みちしるべ
第260号
目次(ページ内リンク)
【特集 自治体との意見交換会報告】 第1回(8月5日)
・「アーケード内を安心・安全に歩けるよう になるためには」 井上 芳史
・コロナ禍で始まった県交渉 藤原 義朗
第2回 (8月19日)
・高知市との意見交換会 報告 生田 行信
・第2回対県交渉報告 山崎 辰雄
第3回 (10月21日)
・同行援護の居住地特例が厚労省で検討中 永田 征太郎
§ 終わりに
・夏から秋の陣を終えるにあたって 自治体等対策部部長 藤原 義朗
§信号機の音がなくて渡れるの? 県警との高度化PICS交渉より 藤原 義朗
§「高知ZOOM練習交流会」 生田 行信
§ 全国委員会参加報告 永田 征太郎
§ ルミエールサロンへの祝電 「20周年おめでとうございます」
井上 芳史
8月5日に7名の参加で高知市と意見交換を行いました。新型コロナ、児童扶養手
当、あはき、点字ブロックなど街づくりについて話し合われました。
1.私たちからはアーケード内にはベンチ、看板、観葉植物など多くの物が置かれ
ており、とても歩きにくく、図書館に行くのに遠回りして行っている現状を訴えました。
2.帯屋町商店街などの車両や自転車走行は禁止となっているが、19時〜翌日の
11時までは自転車、6時〜11時の間の貨物自動車の走行は可能となっている。
くらし・交通安全課ではなく、道路指導課と話をしてくれとのこと、来年からはく
らし・交通安全課の説明はいらないのではないか。
3.国保や後期高齢者のあはき施術助成用紙について、昨年度は国保が紫系統、後
期が黄色系統、今年度は国保が黄色系、後期が紫系で、弱視にとっては年度を間違え
ることがあったことを伝えました。また、あはき施術は体が楽になり、病院に行く回
数も減り、医療費の削減につながると思われるので施術助成回数を15回から1回、
2回でも増やしてほしいと訴えました。
保険医療課からは用紙の色については改善するとの回答があったが、助成の回数に
ついては助成を受けている者と受けていない者との不公正が生じるので難しいとの回
答であった。また、助成の支出をみると2019年度は330万円に対し270万円
、20年度は330万円に対し230万円であった。20年度は新型コロナの影響で
はないかと思われる。
4.あはき無免許者の件で、ホテルや旅館組合に対し、あはき師であることの確認
をしていただくよう協力依頼文を6月に発送した。
守る会からはホテルや旅館でマッサージを受けたいとお客から依頼があった場合、
どのような業者にマッサージを依頼しているのか、調査してほしいと要望しました。
地域保健課からは県と一緒に取り組んでいるから県と相談していくと回答がありました。
5.ひろめ市場内にある施術所やポカポカ温泉、春野の湯などの施術所は無免許者
ではないか。
地域保健課からはあはき業でなく、リラクゼーションとなっている。
守る会からは銭湯や旅館のようにリラクゼーション部門にも公衆衛生的に何らかの
法律が適応されるのではないか、適応できる法律を調べてもらうようお願いしました。
今回もバスや電車に対する要望についてはくらし・交通安全課からとさでん交通か
らの回答を読み上げるだけであり、とさでん交通に出向いて懇談した方がよいのでは
ないかと思いました。
藤原 義朗
1.盲学校検討の時は当事者意見をしっかり聞いていきたい。
現在、盲学校生徒の在籍は23人。重度重複の医療ケア児の方が増えている。話し合
いの中で、盲学校は視覚障害における専門性のあることがしっかり確認された。
ギガスクール、ICT教育などパソコンシステムを使った教育で盲学校が鍵になること。
地域の学校に通われている弱視の方への支援にも盲学校の果たす役割があることが確
認された。
今後もし、盲学校のあり方を検討するときには、盲学校や当事者の意見をしっかり充
分に聞いていきたいとのことであった。
2.コロナ感染のリスクがあるのに野放しで良いのか。
県警からは、全国では鍼を無資格でしているなど違法の取り締まりは、年2〜4件く
らいあることが報告されている。情報がなければ捜査もできない。
守る会からはひろめ市場内の違法施術のことなどいくつか事例をあげた。情報を県警
生活改善課まで教えていただきたいとのことであった。皆さん、見つけたらドンドン
教えてあげてください。
私たちからは、あはき免許者は衛生法や消毒法も学び試験も受け、施術の上でも衛生
を守らねばならない、あはき師はワクチン優先にもなっている、無免許者の野放しは
感染の場を広げていくようなもの、放っておいたら大変なことになると応戦した。
3.ワクチン接種、少しずつ改善
ワクチン接種方法については、人口の少ない地域では、予め接種日を指定して調整で
きたが、高知市のような人口の多いところでは、電話が通じないなどトラブルが多か
った。集団接種など改善にとりくみ、今は接種が進んでいることが報告された。私た
ちからは、県外では接種券の個人番号の点字化が出来ていることや障害の人にタクシ
ー券保障をしている例があることを紹介した。
4.入院か宿泊か自宅療養か?
