みちしるべ
自治体交渉報告集 第255号

目次(ページ内リンク)
はじめに  藤原義朗
第1回(8月8日)  高知市  藤原義朗
第1回(8月8日) 高知県  永田征太郎
第2回(8月15日) 台風接近で中止
第3回(8月22日) 高知市  片岡義雄
第3回(8月22日) 高知県  生田行信
第4回(8月29日)  高知市  井上芳史
第4回(8月29日) 高知県  井上芳史
第5回(9月5日) 高知県  山崎辰雄
19年対県高知市交渉「夏の陣」を終えるにあたって  藤原義朗

はじめに


藤原義朗

 一昨年の守る会総会で、長年自治体等対策部長を務められてきた正岡先生が退任さ
れ、今年の総会でも部長が決まらず、18年、19年の夏の自治体交渉が部長不在で
行なわれました。
 「担当部長が無いことはいかん」ということで、藤原が自治体部長を担当すること
になりました。皆さんご協力を、よろしくお願いいたします。
 今年も交渉は、8月8日から毎週木曜日の午後1時から3時まで対高知市、3時1
5分から5時15分まで対高知県、9月5日は午後6時から8時まで高知県という計
画で行ないました。
 しかし、今年も昨年同様、台風に見舞われた第2回目の8月15日は中止となり、
その分を他の日に動かして行ないました。また、高知市役所新庁舎については、2回
も色モデルを用いて意見交換を行ないました。
 以下、交渉を担当された方から報告を記します。
 要望を守る会役員までお寄せください。

第1回(8月8日)  高知市


「まだまだ知らされていない、障害に関する情報でさえも」 藤原 義朗

 今年の対県・高知市との話し合いは、8月8日にスタートした。高知市では10名
の参加があった。

1.広報・議会だより以外もたくさん紙媒体は出ている。
 「あかるいまち」と「市議会だより」は、点字版、録音版(カセット・音声デイジ
ー)以外に電子メール版も発行されている。高知市で出している紙媒体は、制度案内
や行事案内など多数ある。どのようなものが出ていて、点字やメール化になっている
のは何なのかを知らせていただくことになった。
2.お城下バリアフリーマップ
 昨年3月に、墨字版が発行されているが、昨年は予算を構えていなかったとのこと
で、やっと今年7月末に点字版点図付きと音声デイジー版が出た。1年以上も経てば
街はすでに変わっているところもある。希望者に配布しているので、声と点字図書館
にご相談いただきたい。尚、「あかるいまち」にも広報していただくようお願いした


3.児童扶養手当
 子育て給付課としては、手当の手続き済みの人については、更新など案内をしてい
るとのことである。しかし、私たちは、今まで制度を知らず、手続きができていない
人へ情報を届けていただきたい、ということを求めているのである。「案内パンフは
市役所や窓口センターなどに置いています」との回答であったが、点字は出していな
い。新規に手当の対象になる方にダイレクトに伝えてほしいと、以前から要望してい
る。詰めが必要である。

4.新市役所
 トイレは男女別と多機能トイレ、また、西側は男女にもそれぞれ多機能トイレが整
備されている。オーテピアでは、建物内部が同じ色で統一され過ぎていて、どこの場
所に来たのか(弱視には)分かりにくい、などの意見も出された。
 そこで、階段の段端など、色彩変化を付けてわかりやすくする為に、8月22日の
交渉の場で、色サンプルを持参していただき意見を聞く場を持つことになった。

5.任期付短時間勤務
 別枠採用試験は、今後も続けて行きたいとのことである。尚、障害者雇用率を確保
するために始めた「任期付短時間勤務」職員採用試験を、今年も行う予定である。本
会からは、視覚障害者を雇う上で、力を発揮しやすくなるノウハウを勉強していただ
きたい事をお願いした。

6.増えてくる単身者
 今年の高知市営住宅の単身向け数は、障害単身者向け24戸、一般単身者向け192戸
、車いす単身者向けが21戸ある。競争倍率は一般が30倍、障害が10倍である。家主か
ら貸してもらいにくい視覚障害者、個数を増やしていただくようお願いした。尚、保
証人は、身内でなくても構わない。

