みちしるべ
第247号 (自治体交渉報告集)
目次(ページ内リンク)
§まえがき 正岡 光雄
§8月10日 高知市 新庁舎の多目的トイレ設計が具体化 永田 征太郎
§8月10日 高知県 雇用問題解決に向けて地道な話し合いを 永田 征太郎
§8月17日 高知市 街づくり及び防災対策の充実 山崎 辰雄
§8月17日 高知県 意見交換会の報告 正岡 光雄
§8月24日 高知市 自転車の危険走行をなんとかして 生田 行信
§8月24日 高知県 災害支援は専門性が必要 藤原 義朗
§8月31日 高知市 「対面音訳サービスを地域の公民館で実施」を要望 井上 芳史
§8月31日 高知県 「歩車分離式信号機」であることをわかるようにしてほしい 井上 芳史
§9月7日 高知県 相談支援専門員の資質の向上を 有光 勲
§あとがき 正岡 光雄
正岡 光雄
皆様。県、高知市との「意見交換会」(8、9月実施)への参加、発言のご協力誠に
ありがとうございました。
猛暑の中あるいは台風襲来の前後、それからよさこい踊りの最中にもかかわらず、
「会員」の参加状況は第1回目6名、第2回〜5回目まで各々12名でした。
また積極的な発言もいただきました。
お陰様で数々の成果をあげることができました。加えて今後への期待を持つことも
できました。
主な成果としては、まず県職員への盲導犬職務専念義務扱い(仕事として訓練に参
加できたこと)実施、点字ブロック、音響信号機など街づくりの本会の要望に沿った
改善等でした。皆様からの積極的なご協力に深く感謝申し上げます。
本年度より、「会」より1週間前までに、高知市の回答が、メールで送付されまし
たので、それを点字に訳した上で会に臨むことができるようになりました。
「報告号」をお届けします。
読んでいただいたうえで、皆様からのご意見をお寄せ下さい。
今後への期待についても是非ともお考えをお聞かせください。
永田 征太郎
1.医療関連
後期高齢者医療制度懇話会に認定老健に関する代表も入れる要望については、事務
局である高知県後期高齢者医療広域連合にその旨を連絡してもらっている。
特定健診の受診カードについての要望については、拡大版及び点字版を障がい福祉
課から提供された対象者リストに基づき作成・発送しているとの回答であった。受診
券には「これは受診券です。」という内容の点字表示を行っている。受診券自体を点
字にすることは医療機関での受付体制の問題から困難であるとのことであった。
2.児童扶養手当制度資料の点字化について
現在、受給者に送付される資料は点字化されていない。情報提供の課題としては、
高知市ホームページにも掲載されるが、閲覧ができる人ばかりではないこと、「あか
るいまち」にも掲載されるが点字版では内容が簡略化されてしまうことで、同じよう
に掲載される保証がないことなどが挙げられた。点字化の要望も伝えたが、作業には
時間がかかる。不明なことがあったときに、担当課へ直接電話で問い合わせてもらう
方法が一番確実であるとのことであった。
3.日曜市の点字ブロックについて
ひろめ市場より西方の南列の店は歩道上に出店しており、点字ブロックの歩行者に
対して配慮をしてもらうよう、指導している。平成25年度からは3名の歩行者誘導員
を配置して、歩行者安全対策を行っている。
また、ひろめ市場の東側にも南北の道沿いに出店している箇所があり、岡村ビルの
北までは日曜市の扱いとなっている。そこではスペースの関係から歩道上に出店して
いるが、日中は車道を歩行者が歩けるようにしている。
4.新庁舎のトイレについて
各階の東西にトイレが設置されている。多目的トイレの設置については東西で状況
が異なっており、東側では男女それぞれのトイレの中に多目的を設置、西側では廊下
から直接多目的に入れるように設計されている。
関連して、非常ボタンの表示や形式(ボタンかひも)、水の流し方をわかりやすく
すること、おむつ交換ベッドに関する要望が出された。
5.参政権について
立候補の状況や選挙公報の内容は市の選管のホームページに掲載し、電話での問い
