫も
含めて10名で点検に出かけました。町田さんが事前に下調べをしてメールで流してく
ださっていたので、ある程度わかった上での点検・確認です。

 上町1丁目からはりまや橋までの電車通りで、私達は北側の歩道を歩いて点検しな
がら、同時に南側の説明を聞いて進んでいきました。

点字ブロックがあるのは横断歩道・公衆電話ボックス・バス停・タクシー乗り場など
です。公衆電話はブロックの正面にあるのですぐにわかるし、バス停も雰囲気で何と
なくわかります。問題なのはタクシー乗り場です。

 せっかく点字ブロックがあっても、ブロックから2、3bくらい離れた植え込みの
中に標識があるのです。しかもそれは、ブロックの右側にあったり左側にあったりと
、場所によってまちまちでした。これでは視覚障害者が探せるはずがありません。私
が以前「これは何のブロックやろう」と疑問に思ったのも、おそらくタクシー乗り場
だったのでしょう。タクシー乗り場ということがはっきりわかるように標識をブロッ
クのすぐ側に移動させて、「タクシー乗り場」と書いた点字シールを貼ってもらいた
いと思います。

 公園通りの「高新ビル」と、少し東の「高新観光」入り口前の2カ所に、町田さん
がおっしゃっていた意味不明の点字ブロックがありました。「『バス専用道路』と書
いているけどなんのことやろうねえ。ここでタクシーが止まっていることもあるよ」
と北村さんがおっしゃっていました。いろんな点字ブロックがあると紛らわしいので
、意味不明なブロックは取り除いてもらいたいと思います。

 バス停の点字ブロックはだいたい右側にありますが、堀詰のバス停のブロックは少
し離れた左側にありました。そのブロックがバス停のブロックだと気づくかどうかち
ょっと心配です。

堺町のバス停は乗り場が4カ所あることを初めて知りました。南側の堺町のバス停は
乗り場が2カ所で、東側のブロックが土電バスの乗り場、西側のブロックが県交通の
乗り場です。南側はすべて西向きのバス、それに対して北側は桟橋方面南行きと、高
知駅方面北行き、それに東へ直進のバスもあるので、当然乗り場も多いというわけで
す。

 ちなみに、西の端のブロックが土電バスの乗り場、後の3カ所は県交通の乗り場と
なっています。西から2番目のブロックは観光客への配慮なのか「桂浜行き」のみの
乗り場です。3番目はその他の桟橋方面南行き、東の端のブロックが高知駅方面北行
きの乗り場となっています。これだけでも知っていれば乗るときにずいぶん違うと思
いますが、バスは次から次へとやってきます。必ずしもその場所に止まるとは限りま
せんので、皆さん気をつけてください。

 今年10月には土電と県交通が統合されます。そうなるとまたいろいろ変わると思
うので、そのときはまた皆さん点検に行きましょう。

 これは余談になりますが、小学4年の私の孫(大塚真優)は滅多にできないような
貴重な体験をして、「ブロックのすぐ横にバイクとか自転車があったらあぶないねえ
」など、見えない人の大変さが少しわかったようです。みんなと一緒に点字ブロック
の点検に行ったことをその日の日記に書いていました。すると担任の先生が、「おば
あちゃんが目が見えないことをみんなに言ってもいい?」と真優に聞いてから、みん
なの前で真優の日記を読んだそうです。そして先生が、「これは大切なことです。み
んなも点字ブロックの上に自転車を止めたりしないように気をつけましょうね。」と
おっしゃったそうです。

§「牛乳有害説はほんとうか?・・・」を読んで



              町田 浩子

 前号に掲載された有光先生の記事を読むまで、私は新谷弘実さんもその著書も知り
ませんでした。

 ネットでざっと調べた範囲では、有光先生の言われている事の方が真っ当だと感じ
ました。乳製品の取り過ぎは確かに良くないと思うのですが、徹底的に避けるという
のも出来そうもないし何だか変ですね。コーヒーについても適度に飲むのは健康に良
いと聞いたこともあります。

 私は牛乳を飲むとお腹をこわすので飲みませんがヨーグルトやチーズは好きで毎日
摂取してます。お酒と同じじゃないかなと思います。どんな健康法も度が過ぎれば害
になるんじゃないでしょうか。