7.あはき無免許対策
 地域保健課としては、警察と情報交換、協議を密に行いながらして行きたいとの事
である。その上で、それぞれの立場・役割を確認している。
昭和35年の最高裁判決を受けての厚生省通知「無免許マッサージの判断については
、この判決により何ら変更されることはない」なども確認し合っているとのことであ
った。情報交換していく事は、解決の上で必要なことなので、市民からも情報を届け
ていただきたいとの事であった。ホテル・旅館などへの通知についても、今年度も2
回行なっている。免許確認のための携帯型証明は、厚労省からの免許保有証と高知県
・高知市からの「施術所開設届け出済み証明書」があることも併記している。
無資格業者の書きたい放題の広告については、「治療効果を期待させるような表現」
が医療行政として「適切な対応を取る」目安との回答があった。目に余るチラシ等の
情報があれば、あはき対策部まで連絡をいただきたい。

8.肺炎球菌
 平成29年度より肺炎球菌ワクチンの予防接種案内が点字で出るようになった。ワ
クチン効果は5年以上続くそうである。また、風疹第5期の予防接種案内も今年度か
ら点字で出ている。本会からは予防接種の有難さやお礼などが述べられた。

第1回(8月8日) 高知県


音響信号機の新設は見送り
(8月8日・県)
永田 征太郎

 今年度の第1回目の県との話し合いが行われ、10名の参加があった。以下に主な
要望とそれに対する各課の回答及び議論の要点について報告する。

1.IT関連
 障害者対象のパソコン教室は須崎市・いの町で継続的に行われており、昨年度、須
崎市の教室に視野障害の参加者があった。パソコンボランティア養成派遣事業は合同
会社ビバーチェ・バンビーナへの委託、及びルミエールサロンにおいてスカイプを活
用した遠隔指導を行っている。
 パソボラ派遣回数の上限については、実施要綱上、年20回までと定めているが、昨
年度は最も多い人で21回の利用があった。総数では利用者10名、利用回数の合計が53
回であった。予算などの制約もあるが、利用回数については必要に応じて対応してい
きたい。
 視覚障害者がパソコン教室を受講するきっかけとして、実際に使えるようになるイ
メージや説明を行わなければ動機付けにはならないことを担当者が理解するよう、県
から指導することを要望した。

2.福祉サービスについて
 点字ディスプレイの日常生活用具としての適用に関しては、県内全市町村で認めら
れているとのことであった。日常生活用具の故障に関しては、耐用年数期間は原則本
人が修理をしなければならないが、修理不可能と判明した場合は市町村に相談してほ
しい。
 視覚障害単独での補聴器の申請に関しては、補装具に対応した身体障害者手帳の取
得が必須なので、聴覚障害の認定が必要である。
 磁気ループに関して、現状では、公共施設としてオーテピア1階の総合カウンター
、声と点字の図書館の受付カウンターに窓口用のシステム、4階・5階には床埋込み
式のものが設置されている。今後の予定としては、県民文化ホール(オレンジ・グリ
ーン)、市町村の議場に設置されるとのことだった。携帯型に関しては、高知市の障
害福祉課、小高坂更生センター3階の聴覚障害者情報センターで1台ずつ貸し出しで
きる。また、福祉交流プラザでは研修室Aと多目的ホールの利用の際に希望があれば
T型補聴器を貸し出しているそうだ。今後の設置個所も含め、実用的にするためには
T型補聴器の貸し出しが重要であることを伝えた。
 音声キッチンスケールについては平成30年3月の市町村担当者会で要望を伝えて
いる。
 小高坂更生センターの誘導チャイムについては、今年の3月16日から鳥の鳴き声
の音声誘導装置を稼働させている。時間は、平日は8時半から19時まで、土日・祝
日は8時半から17時まで作動している。私も通りがかりに聞いたことがあるが、以
前のチャイムより音量が下がっていること、周囲で本物の鳥が鳴いているときに混同
して聞き取りにくくなるのではないかという懸念を抱いているので、今後の検証が必
要だと感じた。
 太陽号の申し込みについては、まず予約を電話・ファックス・メールのいずれかで
行い、その後申込書類を提出することになっている。申請書類の提出はファックス・
メールでも可能であるが、代理人でも手続きが可能であること、利用券の購入で現金
を取り扱う必要があることなどの理由から、社共としては窓口を増やすことは考えて
いないとのことだった。支払いについては振り込みも可能にすることによって、現地
に書類を持参しなければならないという負担を軽減できないかという意見が出され、
社共に伝えてもらうこととなった。