合わせにも対応する。選挙公報のお知らせ版については、音訳版を平成27年の市議会
議員・市長選挙、点字版も同市長選挙で発行した。市議会選挙の点字版発行について
は、立候補者の数が多いこと、告示日から選挙期日までの期間が短いことなどの理由
から困難である。
期日前投票でも点字器・点字の候補者名簿の準備はしており、点字投票の保証に努
めている。
6.雇用・就労問題について
市職員に占める障害者の割合は、今年の6月1日時点で40名(別枠の障害者採用は
25名)、うち視覚障害者である職員は1名である。視覚障害者の単独出張に伴う費用
負担については、所属の職員が同行してサポートすることを基本としているが、ガイ
ドヘルパーが必要なケースについては公費で負担することを考えている。現在、視覚
障害を有する職員のサポートとして専属の職員配置は行っていないが、必要性が生じ
た場合には検討していく。
7.あはき関連
要望に対する回答はほぼ例年通りのものであり、情報提供に基づいて動いていきた
いとのことであった。現場検証の際には、職員だけでは正確な判断が難しいことが予
想されることから、業界関係者の立ち合いを取り入れてもらうよう要望した。なお、
平成27年度以降の状況については、全苦情数9件(うち8件は指導済み)、そのうち
広告に関するものが6件、施術内容に関するものが2件、施術所の衛生管理に関する
ものが1件あったそうである。
8.肺炎球菌の予防接種について
今年度の対象者に対し、すでに点字での案内を発送した(内容も点字のものを同封)。
永田 征太郎
1.高齢者福祉について
介護保険で足りない部分を障害者自立支援法で補えることについては、市町村の福
祉担当者会やケアマネの会などで周知している。また、東方面では介護保険のケアマ
ネと相談支援専門員が事例検討会などを通じて連携をとろうとする動きも昨年から始
まっている。視覚障害者が介護保険の社会資源をリアルタイムで調べることができる
手段の確立の要望については、現時点では困難であるとのことであった。
2.IT関連
障害者向けパソコン教室は現在、須崎市といの町で行っているが、昨年度の視覚障
害者の参加はなかった。新点字図書館で実施する講習会については、県下全域を対象
とする予定である。
パソコンボランティア養成派遣事業の実績に関しては、平成28年度の養成数が3名
、派遣回数は9名に対して延べ108回行われたそうである。パソコン周辺機器の助成
については、市町村の財政状況に影響されるため、必要なケースについては、そのつ
ど窓口に相談・要望していく必要がある。
3.中途視覚障害者のリハビリテーション
ルミエールサロンの生活訓練指導員の状況については、現在、有資格者が1名、昨
年度ライトハウスでの研修を終えて現在現場実習中が1名、今年度ライトハウスでの
研修中が1名であり、平成31年度からは有資格者3名体制になる予定である。
昨年度の生活訓練実施状況は、43名に対して延べ112回行われた。スカイプを活用
したパソコン訓練は、延べ44回行われた。指導回数や頻度について特に制限はないが
、1サイクル20回をめどに対象者のニーズ・状況に応じて行われている。
視覚障害リハビリセンター設立については、財政的に困難である。現在は生活訓練
指導員が関係機関と連携をとりつつ、教育・医療・福祉との連携を図っている状況で
ある。出張機器展示会などを行っても在宅でなかなか外に出る機会のない人へのアプ
ローチが不十分となること、自活訓練棟などを活用した宿泊訓練の実施などを要望と
して出した。
4.その他福祉関係
「あったかパーキング」のプレートについては、車の外から見てわかりやすいこと
、他の中四国の県とほぼ同等の大きさであることなどの理由から、現状の大きさを維
持したいということであった。
太陽号の申し込み手続きを高知市街地からも可能にという要望は、代理の手続きも
可能であることなどからの理由により、社会福祉協議会では検討していない。物理的