もし感染した場合、視覚障害の方はできれば宿泊療養より入院を勧めていきたいとの
ことであった。指定ホテルでの生活の仕方など宿泊療養の具体的な話など聴かせてい
ただいた。尚、自宅療養など療養には国の通達で合理的配慮をしなければならないこ
とが規定されている。ヘルパーさんなど、関わる人も感染対策を万全に取りサポート
しなければならないことも通知されている。尚、ホームヘルパーも同行援護ヘルパー
も優先接種対象になっている。
●健康パスポート
高知県では健康長寿県構想として、5年前から健康パスポート運動に力をいれている。
健康活動に取り組みシールを集めると、プレゼントキャンペーンなどで良い物がもら
えるシステムが紹介された。
最近スマホアプリを導入して、健康活動したことを読み込んだり、検診結果を記録す
るなど7月にバージョンアップしたところである。音声化を業者に委託し進めている。
しかし、見えない者にとってはいくら言われても、この健康システムのイメージが湧
きにくい。例えば、高知家健康づくり支援薬局が指定されているが、今後、健康長寿
課の人と街に出て、街角健康薬局で相談することやアプリを使って実践学習していく
ことも話し合われた。
生田 行信
要望分野と担当部署は次のとおりです。
《街づくり》 道路整備課、道路管理課、産業政策課
《障害者雇用》 人事課
《参政権》 選挙管理委員会
《防災対策》 健康福祉総務課、地域防災推進課、防災政策課
以下、特徴的な内容を報告します。
●オーテピアへの歩行ルート
オーテピアが開館して今年の7月で丸3年。大橋通電停からのルートを使って安全
に行くため、点字シートかエスコートゾーンの設置を要望しました。回答は今回も同
じで「大橋通りや帯屋町商店街の道路は時間規制の車道なので、点ブロやエスコート
ゾーンの設置は困難」でした。オーテピア東側の県道(中の橋通り)や大橋通り商店
街の1つ西側の市道には歩道と点ブロが整備されているので、そちらからお願いした
いとのことです。どちらも電停から直接の道路ではないので、視覚障害者には好まれ
ませんし遠回りになってしまいます。時間規制に合わせて設置できる「歩道くん」や
誘導員の配置など守る会からも具体策を示し、何らかの改善を要望しました。
●アーケード内の路上に出ている看板や商品
「7月29日にパトロールと指導を行った」とのことですが、この日より後に通行
中商品にぶつかり店員に怒られた方がいます。指導したらその後どうなったかを確認
し、改善されていなければ再度指導するよう要望しました。店先からアーケードの柱
まで(約50センチ)は概ね認めているようですが、大きく超えている店があります。
コロナによる飲食店の売り上げ減少への支援策で、テイクアウトやテラス営業を目的
とした道路へのはみ出しが高知市では9月30日まで許可されているそうです。
●道路の白線
横断歩道や道端の白線が塗り直されて白色がくっきりしていると、弱視者はそれを
頼りに歩行しやすくなります。この白線が薄くなって弱視者には見えづらくなり、歩
行の目印にならなくなっている場所があります。「要望やパトロールにより危険箇所
を確認し補修を進めている」の回答に対し、晴眼者の見え方で点検しても薄くは感じ
ないと思うので、当事者にも確認させてほしいと要望しました。
●投票入場券
次の衆議院選挙から、入場券を送ってくる封筒にプラスチックテープの点字シール
が貼付されます。この対応は高知市ですが、県選管への要望の場で、他の市町村も同
様の対応をするよう指導を申し入れました。
●投票用紙の紙の種類
一般のものはDPコート紙といって、投票箱に入れるために折り曲げても箱の中で
元に戻る紙質です。この用紙を渡されて点字を打った場合、点字の凸が消えてしまう
ことはないでしょうか? 過去に間違えて渡した事例はないと選管は言いますが、も
し点字が完全に消えてしまえば、開票作業で単なる白票としか認識されないかもしれ
ません。点字用は厚めの紙のはずですから、変だなと思ったら申し出てください。選