3.雇用問題
(1)県職員関連
 県職員の雇用に関しては、ここ数年次のような取り組みにより、受験要件を見直し
て環境整備を行っている。
平成28年度〜:通勤の際の自力通勤を受験要件から削除、口頭による試験が難しい
場合は手話・パソコンによる表示の導入
平成29年度〜:回答方法にパソコン使用可
昨年12月の追加募集〜:受験年齢の上限を39歳に引き上げ、受験資格から「介護
者なしで業務遂行が可能な方」を削除
今年度の募集:試験案内の「受験の配慮希望」の例示として、「配慮のための付添人
の同伴の希望」などを表示
 法定雇用率に関しては昨年度2.07%であり、2.5%の基準を下回っていたため、追加
募集で障害者雇用を推進させたところ、今年の6月時点で知事部局が達成することが
できた(2.61%)。追加募集の結果、ワークステーションに1名の視覚障害者を雇用
している。障害者の業務を拡大させるため、雇用側の障害理解や研修が重要であり、
今年5月に高知労働局の就労支援担当者を招いて研修を開始した。研修には障害者が
所属する部署の課長、身近に接する職員の参加を呼び掛けている。障害の種別によっ
ても対応や配慮事項が大きく異なるため、視覚障害に特化した研修の実施も進めるよ
う要望した。
 視覚障害者の採用実績については、これまで知事部局に3名雇用している。今年度
の採用計画は3名の募集を予定している。全国の状況については、各自治体の規模や
条件面での差など大きく異なるため、優劣をつけて単純比較になったりしてはならな
いことなどから、調査できないとのことだった。
 雇用問題を解決するための視覚障害者を交えた委員会設立に関しては、他の障害者
との兼ね合いなどもあるため、現時点では考えていない。このような意見交換会のよ
うな場で協議を進めていきたいと考えている。民間企業で視覚障害者が実際にどのよ
うに働いているのか、県の職員が視察することを要望した。

(2)民間企業関連
 今年度、法定雇用率未達成の企業約220社を訪問し、雇用の要請を行っている。
また、テレワークを活用した職業訓練の実施などにも取り組んでいる。平成30年度
は全就職者数598名のうち、視覚障害者は14名(重度8名を含む)であった。企
業別の雇用率達成状況については、労働局に開示請求すればよい。

4.街づくり関連
 主に音響信号機に関する議論がなされた。
 歩車分離式信号機の状況については、県内で全84か所、そのうち音響装置がある
ものは34か所であり、半数を下回っている。音響装置の割合を増やすこと、斜め横
断する歩行者や自転車に対する指導を強化することなどの要望が出された。
 中の橋の信号機の音量、万々交差点の10時までの音響の延長は対応済みである。
 歩車分離式に限らず、横断時の音響を鳴らす時間は各信号機で調整できるので、電
車通りの長い方向など、渡り切るのに時間が短いと感じる箇所については、延長して
もらえるよう要望すればよい。音響装置の新設については、今年度、既設の信号機の
老朽化対策が急務となっており、予算的に新たな設置は困難である。昨年度新設した
4か所については、後日情報提供してもらうことになった。地域住民の声で音響が止
められるケースがあるが、地域への理解の推進や苦情が出にくい新たな音響の開発な
ど、解決に向けた意見が多数出された。また、押しボタンの位置を知らせる音(ププ
ッ)や押しボタンを押した際の音(ピピピピ)など、以前は正常に鳴っていた信号機
で音が出なくなっている箇所が存在するため、点検・補修してもらうよう要望した。
 エスコートゾーンについては、横断歩道の補助的役割の目的で設置されているため
、電停に向かって誘導する目的としては別の手段を検討しなければならない。また、
電停上の誘導ブロックについては、管轄であるとさでん交通に要望する必要がある。
 旭町近辺の車の電車軌道内走行については、道幅の拡大などの整備が進み、その必
要性がなくなったと判断できるようになってから全面的な規制をしたいと考えている。

第3回(8月22日)高知市との意見交換会


片岡義雄

1 参政権について
市選挙管理委員会からの回答。
 ○ 市選挙管理委員会が所管する選挙については,告示後速やかに立候補の状況及
び選挙公報の内容を市選挙管理委員会のホームページに掲載している。また,電話で
の問い合わせにも対応する。
 ○ 点字版の選挙公報に代わるものについては,前回実施の市長選挙で発行した。
一方,市議会議員選挙では立候補者の数が多いことや,告示日から選挙期日までの期
間が短いことから,困難である。
 ○ 期日前投票について、点字器は各投票所に設置している。また,点字の候補者
名簿についても,早期配布に努める。
 守る会からは、ダウンロードできる文書や音声データの形式についての質問が出さ
れました。
 また、市議会議員選挙のお知らせの音声はデイジーまたはカセットを希望により送
っていただけるとのことです。