に利用券は郵送での提出も可能であることから、社協に対して利用者負担の軽減を踏
まえてもっと柔軟に対応してもらえるよう要望した。
5.雇用・就労問題について
取り組みとして、障害者の雇用を促進するため、今年度は約500社の企業を訪問し
ている。また、在宅での就業が可能なテレワーク業務を活用した職業訓練などを行っ
ている。昨年度の雇用の実績として、ハローワークを通じて就職した人が525名、そ
のうち視覚障害者は10名であった。
雇用問題解決に向けての委員会設立については、担当者からまずは視覚障害者との
意見交換の場を設けて話し合いを続けていきたいとのことであった。どのような取り
組みをしていけばよいのか、現時点では明確な考えがないような印象だったので、ま
ずは話し合いの場を設けてじっくり理解を深めてもらう働きかけをしていく必要があ
ると感じた。
山崎 辰雄
8月17日(木)に総合あんしんセンターで行われた高知市交渉の概要を報告します。
尚、高知市からは文書での回答もありましたので、詳細は自治体交渉部にお問い合わ
せ下さい。当日の参加人数は15名でした。
1.街づくりについて
盲学校〜越前町郵便局・大膳町公園〜常通寺橋・升形商店街〜円満橋へのエスコー
トゾーンの設置については、県警による設置の方向で、市としても要望や調整をして
いくとの回答がありました。
点字ブロックの敷設について、国道については国交省に、県道については県土木事
務所に要望を伝えていくとの例年通りの回答でしたが、例えばニッセイビル付近など
場所によっては、早急に対応したいとの前向きな回答が国交省からあったことの報告
があり、一定回答が前進していると感じました。新木電停〜ハローワーク・居酒屋「
玲子」〜城西中通り・下知1号線への点字ブロックの敷設については、歩道がない・
路側帯が狭い・関係者との協議で慎重な意見がある・路線沿いに公共施設がないなど
の理由から、現状では敷設困難であるとの回答がありました。下知38号線・知寄町
2丁目バス停周辺・菜園場〜南・桟橋通り3丁目〜南部健康福祉センターへの点字ブ
ロックの敷設については、予算の範囲で順次整備を進めていくとの回答がありました
。大橋通り〜新図書館への点字シート等の敷設については、特に商店街は時間規制の
車道であり設置困難であるとの回答でしたが、交渉参加者から設置に向けた要請が強
く出されました。点字ブロックの改修や撤去については、要望箇所等のパトロール点
検を行い随時破損箇所の修繕や撤去をしていくことの回答がありました。
その他、側溝の蓋掛けについては、幅員が4m以下の路線を中心に順次整備してい
ること。バス停でバスを待っている人を運転手が確認しずらい場所があることについ
ては、バス停の移動等とさでん交通や関係機関と協議していくことの回答がありまし
たが、関連して上町3丁目バス停の点字ブロックが離れすぎているとの新たな要望も
出されました。大橋通りや帯屋町アーケードの歩きにくさについては、商店街組合を
通じてまた警察との合同パトロールの機会を通じて直接店主への指導を行っているこ
との回答がありましたが、現状ではあまり改善されていないので一層の指導等対策を
求める要請が出されました。
2.防災対策について
防災情報の伝達方法については、テレビやラジオによる情報発信を中心に行うとの
回答でしたが、テロップのみでは分からないので音声をつけることも重ねて要望しま
した。また、新しく仁淀川の洪水に関するハザードマップが作成(墨字のみでデイジ
ー版は未作成)されたとの情報提供がありました。その他、ハザードマップ等による
情報提供について、内容が膨大なもの、例えば「南海地震に備えちょき」などは、各
自が必要な内容・部分だけ提供してもらえるような工夫をしてほしい等の要望も出さ
れました。
防災マップへの障害者などの情報掲示は、個人情報保護の観点から原則掲示しない
ことを指導し地域内での情報共有に留めることの回答がありました。
避難場所の確保については、主に津波を想定した高台への避難路の整備・避難ビル