挙前の投票所係員への障害者対応の研修は、実習まではできていないようです。
●防災対策
市の回答による個別避難計画作成の状況は
28年度から29年度にかけて、すべての避難行動要支援者への同意確認を行い,30年
度から本格的に名簿情報の提供を進めてきた。令和2年度末時点で、自主防災組織連
合会38組織(40小学校区)と協定を締結して名簿を順次提供し、関係者による個別避
難計画作成を支援している。令和2年度は津波到達時間の早い沿岸部の5つのモデル
地区において、庁内の高齢・障害などの関係課、介護・福祉事業所との協力体制のも
と個別避難計画の作成に取り組んだ。令和3年度からは、全市にて個別避難計画作成
の取組を進めていく。
視覚障害者のための避難訓練の実施を毎回要望しています。障害種によって配慮し
てほしいことが異なるからですが、実施の回答はありませんでした。当局からよく言
われるのが、「日頃の地域の訓練に出て頂くと、配慮してほしいことの理解につなが
るのではないか」ということですが、参加経験者からは「全体の様子がつかめず置い
てきぼりになることが多い。参加するにしても、配慮のことを訓練にしっかり位置づ
けてもらうには、行政のもう一歩踏み込んだ関わりが必要。」と重ねて要望しました。
山崎 辰雄
8月19日(木)に県との意見交換会が高知市役所において行われましたのでその概要を
報告します。守る会から8名が参加しました。
●街づくりについて
・県内の信号機の設置状況として、歩車分離式は82か所(内33か所は音響あり)、音響
式は240か所です。信号機の新増設について予算確保に努め検討していくとの回答が
大半でした。その中で、入明駅北西の信号機には南北方向に音響を設置、高知地方裁
判所前と百石町市営住宅北の保育園前の信号機は音量調整と点検を実施、城西中学校
と大膳町公園の間の信号機の音響時間延長に向け調整していくなどの回答がありまし
た。また課題となっている小津神社前の信号機については、ピックス方式も対策の一
つとして整備していきたいとの回答でしたが、音響に意見を持つ地域住民の所在確認
を行うとのことです。
・点字ブロックの整備については、細木病院前の交差点から城西中学校までと、オー
テピア東口の中ノ橋通り西側の点検・修繕を年内に実施するとのことです。予算的な
難しさもあると思うが一つずつでも着実に前に進めてほしいとの意見が出されました。
・自転車運転者への安全指導については、毎月の街頭指導や取締り、学校などでの交
通安全教室や日常巡回で広報・指導していくとの文書回答(県警交通指導課)のみでした。
●特定健診について
・案内文書や受診券などに大活字を付記することや保健師に読んでもらえるようにと
の要望について、市町村に対して重ねて周知や個別にお願いをしていくとのことです。
●さんSUN高知(県広報誌)について
・多媒体で発行していることなどの広報活動については、テレビやラジオを通じた広
報を発行日に合わせて行っている。また点字のチェック(特に地名や人名)は障害福祉
課でも行っていく。QRコード検索情報の入手が困難なことに対しては、9月号から全
てのURLをテキスト版に記載していくことやネット環境の無い方は直接記事の該当課
に問い合わせてほしいとの回答でした。その他、リフロー表示(スマホ等で拡大した
時に画面からはみ出さない表示法)について検討してほしいとの意見が出されました。
●参政権について
・視覚障害者が投票しやすい環境整備にできる限り対応するよう、説明会や個別に市
町村に周知・要請していきたいという回答でした。告示後に候補者名と政党名を点字
で提供することは困難だがメールでの提供は検討したい。新型コロナウイルス感染者
の点字による郵便投票は不正防止の観点から難しいとの回答です。投票したくてもで
きないということに「納得できない」という声が上がりました。
●IT関係の情報保障について
・パソコン周辺機器助成の対象品目について、市町村によるばらつきもあるため調査