2 防災対策について
(1)防災対策部防災政策課の回答
 ○ 復興計画策定に関する組織等については要配慮者の方々の参画を促進していく
。事前にできる取組のひとつとして各地域で行われている防災訓練等に参加していた
だきたい。日頃から皆さんのご意見を地域の方々等に知っておいてもらうことで,発
災時に皆さんの意見がスムーズに反映できることに繋がっていくものと考える。
 ○ 災害ハザードマップは,地震・津波,土砂災害,洪水の4種類がある。このう
ち地震ハザードマップについては,デイジー端末で再生可能なCD−ROMを平成23
年度に作成し,防災対策部及びオーテピア高知声と点字の図書館に配置している。
 その他のハザードマップについてもデイジー版の作成を進めるため,昨年度から予
算要望を行っているところである。
 ○ 防災対策部に電話いただければ各種ハザードマップやご自宅の被害想定・避難
所などの情報を提供できる。テレビ・ラジオ局と災害時における協定を結んでいる。
大規模災害時には「臨時災害放送局」を開設し,生活情報,防災情報や支援情報等を
伝えることができる様、計画を進めている。
 ○ 障害のある方々への情報提供の実態や東日本大震災や熊本地震等の避難所運営
での問題点を検証しながら,災害時における生活再建のための物資の配給や金融制度
の周知方法等についても具体的な流れについて研究していく所存である。
 ○ 視覚障害者を含む避難行動要支援者の方々の支援については,当事者やご家族
の皆さんのご意見も伺い,障がい福祉課とも協議し,取組を進めていく。
 ○ 平成30年7月からは高知県が「ヘルプマーク」の配付を始めている。「ヘルプ
マーク」は,突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な方に周囲の人
が声をかけるなどの配慮を求めるためのサインで被災時にも役立つことが期待される
。高知市では,障がい福祉課や健康増進課で希望者の方に無料で配付している。
 守る会からは
 1 ハザードマップを立体図形で
 2 災害時の放送協定について
 3 ラジオの普及について
 4 放送内容について
など出されました。
 これに対し
 「小回りの利く地方のfm局と協定の締結を急いでいる。
 もちろん、全国中系の局にも情報を流してもらう。
 こちらの知らない医療情報や問題点についてはその都度連絡してほしい。」等と答
えました。
(2)地域防災推進課の回答
 ○ 安全な場所への誘導に関しては、大規模災害発生直後において,行政や関係機
関の活動には自ずと限界があるので、地域の方々の協力により,その安全を確保する
ことが最も重要であると認識している。要支援者の安否確認や救出方法等を事前に定
めておくことが必要であり,その活動を具体化するため,各地域関係組織における要
支援者名簿の情報共有や個別の避難支援計画の策定に取り組んでいるところである。
 ○ すべての要支援者への同意確認を行い,30年度から本格的に名簿情報の提供を
進めてきた。30年度末時点では,14自主防連合組織及び5単位自主防災組織等に名簿
を提供し,関係者による個別計画策定を支援している。なお,自主防災組織などの地
域の活動に参加することによって「顔の見える関係づくり」を行うことも重要ですの
で,こういった活動への参加の働きかけをお願いしたい。
 ○ 津波避難困難地域において津波避難タワー9基・津波避難センター3棟の整備
を行うとともに,自然地形の高台などへの津波避難路を240箇所の整備を行い,平成2
8年3月末で一定完了いたしました。津波避難ビルについては,7月31日現在,318施
設を指定し,収容人数は267,669人を確保し、更に指定を推進し避難先の多重化を図
っている。また、これらを活用しての訓練を実施し、問題の洗い出しを図っていく。
 ○ 防災関係図書の一つに,高知県が作成した「南海トラフ地震に備えちょき」が
あり、発災直後の「命を守る」取組から,復旧・復興に向けて「生活を立ち上げる」
までの流れを網羅している。音訳版が高知県のホームページからダウンロード可能で
ある。また高知市のハザードマップについては視覚障害者もわかる媒体で整備できる
よう関係各課と連携し,研究してまいりたいと考える。
 ○ 本市では「高知市避難行動要支援者の避難支援プラン」に基づき,災害の種別
ごとに避難支援方法を明確にして個別計画を策定することとしている。
 ○ 視覚障害者のための避難訓練については自主防災組織など地域住民の協力が不
可欠であり,地域全体として今後の実践的な取組に参加していただくことが大切では
ないかと考えている。
 本市の避難行動要支援者対策を進める中で,障害のある方の支援について検討を行
い,実際に避難訓練に参加いただくなどの取組を進めている地区もあります。地区に
よっては,それまでの検討内容を反映させた訓練を行い,避難訓練後には参加者に対
し要支援者への支援を行うための知識や技術についての講習会,また車イス操作に関
する講習会なども開催している。
 ○ 災害救助法の対象職種については国あるいは県が判断する。
 ○ 要支援者のための個別計画は自主防災組織や関係機関とも連携しつつ必要な支
援体制を構築して行く。
 ○ 要支援者への支援に関する講習会等を自主防災組織の避難訓練後などに開催し
ている。
 ○ 福祉避難所については,一般の避難所での生活が困難となった方に対応するた
め開設するとともに、必要な生活相談職員等(介助員など)の配置を行うことなど検
討している。なお、旭の障害者福祉センターは平成23年より福祉避難所に指定して
いる。
 ○ しかしながら,障害種別に応じた特定の技量をお持ちの住民の方を生活相談職
員、又はサポーターとして事前登録したとしても,大規模災害発生時にどれだけの方
が支援可能か不明確であることも想定されますので,状況に応じた対応となることを
ご了承いただきたい。
  守る会からは
 避難訓練の段階でもうすでにコミュニケーションが取りにくく「置いてきぼり」に
なることがある。
 「まだまだ十分ではないが、これから検討していきたい。」と答えました。
 「まずさしあたり誰に話しかけてくれているかわかるようにしてほしい」との希望
も出されました。
 また、移転状況や携帯電話の番号など個別情報が変わることが予想されるが名簿の
チェックは。
 「年に1回程度、4回程度がのぞましいと考えている。」と答えました。