の指定・避難タワーやセンターの建設を行い、28年度末に一定の整備を完了し避難
場所が確保されたとの回答がありました。また、避難誘導については、災害発生直後
は行政など関係機関の活動には限界があり、地域の方の協力を高めるような情報共有
の方法や個別計画の策定などに取り組むことの回答がありました。その他、避難訓練
については、地域住民の支援が必要不可欠であるため、地域の訓練に障害者も参加で
きまた理解を深めるような取り組みも行っており、その一環として視覚障害者のガイ
ドなど支援方法に関する講習会も開催していくとの回答がありましたが、参加者から
は、危ないから等の理由から訓練への参加を断られたことがあるとの意見が出ました
。市は改めて障害者等への配慮を指導していくことや、健常者と障害者が一緒に活動
する場面を増やすなど理解を深める取り組みも行っていくことの回答がありました。
避難所への視覚障害者支援サポーター配置については、生活相談職員等の配置を検
討しているが、大規模災害発生時には十分な配置が困難であることも想定されるため
状況に応じた対応となるとの回答でした。また、避難時の支援体制については、視覚
障害者への理解が深い方(例えば音訳ボランティア)の支援についても、点字図書館と
検討していることが報告されました。
盲学校の福祉避難所の指定については、一昨年から説明や協議を続けているとの回
答がありました。地域との協力体制の構築に時間が掛かっているようであるが、改め
て市から指定に向けた協議や働きかけを行っていくとの回答でした。
正岡 光雄
参加者16名
@あはき関連
無資格者の取り締まり強化、広告制限
※あはき無資格業者を県外並み取り締まって下さい。
県からの報告…全国の状況は平成20年15件をピークに徐々に減少し、26・2
7年各々3件、28年1件、29年は6月末現在で0、四国では20年1件以降検挙
事例は0であった。
28年の検挙では九州地方における猥褻事件で厚労省への紹介の結果不起訴となっ
た。ホテル、旅館に対しては県の広報誌に「無資格営業は健康に有害である」との掲
載を行った。
また23年度より消費生活センターより情報提供が得られるようになった(数年前
には800件あった)。
参加者からの意見…「本県では殆ど取締事例がない。少し手緩いのでは」、(運転
免許所有者においては事故が無くても違反者は罰則があるのに対し不平等扱いではな
いか」また広告制限に関しては「有資格者にはあるが無資格者には全く無制限で罰則
がない。このような法の適応は矛盾である」との指摘も出された。
A教育関係
養護学校寄宿舎は自活訓練棟解体後着手する
建築工事についての県の報告…平成30年自活訓練棟の解体、31年れいめい寮改
修、32年江の口寄宿舎建築、33年4月生徒の移転、開校となる。今は動線のこと
や駐車スペースについて関係者からの意見聴取を行っているところである。
参加者からの意見…「文科省の調査では一般小中学校における発達障碍者は5〜6
パーセント在籍しており、入舎予定の10名では間もなく不足するのではないか。そ
の段階で盲、聾の統合があるのでは」、「寄宿舎ではれいめい盾ニの間で食堂、厨房
、浴槽の共同使用が予定されているがこれもある意味統合ではないのか」、「全国的
に普及している特別支援学校などのように名前を変更するのではないのか」等の指摘
があった。
県の意見…盲、聾学校では生徒数の減少傾向にはあるものの、各々県内1校しかな
く、またこれまでのしっかりした教育の実績もあり、非常に大事にしていきたい。名
前の変更など重要事項についてはトップダウンで決めるのではなく、そのような事態
になった時には検討委員会で論議してもらい、皆様からのご意見をお聞きしたいと思
っている。とにかくニーズの異なる生徒たちへの教育については大いに力量を発揮し
ていただきたいと思っている。寄宿舎関係の予算は数億円になる予定である。自活訓
練棟の機能の保持については目下検討中である。等県側の回答があった。
B県立図書館
図書館協議会に情報障碍者の代表を加えて下さい。
