みちしるべ
第258号
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第54回守る会総会(2020年度)の報告 生田 行信
全視協全国委員会報告 井上 芳史
「安芸市でも対面朗読を」と対市交渉 安芸 くみ子
「東南アジアの視覚障害者の現状とどこでも読み聞かせ隊アーク」の活動
県内の声と点字の広報 高知県内で7市です。
生田 行信
本来なら6月7日に開催予定であった今年度の総会が、新型コロナウイルス感染拡
大の影響で延期となっていましたが、感染状況も落ち着いてきたことから9月27日
(日)に行うことができました。会場は例年どおり高知市障害者福祉センター、総会
は賛助会員や会員外の方も含め36名、交流会25名の参加でした。窓を開放、机と
椅子はお互いが向き合わない教室方式で行いました。
総会に先だって、藤原自治体対策部長を講師に「車両移送と移動保障」ミニ学習会
を行いました。福祉有償運送、日常生活支援総合事業、デマンドタクシー、道路運送
法78条3号「ぶら下がり許可」の4つの方法が紹介されました。人工透析を受けた後
の体調が不安定な時の移動に福祉有償運送を利用して安全な移動に役立っている例や
、高知市内の鏡や土佐山地区ですでに稼働しているデマンドタクシーなど、具体的に
イメージできました。当日参加できなかった方は、レジメと資料がありますので藤原
部長にお問い合わせください。点字民報2020年4月増刊号「車両移送」(藤原理事執
筆)にも詳しく書かれています。追加販売もしています。
続いて永田副会長の進行で「開会セレモニー」が行われました。開会にあたって井
上会長から、延期していた総会をこのように多くの会員や関係者の参加で開催できる
ことを嬉しく思っている。コロナに伴ういろいろな支援策が予算化されているが、知
らなかったで損をすることや手続きの煩雑さ、内容の不十分さがあるかもしれない。
会としても周知していきたいし、改善に向けた要求運動につなげていきたい。今日は
、率直な論議をお願いすると挨拶がありました。全視協山城代表理事からのお祝いメ
ッセージを山楓L子さんが代読披露した後、賛助会員の堀内泰子さんの娘さんで、高
知県立盲学校出身の堀内佳美さんから挨拶がありました。コロナの影響で現在タイか
ら帰国中とのことで、自己紹介とタイでの活動について紹介してくれました。タイの
視覚障害者の仕事は、マッサージ、宝くじ売り(視覚障害者には一足早く安く売り出
される)、街角で歌う、占いなど。複数こなして生計を維持している人が多く、1つ
の業種ができない状況になっても、他の業種でカバーしているようだとのことです。
もっと聞きたいとのリクエストに応え、11月3日(祝)にあらためてお話を聞く場
を設けることになりました。現地での図書館活動や幼児教育支援についてもお話し頂
きます。
議長には浜口誠一さん、記録に生田が選ばれ拍手で承認されました。総会は現在の
正会員数52人に対し、出席者28人と委任15人を合わせて過半数で成立し、さっ
そく議事に入りました。
まず2019年度活動報告が各担当部長から、会計報告を山附熕ュ部長、監査報告が北
村みずほさんから、2020年度の活動方針(案)が一括して井上会長から、同予算案が
山附熕ュ部長から行われ、活発な議論の後、拍手で承認されました。
当日の質疑の概要を報告します。
●図書館
選書やその方法について課題があったが、選書会が設置されることになった。選書
委員になりたい方は個人として立候補できる。
対面音訳が土佐市や香美市など高知市以外でも少しずつ広がってきているが、安芸
市はまだ実施できていない。地元で要望するとともに、県立図書館は市町村に対し促
す役割もあるので、県立にも要望することが大切。守る会としてもいっしょに動いて
いきたい。
●音響信号機
近隣住民との関係で十分に鳴らされていないケース(音量、時間帯)がある(小津
神社前、旭町3丁目、田野町)。新聞報道もされたが、その後状況は改善していない
。苦情の具体を警察は教えてくれず対応を取りづらいので、マスコミに取材を進めて
もらうなど別のアプローチを考えている。
●同行援護
同行援護を受けたいが、どこの事業所も「人がいない」と言われて必要なときに利
用できない。事業所も養成費が負担になっている。同行援護ヘルパー養成事業に補助
制度が必要である。単価が低いので、事業所にとって実施しにくい点もある。ヘルパ
ー単価全体をアップする運動が必要である。
●国勢調査