3 読書権について
 教育委員会 図書館・科学館課の回答
 ○ 事業主体は声と点字の図書館で、平成30年2月から春野分館において対面朗読
サービスを開始した。
 ○ 平成30年7月にオープンしたオーテピア高知図書館では対面音訳室を3室設置
している。
 ○ 図書館は各館の運営方針に基づいて運営されているので,対面朗読についても
各館の判断で実施されている。
 ○ 耐震補強工事中で令和2年度に供用開始予定の潮江市民図書館では,耐震補強
工事に合わせて,対面音訳室を1室整備する予定。
 ○ 大活字本については,平成30年度に175冊購入し,30年度末時点の所蔵総数は4,
391冊となっており、これらの本はオーテピア高知図書館・分館・分室とも、なるべ
く入り口近くに配架している。
 ○ 現在、カセット文庫の所蔵数は,1,775点で、CDの所蔵数(春野市民図書館
分も含める)は10,515点で,うち,朗読CDは642点である。平成30年度の朗読CDの
購入実績は43点となっている。
 ○ CDについては,朗読CDを含め,娯楽として楽しめる落語や浪曲,狂言など
のCDも購入していきたいと考えている。 ○ 電子ブックについては,県立図書館
主体で「電子図書館」事業を開始しており,オーテピア高知図書館でも継続実施中。
 平成30年度の実績は購入タイトル数897タイトル(累計1,510タイトル)である。ま
た、登録者数は1,017人(平成30年度末までの累計登録者数)・閲覧回数 4,090回・
貸出回数 1,490回である。
 ○ 著作権法改正や読書バリアフリー法の趣旨を意識し,大活字本・LLブック等
の活字資料や,朗読CD,音声ガイド・字幕付きDVD等の視聴覚資料などの,市販
されている障害者向け資料を積極的に購入している。また、障害に応じた利用のしや
すい書籍・電子書籍の充実や利用環境の向上等,施設のメリットを活かしながら,声
と点字の図書館,県立図書館,市民図書館本館で連携・協力し,一体的にバリアフリ
ーサービスの充実に取り組む。
 ○ オーテピア高知図書館では、3階の健康・安心・防災情報コーナーで障害福祉
分野の図書や雑誌を集中的に揃え,障害のある方にとって重要な医療や社会保障関係
の図書や雑誌を揃えている。また,「障害者の雇用」や「ユニバーサルデザイン」な
ど,障害者に関わる課題は広汎な全分野に関係しますので,他の分野からも適切なア
プローチ案内ができるように,ブックリストを作成するなどの工夫をしており、円滑
に使用するための視覚障害者を対象にした講習会を実施する。
 ○ 図書館の協議会委員としては,高知市身体障害者連合会の会長に委員に就任し
ていただいている。
 ○ 情報障害者のみなさまとは,声と点字の図書館と連携して,今後も様々なご意
見をいただく機会を設けながら事業を進めたいと考えている。
  守る会からは
 オーテピアと春野の分館の休日の状況は。
 答え
 春野分館は祝日が休館、オーテピアはよさこい祭のときに休館。
 視聴覚ライブラリーはどうなっているか。
 答え
 オーテピアの中の「視聴覚コーナー」として内容の充実を図っている。
 点字の目録はないが検索は可能である。