平成29年12月15日より新図書館開館まで休館になるので、その間の対面音訳
の実施場所は県立大学永国寺キャンパスで行う予定である。また30年3月より点字
図書館に対しても1室が供してもらうことになっている。高知大での対面音訳実施は
困難であるが相互貸借によってその機能を代行してもらいたいとのことである。
音訳ボランティア増設の要望に対しては9月に点字図書館との共同による「養成講
座」を実施する予定である。
大活字本は高齢者にも利用されており、大いに推進したい。
29年12月より時点の蔵書数は3241点、昨年度購入数は114点、また30
年度の貸し出し実績は2103点であった。
これらの報告の後「情報障碍者の代表を図書館協議会に加えてほしい」点の論議を
行なった。
県としては「図書館協議会」に視覚障碍者を含む団体の代表に参加してもらってい
るとの報告であるが、参加者から次のような指摘があった。「協議会の議事録を見せ
てもらったが障碍者関係の論議の記述はなかった」、「肢体障碍者は予定されている
ようにバリアフリー化が行われるため読書に障害は全くない」、これに対し、「視覚
障碍者は読書障碍者である。聴覚障碍者、知的障碍者、発達障碍者(ディスレクシア)
等も同様である。これらの人々を代表する委員の選出を強くお願いします。」との意
見を次々述べた。
生田 行信
8月24日(木)
高知市11名
進行:藤原義朗、報告:生田行信
この日は、くらし・交通安全課、介護保険課、市民図書館との意見交換会が行われ
ました。
1 自転車の歩道走行で危険な思い
自転車は車道走行が原則になっていますが、高知市内の歩道は全て「自転車の走行
も可」扱いになっているようです。ただし歩行者の妨げにならないことが前提です。
警察では指導・警告を強化(今年上半期で指導警告票3984件、検挙(赤切符)2件)
と、交通安全教室を開催し啓発を図っているとの回答です。参加者からは白杖を折ら
れたり恐怖を感じる危険走行など相変わらずの現状が多く出されました。マナーの悪
い大人も多いことから、学校等での開催だけでなく、幅広い啓発や取り締まり強化を
お願いしました。
2 電停「旧八幡通」復活か?
「電鉄ターミナル前」から次の「菜園場通」までが遠く、その間にカルポートとい
う公共施設もあることから、電停の新設を訴えました。とさでん交通からは基本的に
前向きな回答でしたが、該当の道路がカーブしている、現在横断歩道がなく歩道橋で
ある等、技術的な課題や合わせて解決すべき問題もあります。道路管理者であり公共
交通政策に責任を持つ行政にも積極的に関わるよう訴えました。
3 不利益自体に気づかない…
契約文を読めずわからないまま署名捺印し不利になったりすることがないよう、契
約内容や重要事項等をパソコンデータでの受け渡しなど、視覚障害者が自分で確認で
きる手段を要望し、市による援助システムをお願いしました。「不利益が生じた場合
は、個別具体的に介護保険課等に連絡すれば、事業者からヒアリングを行い、改善等
必要な場合は、指導・勧告等を行う」との回答です。契約内容を読めなければ、不利
益が起こっているかどうかも気づかないという問題点を強く訴えましたが、長年要望
しているこの件は、今回もすれ違いでした。事業所に対してデータを要望し応じてく
れなかった場合は、介護保険課に相談し、事業所に対し働きかけを行ってもらいまし
ょう。
4 新図書館への意見反映
図書館利用において、視覚や聴覚等の情報障害者は固有の課題があるため、障害者
全体を代表する委員だけでは不十分であることを訴えました。「新点字図書館サービ
ス検討委員会」には入ってもらっていることや、意見交換会など色々な場で直接意見
を聞くことなどを通じて反映していきたいと述べ、新図書館全体の検討委員会に情報
障害者の代表を加える回答は今年もありませんでした。
5 3Dプリンター導入
視覚障害者への立体情報提供の手段として期待される技術です。新図書館に併設さ
