みちしるべ
第254号
目次(ページ内リンク)
全視協第34回福岡大会に参加して 安芸久美子
全視協第34回福岡大会参加報告 生田行信
「雇用・就労分科会」の報告 井上 芳史
「全視協福岡大会」に参加して 竹嵜 寛朗(たけざき ひろあき)
第53回守る会総会(2019年度)報告 生田行信
新しい職場で 大黒妙
安芸久美子
初めて参加した全視協大会でしたが、みなさん、はつらつとしていて、嬉しくなり
ました。
1日、2日目は、社員総会で、高知から2つの議案修正提案をしました。
各地域から発言があり、がんばっている姿が見え、議案の採決を終えました。
午後のオープニングでは、八幡製鉄男性合唱団の炭鉱での苦労が歌声で表現され、
聞きごたえがありました。
「視覚障碍者と災害」の分科会では、熊本地震の災害後の避難所ではなかったのに
学校だったことから、避難してきた人たちを受け入れ対応した45日間の話がありま
した。
マニュアルは役にたたない。初めは人数を確認し、名簿はあとで、3日ぐらいたつ
と落ち着いてくるので、一人一人の顔を見て話を聞く。障害者は一旦は避難するが、
避難所にはいなかった。自分で出て行くか、何かあったら困るなどと追い出された。
避難所から帰るタイミングがある。みんなが帰ってしまうが、家の中は危険がいっぱ
いで帰れない状態に、学生が片づけをしたことで次へのステップに繋げることが出来
た。一人暮らしだと、どうしたらよいかもわからなくなると思いました。避難所には
、どうにかなると思って集まって来る、いろんな人に機転をきかして対応することが
大事になる。声をあげる障害者がいる方が、周りも変ってくる。など沢山の経験を聞
き、災害時の自分を考える機会になりました。
夜の交流会では、新潟の片桐夫妻と同席になり、全盲と超弱視なので、しゃべるレ
ンジでレパートリーが増えたことと白杖をついてないことで危険と安全の話で盛り上
がったり、各地からの出し物もおもしろく、高知の藤原ラップは上出来でした。
3日目、買い物の分科会では、どのように買い物をしているのかを聞き、全盲の方
の苦労を知りました。種類が多い物は、買いたい物のチラシを持って行くことやトラ
ブルが起きないようにお店の人と仲良くなることが秘訣でした。いろんなカードの利
用については、沢山持たない事。コープ生協を利用してたり、ネットで上手に注文し
ている方もいました。「年号が変わるとお札も変ると言うので、触ってお札の見分け
がわかるようにしてほしい」と発言したら。新札には工夫がしてあり、全視協の事務
所に6月中は見本が置いてあるとのことでした。でも、東京まで見に行けません。
沢山のボランティアさん、ありがとうございました。各所にいて安心できました。
午後、「落語」を楽しんだ後、次回は、「一目ぼれならぬ人耳ぼれ」をした新潟の
片桐陽子さんにバトンが渡され、2泊3日、いろんなことを知って、学んで、無事帰
り着きました。
生田行信
5月31日(金)〜6月2日(日)、北九州市において、福岡視友協の主管で開催さ
れました。前半の社員総会(法人化後、第10回となります)と、後半の視覚障害者活
動交流集会に参加しましたので報告します。
社員総会では、事前に依頼されていた議長を務めました。大会に伴う社員総会には
初参加であったため、その進行の難しさも知らず引き受けたものの、その交通整理は
大変で、はっきり言って機能しませんでした。ともに議長を務めて頂いた兵庫会長で
もある飯田博由さんと、議事運営委員の方々に助けられながら、何とかかんとか全て
の議事を終えることができたというのが正直なところです。
議案の内容は点字民報5月号が議案書となっています。全ての議案が承認されまし
た。また、高知から修正案(変更を求めるものではなく、追加を求めるもの)が2件
提出されました。高知からの代議員は2人です。ともに参加された安芸久美子さんが
、この修正提案を行いました。
(1)重点要求に「セルフレジ増加やカード化で視覚障害者の不便が増す懸念への対
応を求める取り組み」を加える。
(2)通常要求に「いわゆる65歳問題への取り組み」を独立項目として立てる。
(1)は趣旨採択、(2)は執行部(理事会)が原案に追加することを表明して承認
されました。
役員改選では、代表理事を10年務められた田中章治さんが副代表となり、長年総務