を行い、特に進んでいない市町村には見直しを求めていく。パソボラの派遣について
は、原則年間20回だが必要に応じて回数を超えても対応していくとの回答でした。
永田 征太郎
コロナの対応ステージの影響で8月末から延期されていた自治体交渉ですが、10月2
1日の18時〜20時の時間帯で本庁舎地下第4会議室で実施されました(県障害福祉課
との交渉)。参加者は12名でした。参加者から出された意見を中心に、主な内容につ
いて報告します。
1.福祉サービスについて
利用者負担については、家族負担があることによって本人がサービス利用を遠慮す
るケースがあるので、世帯収入による負担額の考え方について見直してほしいという
意見が出されました。
相談支援専門員について、視覚障害に関する知識が乏しい現状が目立っているので
、研修会などを通じてもっと情報提供をすべきであるという意見が出されました。現
状で実施されている研修は国が設定したカリキュラムで時間がいっぱいになっている
ので、それ以外の研修の枠で情報提供をしていくとともに、相談支援専門員協会にも
働きかけていきたいとの回答でした。
2.同行援護について
盲養護老人ホーム利用者が外出の際に居住地特例で同行援護を利用できるようにし
てほしいという要求については、厚生労働省で実現に向けて議論が進められていると
の回答がありました。
また、同行援護中の食事代を利用者が負担するのはおかしいから事業所やヘルパー
が負担するように指導を徹底してほしいという意見が出されました。
3.市町村・事業所指導について
視覚障害者に対する契約書などの情報提供に関して、市町村や事業所に何らかの方
法で情報保障してもらえるよう、県から指導してほしいという要望が出されました。
市町村の担当者なども年によって入れ替わりがあり、県からの周知事項が徹底されに
くい状況もあるため、視覚障害者に対する対応マニュアルのようなものを県が作成し
、毎年市町村担当者に伝達することによって事業者指導にもつなげていきたいとの回
答が出されました。
4.補聴器について
聴覚障害の手帳がない視覚障害者に対して補聴器が取得できる施策を自治体が独自
に実施していないか、という調査を高知県発信で全国調査したそうです。その結果、
都道府県レベルでは東京都と埼玉県で高齢者制度を使って補聴器を助成する施策を講
じているケースがあることが確認できたとの報告がありました。高齢者担当の部署と
協議しながら進めていきたいとの回答がありました。
5.日常生活用具について
点字器や音声時計の支給助成上限額設定が実際に販売されている商品の価格設定を
下回っており、余分な自己負担を生じている実態があるので、上限額の設定を見直し
て改善してほしいという要望が出されました。時計についても、腕時計と置時計で用
途が違うので柔軟に支給してほしいという意見が出されました。
6.防災対策について
「南海トラフ地震に備えちょき」の点字版でミスがたくさんあり、大変読みにくい
ものになっているので、改善して読みやすいものにしてもらいたいとの意見が出され
ました。
自治体等対策部部長 藤原 義朗
一昨年は台風襲来によって一日日程が吹っ飛び、昨年はコロナで交渉回数が減り、
さて、今年は?と思っていたら、コロナの増大により、8月途中で中止となりました。
コロナが落ち着いてきた10月21日に県障害福祉課との交渉が行われました。
尚、「同行援護ヘルパーが足りない」「ヘルパーの食事代を利用者が払うのはおか
しい」など問題があるため、8月12日は交渉にせず「同行援護懇談会」という形にし
ていただく旨お願いしましたが、高知市からは却下されました。
おかげで、高知市が2回、高知県は3回の交渉でした。
以下に参加人数と成果を上げます。
1.出席人数
8/5 高知市との交渉7名参加、県との交渉5名参加
8/19 高知市9名、県8名
8/26、9/2は、新型コロナ感染拡大のために中止でした。
10/21 県 12名参加