れる高知みらい科学館に1台導入予定。現時点での予定では、インターネット上で無
償公開されている3Dデータによる作成と、館内での閲覧をイメージしているようで
す。リクエスト作成に対応できないか要望しました。
6 新図書館への移行期間中の対面音訳業務
県立図書館(平成29年12月29日から新図書館開館まで休館)
→ その間、高知県立大学・高知工科大学の永国寺図書館で実施
仮設点字図書館
→ 平成30年3月から、閲覧室に仮設パーテーションの対面音訳室を1室増室
市民図書館(平成30年6月末頃までは現在の仮設図書館で業務)
藤原 義朗
県との話し合いは8名の参加でした。
1.既存の住宅を活かす方針、住宅課
春野の県営住宅に視覚障害者世帯向けを1軒募集しています。ところが、一番高知
市街地に近いのは鴨部団地で、あとは郊外ばかりです。人口減少によるドーナツ化現
象で空き家が増えています。県としては新たに県営住宅を作るのではなく民間の空き
家を耐震化リフォームして貸し出す方針です。
2.タクシー乗り場はどこ
ハイヤー協会や協同組合としては、タクシー乗り場が分かるようにポールを立てて
いるとのことですが、点字ブロックと離れていたりして分からない所があります。県
を通して、まず実情を調べてもらい、その上で、タクシー乗り場であることを確認で
きる工夫も勉強してもらうことになりました。
3.専門的な視覚障害支援が要る防災対策
南海トラフ地震など防災対策について項目が多いので、絞って報告させていただき
ます。
@盲学校の福祉避難所指定はまだ。
県内には福祉避難所が199ヶ所指定されています。私たちが利用し慣れている盲
学校や小高坂更正センターの福祉避難所指定については、今年もまだ指定の返事はあ
りませんでした。福祉避難所への入所判定は、一次避難所の中でまず行政職員が調査
をした上で判定を行う仕組みですが、その職員の視覚障害への認識を深めることが必
要です。
A人づくり。
支援力をつけるために、講習会やワークショップなどを通じて県も市町村職員も学
習していると報告されました。しかし視覚障害の専門的な内容には踏み込めていない
ようです。ここが肝心です。
B要介護者避難支援の手引きは点字と音訳版を作製。
また、啓発パンフレット「南海地震に備えちょき」の音訳版と点訳版も作製し配布
しているとのことでした。図書館などへもお問い合わせ下さい。
C地域防災マップや要援護者名簿作りなどにおいてプライバシー保護についても確認
しました。
4.2名雇用
県の視覚障害者職員採用実績は平成23年と26年の2名です。今年も行政職での
障害者枠で2名募集しています。今後も続けていきたいとのことでした。尚、点字並
びにパソコン受験は可能です。
5.職務専念義務免除扱い(職専免)
公務員法では「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務
し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」と
、されています。
盲導犬訓練に関する期間を義務免除してもらいたいという内容です。人事委員会で
個別に対応していくものですが、今回、知事部局で免除扱いしてもらえることになり
ました。全国的にもまだ数少ないケースです。早く教育委員会部局へも広げてほしい
ものです。
井上 芳史
8月31日に11名の参加で高知市との意見交換会を行いました。
1.新点字図書館:祝日や日曜の午後も開館する。視覚障害生活訓練等指導員を配置
し、情報機器や福祉用具の相談にも対応する。2018年3月ごろ1ヶ月間移転のた
めに休館する。この間、県立図書館や点字図書館での対面音訳室は使用できない。県
立大学永国寺キャンパスを対面音訳室として借りる。移転のために休館することをき
っかけに木村会館や潮江図書館での対面音訳を要望したが、管理上難しいとの回答が
あった。以前、対面音訳ボランティアの方も地域でできれば利用者が増えるのではと
話していました。実施できるよう三者で検討してほしいですね。