8月22日(第3回) 高知県との意見交換会 報告


〜健康パスポートを有資格者の味方にしよう!〜
生田行信

担当の片岡義雄さんと生田を含め5人の参加でした。
要望分野と担当部署は次のとおりです。
《あはき関連》
無資格者問題:医事薬務課、県警生活環境課
健康パスポート:健康長寿政策課
《参政権》市町村振興課
《医療》国民健康保険課
《街づくり》県警交通指導課、障害福祉課、交通運輸政策課
以下、特徴的な内容を報告します。

●無資格マッサージ問題
 書きたい放題の無資格業者の広告については、「治療効果を期待させるような表現
」が医療行政として「適切な対応を取る」めやすとの回答がありました。目に余るチ
ラシ等の情報があれば、あはき対策部まで連絡してください。

●あはき施術で、健康シールを要望
 無資格者問題を解決する運動は2本の柱、1つは無資格者に対する指導、取り締ま
りを適切に行わせること、2つめは有資格者でなければ得られないメリットを充実さ
せ差別化を図ることです。この2つめの具体としては、療養費や国保等の施術補助券
などがありますが、私たちは今回、健康増進行動を取ったときにもらえる健康パスポ
ートのシールの対象に、あはき施術を加えるよう要望しました。
 現時点での県の回答はゼロ回答。理由は、シール対象の「健康増進行動」とは、運
動、食事等の生活習慣など「自ら行う」ものとしている。健康診断は対象だが、その
後の治療は対象としていない。あはきの効果や役割は認識しているが、それは治療行
為と考えているので対象ではない。あはきを都合によって医療と見たり、医療の周辺
に置いたり、部署ごとに都合のいい捉え方をする、行政によくある姿勢が出ました。
あはき施術の理念である「未病を治す」は、健康パスポートの健康長寿県というそも
そものねらいにピッタリ当てはまる健康増進の積極行動ととらえてもらいたいもので
す。無資格者との差別化のためにも、大事なメリットになるよう実現を目指します。

●街づくり
 今回、回答のあった内容は、点ブロや音響信号機のように行政が直接改善するとい
うものではなく、一般市民に啓発や指導を行って改善されていく内容についてでした
。例えば、自転車の走行マナー、アーケード街での看板や商品の路上設置などです。
回答を聞く限り、行政や警察は、お店や一般市民に対し啓発や指導を行ってくれてい
ます。実情は「もう安心」とはなっていないので、継続して要望していくことが大事
です。意見交換会の場で担当者から具体的な場所を聞かれることが多いです。夏の交
換会を待たずに具体の箇所を伝えることも効果的と思いますので、役員までお知らせ
ください。

●民間事業者のバリアフリー
(とさでん交通、JR、タクシー)
 民間事業者が取り組む必要のある内容については、県や市からそれぞれの会社に連
絡し、回答を交換会の場で代読してくれるのですが、内容についてのやりとりはでき
ません。「実際にはそうなってない」場合などは、直接正したいのですが残念です。
例えば「堺町バス停の4つの系統に点字シールを」はとさでん交通に貼る場所の提案
も含めて、JRとくろしお鉄道を続けて乗車する場合の障害者割引はJRに等、今後
は直接事業者に要望することも大事だと感じました。

第4回(8月29日)  高知市


「消費税引き上げに伴い福祉タクシーチケット増額になるかも」
井上芳史

 29日の高知市との交渉は10名の参加で行われました。
1.声と点字の図書館:三者懇談会は人が多く集まるイベントに合わせて行う(ルミ
エールフェスタなど)。視覚障害者を対象とした電子書籍の研修は音声読み上げに対
応している[キンブル](アプリ)を使って今年度中に実施したい。選書会はどのよう
な形で行えばよいのか検討したい。視覚障害者向けパソコン教室は図書館・障害者福
祉センターでそれぞれのニーズに対応した講習を行っていく。デイジーのCDケースに
点字が貼られていない時には申し出てくだされば点字を貼りたいと考えている。

2.元気号の高速道路の走行:元気号は社会参加応援バスとしてガソリン代を請求し
ないで運営している。タクシーのような有料ではなく自家用車の形をとっている。利
用する団体が高速道路代を負担する形をとれば道路交通法違反となってしまう。国の
法律を変えないことには高速道路を利用できないという事です。

3.市役所新庁舎の階段について:実際に階段の材質と段端のカラーテープを持って
きて検証しました。東側の階段は木の素材で黒色の段端が分かりやすかった。西側の
階段はダークブラウンのカーペットを敷いていて黄色の段端がわかりやすかった。た
だ、段端の色の変化のテープ幅が2cmと狭く、広げてほしいと要望しました。
 会員外の参加者がいましたが、言い争う場面もあり、要望書を読んできてほしいと
思いました。