全盲の人がネット回答を希望して、市役所からアクセスキーなどのメール連絡をお
願いしたが断られた事例がある。神奈川の田理事や藤原部長のように教えてもらえ
た人もいる。対応がまちまちなのは問題なので、担当部署に連絡し改善を求めていく
。後日「メール連絡可能」との回答を得たが、次の調査は5年後なので庁内でしっか
り引きついで頂きたいものである。拡大文字版や点字版、音声でより回答しやすい専
用ホームページなど、色々な方法があることをそもそも知らされていない。事前に知
らせてほしい。
●知的障害特別支援学校の狭わい化対策
学校新設運動に、障害種を超えて守る会も賛同団体になり運動に協力している。特
に署名活動では、100筆を超える点字署名も含め1000筆以上を集めた。県教委は「ス
ピード感を重視する」として、移転後の江の口特別支援学校の施設を利用する案(高
等部と中学部で50人規模の分校、寄宿舎は設置しない)を7月に県議会に提案した。
この分校案は課題が多く、その改善を求める運動とともに、引き続き抜本対策として
の100人規模の学校新設を求める運動に取り組んでいる。
●山風搆bさんから挨拶と報告
娘、音十愛は盲学校の高等部1年生になり、おしゃべりがたくさんできるようにな
った。昨年、1年間寄宿舎に入ったことで、1人で待つことができるなど親離れが進
み始め、他者との関係性を意識できてくるなど、ずいぶん成長してきている。事業所
については、障害の重い子どもを持つ親への支援がもっと必要と感じている。18歳
で学校を卒業した後の生活、成長の場が必要と考えている。今後もご支援をお願いす
る。
全ての議事が終了し議長解任の後、永田副会長の締めくくりの挨拶で総会は閉会し
ました。
交流会は総会会場から場所を移し、デザインカレッジ向かいの喫茶クレイトで25名
の参加で行いました。田所次男さんの紹介のお店で、コロナ対策と視覚障害者配慮と
して、料理を全て一人ひとり食器に分けて提供してくれました。マスターが1人のた
め、いつもはお客さんだという女性の方が手伝いに来てくれていました。ありがとう
ございました。
井上 芳史
10月18日にズームを使っての全国委員会が行われました。パソコンや電話など
を使ってのオンライン会議は初めて、10時に開始が40分遅れとなりました。前日
に試験会議を行っているにも関わらずスムーズにはいかないものですね。
1.全視協事務所外装工事:昨年の台風で1階に漏水が起こった。昨年の10月の
全国委員会で報告。今年の5月の委員会で決議されて着工という予定だったが、新型
コロナの影響で委員会は開催されなかった。理事会で検討して工事を着工、8月末で
工事は完了となりました。工事費用は約600万円でした。討議の結果、募金は1口
1000円とし、21年6月の社員(地方組織)総会を第1次締め切りとする。報告
は社員ごとに点字民報で口数を報告する。私たちの運動の拠点を守るためにもご支援
、ご協力をお願いします。
2.押印:内閣では押印をなくして書類の簡素化をしてはと進んでいます。押印が
なくなるとサインを求められてくる可能性があります。全視協執行部としては様子を
見ながら運動していく。
オンライン会議は初めてなのでパソコン操作がよくわからず、意見を言うこともで
きませんでした。「音響式信号機が設置されたのに住民の反対で音が鳴っていない、
全視協として住民向けのチラシを作ってほしい」と発言しました。次回の全国委員会
はは来年の2月14日(日)にオンラインで行います。
直接話すことが改善のステップ
--とさでん、土佐国道事務所との
話し合いから--
自治体等対策担当 藤原 義朗
交通機関など地方自治体以外への要望は具体的に伝える必要がある。昨年は、とさ
でんとJRであったが、今年の第1弾として、
10月28日に高知市社会参加応援バス「元気号」に乗って、とさでん(株)と土佐
国道事務所へ行った。参加者は5名であった。
1.とさでん
@鏡川橋から向こう(西方面)、知寄町から向こう(東方面)、など単線区間での乗
り降りは恐ろしい。電車の右側のドアを開けて降車させてほしい旨要望したが、構造
的に右側は開けないしくみだそうだ。「視覚障害者が要望したらエスコートして歩道
まで誘導してもらえることになった。
Aブロックボイス 堺町バス停など、4つの経路に分かれた乗り場がある。点字図書
館の受付付近にあるセンサー感知による音声案内や、点字ブロックを踏むと鳴るブロ
ックボイスによる案内を求めた。設置費と維持費がかかるので、補助金の制度など研