担当理事を務めてきた東京の山城完治さんが代表理事に就任されました。
活動交流集会では、学ぶ分科会は「まちづくり」、語る分科会は「あはき」に参加
しました。全国の会では今まで「あはき」に参加することが多かったのですが、まち
づくり分科会ではバリアフリー法の概要など、初歩の初歩を知ることができてよかっ
たです。あはき分科会では、一緒に参加した竹崎寛朗さんが職場での状況を話し、デ
イサービスでのマッサージ師の仕事について報告する機会を得たことは大変よかった
と思います。
全体会で良かった企画は落語です。福岡県内の小学校の先生で現在福岡盲学校に勤
務している吉田大作さん(芸名:川崎亭好朝)が落語を披露。「笑いとコミュニケー
ション」と題してコミカルにネット社会を風刺し、コミュニケーションがバーチャル
に偏らないよう、また小学校での持ちネタである怪談話、近頃の情勢をチクリチクリ
風刺した民主派的落語など、最終日の疲れを笑いでほぐしてくれました。
大会の閉会挨拶は、藤原義朗さんが初めて務めました。視点がはっきりし、数字的
な根拠もちょいと示し、勢いがあり、大変良かったです。皆さんにも聞かせてあげた
かったです。
大会全体を通して、多くのボランティアさんに助けられました。多くの方がシニア
世代でした。到着や出発の送迎・ガイド、会場やホテル内での誘導、どこに行っても
いてくださるので安心でした。弱視者も初めての場所では結構困難を感じますが、す
ぐに援助を求めることができました。
一緒に出発した安芸久美子さんとたくさんお話ができたり、岩手の長内さんは今ま
で遠くからは知っていましたが、今回楽しい東北弁をたっぷり聞くことができました
。青学部時代に平和学習会でお世話になった大阪の藤野先生にもご挨拶できました。
お元気そうで、乾杯の音頭も以前と変わらぬ先生らしい節回しでした。
今回の参加にあたっては、守る会会計から交通費等の補助を頂きました。ありがと
うございました。
井上 芳史
6月1日・2日と北九州で視覚障害者活動交流集会があり、高知から6名で参加し
ました。ホテル内で分科会や夜の交流会も行い、ボランティアの方もたくさんいて安
心して移動することが出来ました。私は雇用就労の分科会に参加しましたので報告し
ます。
中央省庁における障害者雇用水増し問題と山口訴訟について学習した。
1.障害者雇用水増し問題:昨年の8月下旬の新聞報道で明らかになった。33の
中央省庁のうち、28で3460名を水増し雇用があった。また、34の府県でも不
適切な雇用がなされていた。今年の4月に754名(身体319名、精神432名、
知的3名)が採用された。身体のうち、視覚は43名で、内、点字使用者は2名であ
った。そして、はっきりしていないが131名が退職といううわさも聞く。
雇用率達成のための数合わせではなく、働きやすい環境づくり、予算化、適正な職
場など検討して採用していく必要があると思った。
2.山口裁判:岡山短期大学の山口雪子准教授(中途視覚障害者)は「授業をさせ
ない、研究室を使わせない」との業務命令は不当と大学を提訴しました(2016年
3月)。短大側の主張は授業中に飲食したり、抜け出したりする学生を注意できない
、補佐員がいなければ業務ができない。2017年3月に地裁で結審された。判決要
旨は「授業の担当から外したことに合理的と認められる理由はない」。4月に短大は
控訴した。2018年2月に高裁判決が出された。判決要旨は授業外しについては第
1審判決に比べてもその不当性をより踏み込んで指摘している。山口裁判は勝訴した
が、短大の姿勢は何も変わっていない。山口さんは労働局に調停を申請しているが、
運動の方向性がわからない状況となっている。障害者差別解消法があり、裁判で勝訴
しても短大の姿勢を変えていくことはできない、強制力はないのだなと感じました。
竹嵜 寛朗(たけざき ひろあき)
会に参加して、初めてでしたが色々勉強になったので良かったです。
これを機会にいろんな運動をしていきたいと思いました。また、機会があれば次回も
参加したいです。
生田行信
6月30日(日)、高知市障害者福祉センターにおいて、梅雨のさなかではありまし
たが、36人の会員の参加で今年度の守る会総会が行われました。開会にあたって井上