第4回(8月29日) 高知県


「啓発活動もせずに対面朗読の利用者が0名だった」
井上 芳史

 29日の15時からは県との交渉で8名の参加がありました。
1 オーテピア:県内で対面朗読を実施できる市町村は南国・宿毛・土佐清水でした
。利用者は0名でした。館長さんは公報などによる啓発もせず、視覚障害者が情報障
害者であることを知らないのてしょうか。実施できる市町村に住んでいる方はよろし
ければ対面朗読を受けてください。

2.防災:災害要支援者には災害時の個別計画を立てることになっているが、5万人
に対し約7千人(約12%)と報告がありました。いつ起こるかわからない南海トラ
フ地震それぞれの市町村で計画が立てられているか確認してください。

3.特別支援教育課:盲学校では研修を行い専門性を養っています。と視覚障害者の
センターとして継続すると回答がありました。寄宿舎の敷地にあった自活訓練棟を壊
して寄宿舎内に施設を作るなんて無駄なお金を使い、自活訓練棟があった時には夏休
みなどに泊まって通勤の練習や病院実習、デイサービスでのマッサージ実習を行って
いましたが、寄宿舎内に施設ができても夏休みなどに使えるのかと聞くと使えますと
課長は答えました。

4.選挙公報の点字化:さんさん高知の公報課の方が、今年の2月号か3月号に載せ
ましたと話がありました。それは選挙公報ではなく、県議選がいつ実施されるのかや
区割りを記載したものでした。選挙公報が何なのか何もわかっていない。というか、
適当にやり過ごしたのかもしれません。

第5回(9月5日) 高知県


福祉サービスの充実を求める
山崎辰雄

 9月5日(木)に県障害福祉課との意見交換会が9名の参加で県庁正庁ホールにおいて
行われましたのでその概要を報告します。

●県営住宅の障害単身を増設してほしい
 現在高知市(南国市も含む)には12戸が障害単身用としてあり、うち2戸(春野)が空
きである。新たに増設することは考えていないようで、既存施設のバリアフリー化や
民間の空き家の斡旋・活用などを市町村と連携しながら検討していきたいとの回答で
した。

●高齢障害単身者の施設等入所時に行政が身元引受人になってほしい
 行政が契約の際に身元保証人になることは難しい。特に困窮している場合は支援団
体を紹介するなど支援していきたいとの回答でした。生活の根本である住居問題なの
で今後も行政の対応を求める継続した要望が必要であると思いました。

●福祉サービスの充実について(総合支援法・介護保険関係)
 契約書やケアプランなどを見え方に応じ各種媒体で提供することについては、大活
字やメールなど対応可能なものもあるので、まずは各事業所に相談をしてほしいとの
回答でした。行政は事業所を単に指導するだけでなくチェックを行い、事業所毎にど
のような対応が可能か当事者に情報提供してほしいなど意見が出されました。
 相談支援にあたる担当者の資質向上については、障害全般にわたる一般的内容から
コース別やスキルアップ研修など研修カリキュラムも改善していきたいとの回答でし
た。当事者の生の声を聴く機会をつくるなど、視覚障害に詳しい人材の育成を求める
意見が出されました。
 要介護度や障害支援区分の認定に際し視覚障害者が不利にならないような対応につ
いては、担当者の資質向上を目的とした研修の実施など一般論としての回答内容でし
た。視覚障害に詳しい専門家に審査員になってほしいや視覚障害の状況を正確に判定
できるよう区分の中身を検討するよう国に働きかけてほしいなどの意見が出されまし
た。
 契約書や重要事項説明書また領収書などを見え方に応じた媒体の提供については、
各事業所の力量に応じた対応になるが、県としても情報提供などサポートを行い支援
していくとの回答でした。データでの受け渡し(メール)は可能とのことです。
 コミュニケーション支援事業で音訳者や読み書き者派遣は、手話通訳者と同様に無
料で実施可能であり市町村に周知していくとの回答でした。
 くすのき荘の入所者が外出の際にも同行援護を利用可能となっている旨の回答があ
りました。利用者への周知徹底についてお願いをしました。
 視覚障害の生活訓練の実施状況として、指導員をオーテピアにも1名配置し、昨年
は40名に対し延べ180回実施したことが報告されました。