尚、高知県とは残る項目で話し合い出来ないかとすり合わせをしているところです。
2.成果
@国保や後期高齢者のあはき施術助成用紙について、用紙の色を変えることについ
ては注意することを約束してくれました。
Aあはき無免許者の取り締まりについては、コロナ感染の危険性の意味で、勉強を
していない免許を取っていない無資格者を取り締まるよう迫りました。
B視覚障害者が新型コロナに感染した場合、優先的に医療機関への入院を進めてく
れることになりました。
C投票入場券在中の封筒の点字がプラスチック製になります。
D「さんSUN高知」のQRコードに対して、URLがテキストデータ版に付くことにな
りました。
E障害者福祉サービス事業も住所地特例になることから、郡部の老人ホーム近くに
も同行援護事業所を立ち上げやすくなりました。
※住所地特例とは、例えば養護老人ホームな
ど、高知市の人が高知市以外のホームに
措置入所した場合措置費用は措置元の高知
市が支払うという制度。
3.課題と感想
@高度化PICSについては、次項で報告しますが、一昨年までは音響信号機について
は年に5機以上を設置してもらっていました。しかし、昨年は「メンテナンスにお金
を使うため、設置はなし」ということでしたが、今年も新たな設置はありませんでした。
県外の議会議事録を見ると、「PICSにした方が安い」などと記載されています。経
費削減という危険な流れを感じます。手綱を緩めないようにしていかねばなりません。
A障害制度の居住地特例にしても、10数年前の65歳を超えても障害制度が使えるよ
うにする通知を見ても、厚労省の資料を調べてみると、高知県から積極的な意見が上
がり改善されています。このように、行政も民主化していくことが必要です。
B高知市では来年から住民票や印鑑登録などは市役所本庁や支所に行かなくてもコ
ンビニでマイナンバーカードを使い手続きできるようになります。しかも、市役所よ
り100円安くなるそうです。
ただ、マイナンバーカード取得の強制の問題とともにコンビニの機械操作が視覚障害
者にできるかの問題があります。店員さんが手伝ってくれるでしょうか? 本年5月
改正された障害者差別解消法を「錦の御旗」にしてこの合理化の波と立ち向かおうで
はありませんか。
Cこれから、守る会は交通機関や商店街組合など、民間機関への出張交渉に入ります。
要望とともにご出席をお願いいたします。
藤原 義朗
1、高度化PICSとは?
スマホに「信GO!」というアプリを入れ、スイッチオン。高度化PICSを敷設した信号
機の近くまで行くと、「○○交差点」「ぴよぴよ」「かっこうかっこう」とスマホが
鳴るものです。
昨年より宮城県、静岡県、千葉県など少しずつ敷設され始めています。関東や東海
地方の仲間に調べてもらったところ、「よほど土地を知っていないと、何処にいるの
か分からん」「信号機が鳴ってないとどちらへ渡ったらいいか分からん」「スマホの
アプリがうまく働かなかった」など、聞こえてきます。しかも、比較的スマホの得意
な、視覚障害青年からの報告でもそんな感じでした。
「設置するのは各県の県警の判断」と言いながら、今年度は、警察庁が予算を持ち
設置が促されています。愛知県や静岡県では自民党の県議が、また、高知では公明党
の県議が「静かな町」「視覚障害者に安全」などと議会質問をし、設置計画が進めら
れ、2021年10月現在約130交差点に設置されています。なお、三重県での設置が最西
端でそれより西は半導体の供給不足により設置が滞っています。
2.高知県では:守る会は40年以上前から小津神社前「なんち美容室前」の交差点
に音響信号機の設置を要望していました。しかし、すぐ南に踏切があるから、「赤の
時、車が踏切で停車の危険」から音響設置はなされていませんでした。線路の高架が
進み、音響を設置したところ、一部の方から「音がうるさい」との声が上がったとの
ことです。そこで警察は音響を切りました。
県や高知市のまちづくり課からは何度か守る会と視覚障害者協会に問い合わせがあ