会長から、「先日行われた全視協福岡大会に、高知から29歳という若い会員が参加し
全国から注目された。長年、役員を務められた正岡、有光、両氏も退任され、これか
らの形も作っていかなければならない。昨年来、中央省庁や自治体で障害者雇用の水
増し問題があきらかとなった。高知県では新たな障害者雇用の取組も始まったが、守
る会として注視していきたい。私たちは要求を出して暮らしを改善させていきたい。
活発な論議をお願いしたい。」と挨拶がありました。開会セレモニーは永田青年学生
部長の進行で進められました。全視協山城代表理事からのお祝いメッセージが田中綾
さんから代読披露されました。新入会員が紹介され、岡本悦子さんと東野千夏さんか
らそれぞれ挨拶がありました。
議事に入るに当たって、出席者36人、委任15人で会員58人に対し過半数で、総会の
成立が確認されました。議長には、吉岡邦廣さん、書記に生田行信、選管には津野一
美さんと田所良子さんが推薦され、拍手で承認されました。今年は役員改選の年であ
り、選管から会長1名、副会長2名の立候補、推薦を受け付けるので、議事終了まで
に申し出てほしいとの公示がありました。
議事は、まず2018年度活動報告が各担当部長から、会計報告を山負計部長、監査
報告が北村みずほさんから、2019年度の活動方針(案)が一括して井上会長から、同
予算案が山負計部長から行われ、活発な議論の後、拍手で承認されました。
質疑の概要は以下のとおりです。
●鉄道の運賃割引
1種の障害者が単独で、くろしお鉄道の駅から乗車し、JRの駅で下車する場合、
ごめん駅までの運賃は半額割引になるはず。券売機のない無人駅から乗車すると車内
で車掌から切符を買うのだが、JRの車掌はこれを知らずに「100キロ以内の単独は
割引になりません」と対応される。職員への周知徹底、無人駅への券売機設置、くろ
しお鉄道の車掌に乗車してほしい等を、今後鉄道会社に申し入れる。当面の個人レベ
ルの対策として、高知駅での下車の場合は下車後の精算払いなら間違った対応をされ
ることはないようです。
●あはき19条問題
昨年11月に行われた各地の決起集会のうち、東京集会に正岡前副会長と井上奈美子
さんが参加。各団体が協力して取り組んでおり、竹下日盲連会長のわかりやすい情勢
報告があり、正岡前副会長が全視協を代表して閉会挨拶を行いました。
●重度障害者医療費助成
「実施している自治体には国から締め付けがある」という情報を聞いたが。→ 具
体例を挙げると、高知県では要求運動の結果、償還払いから現在は現物給付になって
いるが、実はこの対応に厚生労働省からペナルティがかかっていて、高知市は年に1
億5千万円と聞いている。高知県と同程度を維持できているのは少数で10自治体程度
。上限設定(月1万何千円くらいが多い)や所得制限が設けられている自治体が多い
。高知が維持できているのは、運動をしっかり行った結果である。
●街づくり
横断歩道などの道路の白線が薄くなっていて判別しづらい箇所が多い。電車通りの
横断歩道はほとんど薄くなっている(はりまや橋、大橋通、県庁前(特に東西)、上
町3丁目、旭駅前) 具体的な場所を上げていった方が対応してもらいやすい。水た
まりができやすい場所を具体的に高知市に直接連絡したら、すぐに直してくれた。
仁井田の中心交差点が歩車分離式信号になっていて、何度も危ない場面を見たこと
がある。早急に音声を付けてほしい。
●情報発信
みちしるべの原稿内容は、守る会ホームページに載せてあるので利用してほしい。
ホームページの通算アクセス数は、PC用が1万7千、携帯用が9千800件である
。
守る会メーリングリストのサーバーが今年の12月に変わる。移し替え作業は中平さ
んが行うが、各自のパソコンでのセキュリティ設定のしなおしが必要になる場合があ
るので覚えておいてほしい。
●親の会
親の会としてつながりは続けていくつもりである。学習会等はしばらく休むことに
している。
●特別支援学校の再編
知的障害特別支援学校の児童生徒数増加に伴う学校施設の狭溢化に対応するため、
県教育委員会は有識者による「あり方検討委員会」を設置し、検討を始めました。7
月から毎月1回、計4回の予定です。他の障害種である盲学校やろう学校も何らかの
関係が出てくる可能性はありますので、傍聴や教職員組合との連携等により注視して