●防災対策について
 防災関係の書籍や資料の点字や音訳版など各種媒体の充実については、「南海地震
に備えちょき」は点字や音訳版を発行しているとの回答でした。今後、地震学などの
専門書についても充実していくよう意見が出されました。
 災害時の精神不安に対しては、ディーパット(災害派遣精神医療チーム)派遣などに
よる心のケアを含め、人材育成や啓発活動を通して進めていくとの回答でした。

●消費者トラブルに陥った際の支援については、障害福祉課が窓口となり消費生活セ
ンターなど専門機関につなぐなどの調整を行うとのことです。

19年対県高知市交渉「夏の陣」を終えるにあたって


藤原義朗

 まず、交渉に参加された方の人数ですが、
8月8日 高知市10名、県10名 (実人数11名)。
 15日 台風接近の為中止。高知市からは回答文が出ていますので意見質問文を提
出。
 22日 高知市5名、県5名、(同5名)。
 29日 高知市10名、県8名、(同10名)。
9月5日 9名
 延べ、35名でした。
 台風で1回飛んでしまいましたが、延べ参加者数の最高は2016年の63名です

 先日、別件で県の職員さんと会いましたが、会の理論力、人数をよく見ておられま
す。
 来年さらなる皆さんのご参加をお願いいたします。

 以下、今年の成果を記します。
●高知市広報「あかるいまち」の電子メール版の文字化けがなくなった。
●高知市お城下バリアフリーマップの点字版、CD版が発行された。
●日本生命ビルの生活相談支援センターまで点字ブロックが敷設された。
●高知市新庁舎建設に関して、階段の段鼻や手すりが見え安くなるようコントラスト
に 工夫が施された。
●音響信号機の音が絞られている所が改善し大きくなった。
●バス停横の点字ブロックの電柱や電話ボックスなど障害物が取り除かれた。
●社会参加応援バス「太陽号」の手続きが、ファクスと振替で出来るようになった。
●高知市タクシーチケットの増額が図られた。

【出来事】
(その1)8月7日の高知市交渉で、「市で出している発行物について、どんなもの
が出されて、その内点字や電子メールになっているのは何か教えてください」と、お
願いした。
 「『市議会だより』と『あかるいまち』は、点字、音声、メールでも出ています」
と、発行されている物の繰り返し答弁であった。「のちの話し合いの時に、説明する
」との回答であった。しかし、最後までその説明はなかった。そればかりか、後の交
渉の際、「児童扶養手当の説明パンフは市役所にも、窓口センターにも置いてありま
す。」「点字は?」「出ていません。人事課任期付き短時間勤務障害者枠については
、募集要項を窓口に置いています」「点字は?」「「ありません」と、いうように障
害のある人に直接関係する手当や募集要項さえも、知らされていないことが明らかに
なった。

(その2)私たちは選挙公報の点字版や音声に乗る電子版を求めている。
 しかし、「選挙公報の点字化、メール化を」と言うと、「画像印刷と公平でない」
と言われかねないため、私たちは「選挙公報に相当するもの」を発行してくださいと
いう文言で当初より運動している。
 22日選挙管理委員会から「県議会議員については選挙期間が短く、点字印刷発行
する間がない」とのことであった。しかし、29日には、広報公聴課より「さんさん
高知3月号で点字版、音声版、電子版を出しています」とのことであった。読み返し
てみると、「高岡郡選挙区が分かれます。県議会議員の選挙における選挙運動用ビラ
配布解禁」という選挙公報とは全く違う内容であった。
 県職員も、要望項目を理解して話し合いに臨んでいただきたいものである。

(その3)任期付短時間勤務職員
 先にもあげたものであるが、昨年より始まっている。
18年「あかるいまち」10月号より抜粋
「公試験区分…任期付短時間勤務職員(事務U)※障がい者対象
一次試験日…11月18日(日)
受付期間…10月26日(金)〜11月9日(金)
試験案内は10月26日(金)から配布
 受験資格等については、試験案内でご確認ください。また、人事課のホームページ
でも閲覧・ダウンロードできます。
配布場所…市民案内(丸ノ内仮庁舎1階)・人事課(本町仮庁舎3階)・各ふれあいセ
ンター・各地域の窓口センター」
 と、いうものであった。
 昨年は守る会でも対応できなかったが、交渉をする中でこのような制度も知り、ま
た、「障害者対象試験なのに、点字案内がない」ことも明らかになった。やはり、話
し合いをしっかり持つことが必要だと感じた。
 尚、10月31日の守る会拡大役員会の場に、人事課長さんが試験概要についてお
話に来てくれます。11月1日より募集開始とのことです。
 最後に、意見箱に意見の多い施設は成長するといわれますが、更なるご意見ご要望
を守る会役員までお寄せください。



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