 「みちしるべ」にこういう記事を載せていただいて本当によかったと思いました。

§ 近況報告



         曽田 美紀(旧姓 田元)

 結婚し松山へ引っ越してから2年9ヶ月になりますが、私はメーリングリスト、事
務局便り、「みちしるべ」を通じて、なおも高知の「守る会」の活動についての情報
を得ています。視覚障がい児・者の親の会の活動も活発に行われているのですね。

 最近私は週に1度か2度、松山市郊外のスーパー「そごうマート」へ主人と歩いて
買い物に行きます。私が勤めに出る日には夕方、休みの日には日中に出かけます。主
に野菜や果物、肉やその加工品、魚を買います。土曜日に買い物をすると、ピンクレ
シートが貰え、1万円分ためれば3ヶ月以内であれば500円分の商品券と交換でき
ます。

 瀬戸内には魚の種類が多いので、松山へ来てからは、高知では食べられなかった魚
を多く料理し、食べるようになりました。生のタコの丸もの、オコゼ、タイの丸もの
、アカエイの切り身を買えた時はものすごく嬉しいです。

 それから、3週間か1ヶ月に1度くらい、ディスカウントドラッグショップ「コス
モス」へ主人と歩いて買い物に行き、保存の利く加工食品、調味料、洗剤、防虫剤、
ティッシュペーパーなどをまとめ買いします。「コスモス」のレジでは、店員が商品
をセンサーにかざした時、値段が音声で流れてきます。あまりにも沢山買うので、タ
クシーで自宅へ帰ります。



 昨年7月28日、愛媛県民主視覚障害者協会(愛媛民視協)で「くらしの相談会」
が行われ、「ヘルパー利用に関し、同行援護を一律50時間にしてほしい」「行政か
らの文書を点字化してほしい(特に市・県民税、固定資産税、医療保険料など、支払
いを求めるもの)」「防災の観点から地デジラジオを日常生活用具に指定してほしい
」「タクシー料金の値上げが予想されることから、初乗り料金を値上げ分に上げてほ

しい」といった意見が出されました。この事項についての要望書を製作し、松山市の
障がい福祉課へある議員を通して提出しました。地デジラジオの給付については、1
1月初めに実現させることができました。今年に入ってからは、支払いを求められる
文書の点字化、『点字毎日』の点字版を活字版と同額で購読できるようにすることも
実現されました。



 私は昨年3月から今年4月まで、東京の視覚障害者支援総合センターの音楽点訳の
通信講座を受けました。音符、休符、調・拍子記号、速度・強弱記号などの点字表記
を少しずつ学びました。いちばん難しいと思ったのは、和音記号と点字楽譜独特の繰
り返し記号(レ下がり)の使い方についてでした。1回分の練習問題をセンターへ送
って添削を受ける度に、必ずやり直しを指示されましたが、やっとの思いで1年1ヶ
月かかって全15回のカリキュラムを修了することができました。

 修了してからは、4月21日に松山市の音楽点訳グループ「おたまじゃくし」の学
習会に立ち寄りました。「おたまじゃくし」のメンバーたちはかなり高度のレベルの
音楽点訳(混声四部合唱の楽譜など)に取り組んでおられるので、「すごい」と思い
ました。

視覚障害者支援総合センターの点字通信講座には音楽点訳のほか、日本語点訳(基
礎編)(応用編)、英語点訳もあります。

 5月の下旬には、『点字数学記号解説』『点字理科記号解説』の点字版の購入方法
について、日本点字図書館用具事業課に問い合わせました。それぞれ1700円、1
900円で、どちらも日本点字委員会の取り扱いだそうです。用具事業課に申し込む
と、担当者に連絡が行き、日本点字委員会から書籍と振込用紙が送られて来ますので
、その後で代金を支払うことになります。なお、墨字版は用具事業課で販売されてい
ます。



 7月20日の10時から12時に、松山市の総合福祉センターで、東京盲ろう者友
の会の藤鹿さんの講演会が開かれますので、私も参加します。前述の愛媛民視協の機
関誌『伊予刊』の「情報コーナー」にも講演会の案内を載せました。