2.市営住宅の障害単身の増設を要望:市営住宅入居希望者は10倍ほど、中心部に
近くエレベーターのあるところは40倍以上になる。「東石立町・筆山建て替え事業
」が7月から着手、80戸ほどを募集する予定です。一般向けと障害者向けの重複入
居希望はできません。視覚障害者は運転もできないので公共交通機関の便利な住宅を
優先してほしいですね。
3.音声キッチンスケール(音声計り)を日常生活用具に:触読式盲人用計りがあっ
たが、国の給付基準から外れたと聞いていると回答があったが、製造中止となって給
付品目から外れたと説明し検討していくように要望した。
井上 芳史
8月31日に11名の参加で県との意見交換会を行いました。
1.歩車分離式信号機:県内に80数ヶ所ある。昨年一覧表を配布したと回答があっ
た。「ここは歩車分離式信号です」など視覚障害者がわかるようにしてほしいと要望
した。国レベルで装置の開発をお願いした。
2.職業安定所周辺のバリアフリーを:職安に行くには新木電停で降り、信号を北に
渡り、狭い道を500mほど歩かなければならない。道が狭いので点字ブロックの敷
設は無理と毎年回答がある。新木電停から行くのが理想であるが、その前後の電停で
降り、点字ブロックが敷設できる別ルートを研究してほしいと要望した。視覚障害者
が職安に行くことはあるので急がれる。はりまや橋の職安に窓口を設置してもらうこ
とも考える必要がある。
3.音響式信号機設置:今年度12機新設予定である。この中には守る会が要望した
、電車通りの上町3丁目・南国市緑ヶ丘が含まれている(総会で資料配布)。
4.まちまちな電停の位置:電停は交差点の手前にあったり、交差点を渡り切ってあ
ったりとまちまちです。視覚障害者はそれぞれの電停の位置を覚えておかなければ事
故にあう恐れがあります。安全に電停に行くためにエスコートゾーンを敷設してほし
いと要望していますが、エスコートゾーンは横断歩道を安全に渡りきるための物です
。といつも回答がある。視覚障害者が安全に電停に行く方法を一緒に考えてほしいも
のです。
5.点字ブロックを敷設するときには私たちの立会いを:知寄町1丁目から2丁目で
電車通りの南の歩道の点字ブロックを歩いてみてください。建物に接近して敷設して
いるので、建物に沿って置いている自転車や建物の樹木が点字ブロック上にあります。
有光 勲
9月7日(木)の18時から20時まで県庁の正庁ホールで県との意見交換会がも
たれました。当日はあいにくの雨天でしたが、15名の方が参加してくれました。以
下簡単にその時の模様を報告します。
「福祉サービスの充実」
要望……支給決定は、ニーズと環境状況をよく勘案し決定を。要介護認定や障害支
援区分認定で非該当になった人こそ、マネージメントを。障害認定で、重複障害があ
り、関連性があると認められる場合は、総合的な判断基準を。
回答……市町村が支給決定する際には、利用者のニーズや課題を踏まえ、サービス
利用計画案を作成している。市町村に対して、助言指導の場や認定調査員研修等で、
障害支援区分の認定や支給決定について指導しているが、引き続き利用者のニーズ、
環境状況を勘案して支給決定を行うよう徹底していきたい。障害支援区分の認定に際
しては、重複障害者にも総合的に判断することとされている。非該当者のケアマネー
ジメントについても、将来予測される問題等も含め、本人が希望する生活に向けて支
援できるよう相談業務で支援することになっているので、このことを市町村に徹底し
ていくようにする。
意見……介護保険料やサービスを受ける際の個人負担額も徐々に増加している。こ
のような方法ではこの制度が維持できるはずがない。十分な国家予算による負担措置
を講ずる要件としても要望してもらいたい。
回答……所管が高齢者福祉課になるので、このことを高齢者福祉課に伝えるように
したい。
要望……相談支援専門員の資質の向上を。
回答……資質の向上については、国の定めた初任者研修や従事者研修、25年度か
らは、専門コース別研修を行っている。それに加えて単独のものとしてスキルアップ