いきます。
●自治体等への要望について
昨年の意見交換会の回答を受けて、また昨年末から3月にかけて会員に呼びかけて
検討会を行い、陳情内容の見直しを行ってきました。この陳情書をもとに高知県、高
知市への提出を7月10日までに予定しています。要望がある人は、2、3日中に出し
てくれるようお願いします。
今回の検討会には役員以外の参加があまりなかったので、来年に向けての陳情書づ
くりでは、検討会に会員から要望をしっかり出してもらい作っていくつもりである。
検討会は秋から春頃にかけて、会員誰もが参加できるよう呼びかけているので、要望
のある人は特に参加してほしい。
役員改選は、会長に井上芳史さん、副会長に藤原義朗さんと永田征太郎さんを、田
所次男さんから推薦があったことが選管の津野さんから報告され、各候補者について
拍手で承認されました。
続いて井上会長から各部役員が、役員会での検討の結果として以下のように発表さ
れました。
事務局長 井上芳史
事務局次長 生田行信
あはき対策部長 生田行信
学習部長 藤原義朗
自治体等対策部長 役員全員で対応する。自治体との窓口は当面井上会長が務める。
編集部長 役員全員で対応する。
機関誌部長(点字民報) 生田行信
会計部長 山葡C雄
レク部長 大野俊一
青学部長 永田征太郎
この発表に対し、「役員全員で対応とは、実質的に井上会長が1人でやることにな
る。役職は1人で偏らないように分け合って就くべきだ。従って次のように提案する
。自治体対策部長に藤原氏、編集部長に生田氏。」と意見が出されました。続いて「
先ほどのような意見が出た場合、このような場で特定の人に決めるより、再度役員会
の場で検討してほしい。」と意見が出され、議長からの「役員会で再度、検討をお願
いすることでどうか。」に対し、拍手で承認されました。
会計監査委員は議長提案案件で、北村みずほさん、大黒妙さんが拍手で承認されま
した。
最後に有光副会長から閉会にあたっての挨拶がありました。「どの役職もそれぞれ
にしんどいものである。1人に偏らないよう分け合って役員体制を作っていってもら
いたい。」
総会に引き続いて開かれた懇親会は、28名の参加で和やかに交流が行われました。
役員体制について、後日の役員会で再度検討した結果は次の通りです。
・自治体等対策部長 藤原さんを中心に、役員全員で分担協力してやっていく。自治
体との意見交換会の窓口は、この夏の交換会分まで井上会長が行う。
・編集部長 井上会長を中心に、役員全員で分担協力してやっていく。
以上です。
大黒妙
今年2月より、四国銀行でヘルスキーパーとして働いています。
私は平成23年度に盲学校を卒業し、高知市内のデイサービス施設に就職。7年近く
そこに勤務していました。そこでは、マッサージと機能訓練だけでなく、利用者さん
と一緒に歌ったり、ゲームしたり、食事の際の配膳やお茶出し、片付け、などなど・
・・。変化に富んでいて楽しい反面、弱視(視力0.04程度、中心暗転あり)の私には
難しい場面も時々ありました。介護の現場はどこも同じかもしれませんが、常に人手
不足でしたので、手が空いていれば私もよくかり出されていました。とにかく1日中
バタバタしていた気がします。
職場が変わって早半年、今は随分慣れましたが、いろいろな事ががらっと変わり、
当初はかなり戸惑いました。例えば、まず第1に、利用者さんの年齢がぐっと若くな
った、第2に、自分の部屋がありある程度自由がきくようになった、第3に、これが
最も大きいかもしれませんが、自分から声かけというやり方から来てくれるのを待つ
というやり方になった、などです。少しずつですが、行員さんの顔も覚え、私のこと
も徐々に知ってもらいつつあります。
ここ四銀には先輩である畠山さんが長年勤められていました。畠山さんが退職され
てから私が行くまで何ヶ月かブランクがありました。そのせいか、マッサージ自体無
くなったと思われていた方も少なくないようです。皆さん一様に「とても助かってい
た。辞められて困っていた。」「また次の人が来てくれて嬉しい。」と言ってくださ
います。
先輩の後を引き継いで、皆さんの期待に応えられるよう精一杯頑張ります。
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