 私生活の話に戻りますが、今年の12月27日から来年の1月4日まで、私は主人
と「ニューイヤークルーズ」に参加する予定です。いつかは海外で新年を迎えたいと
思っていたので、とても楽しみにしています。その日に向けて、一日一日の生活を大
切にしながら、準備を進めていきたいと思います。

 ではまた。

《ちょっと一言》 ど根性葡萄のこと



               有光 勲 

 皆さんはおそらく「ど根性大根」の話は聞かれた事があると思う。路肩のアスファ
ルトの割れ目から葉を出して勢いよく成長している大根の事である。それは全国ニュ
ースか何かで聞いたような気がする。さて、それによく似ているのだが、今回は「ど
根性葡萄」の話をしたいと思う。それはごく身近なところにあるので、見える人なら
おそらくみんな知っているであろう。そう、守る会点字印刷所のシャッターの前であ
る。入り口に向かって左隅にたった独りでたくましく立っている。コンクリートの割
れ目から直径5、6cmの幹が伸びている。その周囲には何の緑もない。コンクリー
トや金属のシャッターなどがあるだけである。この葡萄の木の幹はややS字状に曲が
りながら伸びて、1.8mぐらいの所で左右に枝を出している。その枝は約6m程も
あり、ひとつは印刷所を取り巻くようにひさしに沿って伸びており、他のひとつは、
印刷所の家主である松本文具のひさしに沿って反対側に伸びている。今年も50個程
の房がなっている。私は、葡萄の房がなっている事は、触らせてもらった事があるの
で知っていた。

しかし「そんな物食べられたものではないだろう」と思っていた。ある日の事、印刷
所へ行った時「この葡萄なかなかおいしいですよ。食べてみて下さい」と言う。「え
っ、どこで買って来たのですか?」「いえ、買って来たのではありません。そこにな
っていた物です。」私はその葡萄をひとつ口に入れて見た。そして驚いた。小粒で種
もあったが、甘さといい酸味といい丁度の加減で大変においしかった。そうなるとげ
んきんなもので、このたくましい葡萄の木が急に愛おしくなってきた。

私はその葡萄の木に聞いてみた。「おい、お前いつからここにいるのだ?たった独り
でこんな所にいて寂しくはないのか?」「さあ、私がいつからここにいるかは覚えて
いない。気がついたらここに立っていた。寂しくはないよ。なるほど葡萄畑へ行けば
仲間もお大勢いるだろう。しかしみんな黙りこくってひっそりしている。それに体に
悪い農薬をかけられたり、鬱陶しい袋を被せられたりもする。ここはにぎやかでいい
。そして何も世話してくれないからそれが有り難い。たまにここを通りかかった人が
不思議そうにしげしげと眺めている。そんな時『さあよくこの私を見てくれ』ちょっ
と誇らしい気持ちになるよ。」と言っているような気がする。

 私はこの「ど根性葡萄」のような例が他にあるのだろうかと思い、RKCのラジオ
園芸相談に電話して聞いてみた。「そのような例はたまにある。鳥の糞に入っていた
種か、葡萄を食べた人がそこに種を捨てたというような事が考えられる。それが発芽
して成長したのだろう。このような育ち方は『己生え』と言って実がなるのが遅いか
ら普通は接ぎ木によって増やしている。おそらく5、6年ぐらいは経っていると思わ
れる」との事であった。印刷所に入る時、今頃は葉が茂っているからそれが頭に触れ
る事がある。そんな時乱暴に振り払うような事はしないでほしい。まだ知らない人は
、そのたくましい生命力のある葡萄の木を痛めないようにそっと優しく触ってみては
いかが。



☆ 今月号の「みちしるべ」の表紙にはこの葡萄の写真を載せてあるので見ていただ
きたい。

編集後記



 前号で、牛乳やコーヒーの有害説に関する特集記事を掲載しましたところ、お二人
の方からそれに対する感想をよせていただきました。今回は、そのうち町田さんから
のものを掲載しました。濱口さんからもおよせいただきましたが、テキストデータで
一万字以上もあり、点字にすれば40ページ近くになるかもしれません。そこで、も
う少し簡単に書いてもらい、次号に掲載したいと思います。

 「ちょっと一言」というコラム覧への原稿もおよせいただければありがたく思いま
す。どうかよろしくお願い致します。



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