研修を実施している。初任者研修については26年度からより専門的な知識を身につ
けるよう視覚障害者への支援に関する講義も追加するなど内容の見直しを図っている
。
要望……コミュニケーション支援事業に視覚障害者への新聞等の音訳者派遣、読み
書き者派遣を無料で組み入れるように。
回答……音訳・点訳によるコミュニケーション支援については市町村の地域生活支
援事業の意思疎通支援事業の中で実施することが可能となっているが、本県では残念
ながら、音訳や点訳によるコミュニケーション支援はできていない。しかしこのよう
な取り組みが推進されるよう市町村に対して働きかけていきたい。利用者負担につい
ては、市町村が実施要項によって定めることになるが、意思疎通支援事業として実施
する場合は、手話や要約筆記と同様に無料で実施する方向で検討することになると思
う。
要望……小高坂更生センターの誘導チャイムは、入り口にたどり着いた時に初めて
鳴るようになっているので役にたたない。常時鳴らしておくように。
回答……このことは、小高坂センターに伝えている。具体的に困った事例などにつ
いては直接小高坂センターに言ってほしい。
要望……家族負担はやめて、本人のみの負担で福祉サービスが利用できるように。
回答……22年4月から市町村民税非課税世帯は利用者負担が無料となっている。
さらに24年4月からは負担能力に応じた負担になることが法律で決まっている。
「医療について」
要望……重度重複視覚障害者用の寮の設置を。
回答……視覚障害者に限らず他の障害者の寮についても新たに建設する予定はない
。しかし事業者などが障害福祉サービス事業としてグループホームを新設するような
場合は円滑な指定に向けて必要な助言や支援を行っていきたい。
意見……現在障害を持つ子の世話をしているが、親がいなくなった時のことが心配
である。
回答……親としての気持ちはよくわかるが、現在ある福祉サービスを最大限利用で
きるような訓練も必要ではないかと思う。
要望……療育福祉センター内に眼科の設置を。
回答……相談業務として中央児童相談所の障害相談部門を療育福祉センターで行っ
ているが、ここ数年視覚障害に関する相談はない。視覚障害児の早期発見・早期支援
については盲学校のひまわり教室で対応している。さらに視能訓練士のいる医療機関
で眼科医の指示のもと、斜視やロービジョンの訓練治療が受けられている。このよう
に既存の医療機関で一定対応できているものと考える。
意見……我が子が目が開けられないということで、眼科の診察を断られ角膜炎にな
った。障害のあるものも診察してもらえる眼科の設置を県として眼科医会などに働き
かけてもらえないか。
残念ながら「そのようにします」との回答は得られませんでした。
正岡 光雄
報告号はこれで終了です。
まだまだ書き足りないところもあるように思いますが、紙数の都合もありますので
とりあえず今回はこのくらいにしますが皆様から印象に残ったことを送って下さい。
数々の成果をあげた反面何年間も実らず同じ要求が毎年出される件もあり、大変残
念です。
特に防災問題は「東日本大震災、熊本の大地震による大被害にもかかわらず一向に
進まない点まことに悔しい限りです。
バスや電車に関する問題についても改善があまり図られませんでした。直接会社に
赴き話し合いを持ちたいと思っております。
また情報障害者の「図書館協議会への参加」要望についても同様です。
先日藤原君と共に同会の障害者代表の中谷さんと懇談しました。さらに今後同じ情
報障害者である聴覚障害者、発達障害者、知的障害者の団体の方たちとも懇談の機会
を持ちたいと思っております。
交渉は一挙にはよくなるものではありません。粘り強く働きかけを行うことが大変
重要です。皆様からのより積極的なご協力をお願い申し上げます。それがこれまでの
本会の歴史を見る限り証明されております。
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