究してゆくが、運動団体でも要望してほしい旨話があった。
B乗車時、「ですか」や整理券の場所が右か左か分かるシステムについては、自動音
声案内の設置は難しい。運転手が白杖のお客さんを見かけたら右か左かアナウンスす
るよう職員教育していただくことになった。
C車内放送は、コロナの関係で窓をオープンにしているので聴こえにくくなっている
。マイク案内は聞こえやすい。直接アナウンスをしてもらうようお願いした。
D最終の電車・バスが通ったかどうか分かる仕組みについてはハード的には難しい。
直接とさでんへ電話してもらいたいとのことであった。
バス 088−882−0119
電車 088−833−7121
※バス電車について、気付いたことは細かいことでも直接連絡してもらいたいとのこ
とであった。
2.国道の点字ブロック
@電鉄ターミナルビル前からバスに乗る際、何台も重なり乗れなかった。という話が
ある。どこで待ったらよいか分からない。国道の歩道からターミナルビルフロントま
で点字ブロックで結んでいただくことを求めたが、とさでん側も「来ていただければ
案内します」とのことであった。土地はとさでんと国道にまたがっている為、双方で
話し合っていただくことになった。
尚、ビルは朝5時30分から開いているが、職員対応は8時からである。
A点字ブロックの摩耗対策
大橋通電停交差点の北側の東西ブロック、つまり、アーケードの入り口の点字ブロッ
クが摩耗している。オーテピアで勉強してから電停に向かう際、点字ブロックに気づ
かず道路に飛び出したケースも多くある。
数年前から陳情してきたが、改善はされていなかった。「点検、修繕はしてます」と
の回答であったが、摩耗には気づいておらず改善してもらうことになった。
以上のように、直接話し合いを持つことで改善への糸口がつかめた交渉になった。
安芸 くみ子
守る会の総会で、対面朗読の声を出したところ、とんとん拍子に話が進んでいった
。
まだ私は、対面朗読の経験がなかったため、すぐに正岡さん、藤原さんの対面朗読
を見学させてもらいました。
藤原さんが市長あてに要請文を作って、アポを取り、10月20日 教育長、生涯学習
課長とお会いしました。
高知市から正岡さん、藤原さん、娘さんが介助ヘルパーで参加、田野町から山崎さ
ん夫婦、安芸市から私と、千光士市議と7名が出席した。
安芸市で30年ほど前、対面朗読を希望した人がいたことを藤原さんが話してくれた
。
「対面朗読とはどういうものか」と、教育長から質問が出るほどまだ認識が薄い。図
書館法が変わり、障害者にも図書館が身近にる。田野町議は「家族でも、いちいち最
後まで読んであげることはできない」と話してくれた。
高知市から少しずつ対面朗読ができる場所が増えつつあり、「是非オーテピアでの
対面朗読を見学してほしい。そして、安芸市でも対面朗読が出来るように」と強く要
請をしました。藤原さん達とせっかく安芸市に来たので、お好み焼きとちりめん丼を
食べながら、最後のミーティングをして解散しました。
11月3日に、喫茶「クレイト」で行われました堀内佳美さんの通訳講演会にご参加い
ただいた大学職員島崎由三子さんからご感想を寄せていただきました。以下に紹介さ
せていただきます。
―― 今回、初めて参加させていただいた勉強会で、ミャンマー、タイ、フィリピン
の方々の生の声を聞くことができ、ミャンマーには障がい者登録がないことや障がい
者が進める分野には制限があることなどを知ることができました。
タイの方の自分が希望する理系分野を卒業することへの努力やフィリピンの女性の方
の一人では外出できないという、娘を持つ私には衝撃的に思える環境の中、それにも
かかわらず、キャリアアップをされているバイタリティにも感銘を受けました。
そしてなんといっても高知にいた方々と3人の外国の方々の通訳をされた堀内さん
のお互いの意図をくんだ通訳の素晴らしさに接し、楽しい時間を過ごさせていただき
まして、ありがとうございました。
高知県内で7市です。
◯高知市:点字・音声(デイジー、カセットテープ、メール)
◯室戸市:音声(CD・全文)
◯土佐市:音声(CD・抜粋)
◯須崎市:音声(12月からCD・全文、
11月までカセットテープ・抜粋)
◯宿毛市:音声(カセットテープ・全文)
◯香南市:音声(CD・抜粋)
◯香美市:音声(デイジー・全文)
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