り、以前、守る会やルーモで調査した信号機音響600人調査の結果を説明してきました。
リズミカルで予測のつく音は耳に馴れる。特に交差点近くの人は鳴っていることに気
が付いていない人もいる」というデータです。
3.県警交通規制課:守る会は今年1月にまた、8月には恒例の対県交渉の中で「高
度化PICS導入反対」の交渉を持ちました。
尚、6月県議会総務常任委員会では、スマホで操作できる方法もあり得る条例改正
がなされています。議事録では坂本(県民の会)、中根(共産)の両議員が「視覚障
害当事者の意見を聞いているのか」と質問して下さり、今回の「小津神社前に限って
設置」となっています。
4.11月12日県警との交渉:守る会からは井上、藤原、視覚障害者協会からは片岡
会長、県警交通規制課からは山本課長以下3名、そして県議は上記の2名の議員の立ち
合いで話が行われました。
@山本課長からは、「どうしても音をつけることができないことになったので、PI
CS導入になった。注文している。」「設置はここの交差点だけにしている。今後、ス
マホや送信機など使いやすい物が出てきた時には考え直す時期が来るかもしれない」
と経過報告があった。
私たちからは「実際、地元の視覚障害者がスマホを使えないのに、PICSを導入して
も何の意味もない。それこそ無駄遣い」「一人の意見のために多くの視覚障害者の安
全が守られていない」「読みや見えの障害の人は11人に1人という推計値もある。音
で役立つ人は多い」など防戦しました。
なお、「信GO!」アプリを入れている私のスマホを、交通規制課の方に「目をつぶ
って操作できますか?」と手渡したら「出来ない」とのことでした。
県議さんからは、小津神社設置の時はしっかりと視覚障害当事者の意見を聞くことの
釘をさしていただきました。
以下、今回の陳情書を貼り付けます。
令和3年10月20日
高知県警察 御中
高知県視力障害者の生活と権利を守る会
会長 井上 芳史
高知県視覚障害者協会
会長 片岡 義雄
懇談のお願い
道路を安全に横断するためには、視覚障害者にとっても最低限、「横断歩道の場所
」「渡る方向と道筋」「信号が青である」ことを知ることが必要です。
これらの情報を担っているのが、横断歩道手前の点字ブロック・歩車道の段差、固
定された場所で鳴動する視覚障害者付加装置などの音響式信号機及びエスコートゾーンです。
そのような中、警察庁ではスマホを用いて信号機の色を把握する方法を採り入れ、
関東・東海のいくつかの県で設置され西日本にも広がることが懸念されます。
しかし、それは、視覚障害者にとって最も危険な「歩きスマホ」に導くことにもな
ります。雨の日には白杖をつき、傘を持ち、スマホを操作することはできません。
さらに、スマートフォン使用者が視覚障害者には少ない上に、電池切れなどの時は
利用できなくなります。また、場合によっては、音響式信号機の鳴動時間が削られる
危険性があります。
これらを踏まえて、私たちは以下の項目について要望します。
1.令和3年6月議会で採択された、高度化PICSの設置は小津神社南の『なんち美容
室』前の信号機だけとし、他への設置は進めないでください。
2.高度化PICSの導入を見直してください。同システムは、横断歩道の場所及び渡
る方向が分からないものであり、白杖を操作し、周りの音・白杖の反響などを聴きな
がら歩く視覚障害者を歩きスマホに導くだけでなく、音響式信号機の鳴動時間短縮及
び削減の懸念があります。
生田 行信
標記の会は、10月3日(日)に行ったZOOM体験会のミーティングの名称です。コロ
ナ禍で移動自粛や3密を避ける等から、色々な会が現地集合に代わってリモートで行
われることが多くなりました。そこで今回のねらいは「一度体験してみたら簡単!
これならリモートの会にも参加できる!」という気持ちになっていただくことでした
。アプリは最もよく使われているZOOMです。このアプリはホームページやアプリスト
アから無料でダウンロードできます。40分以上のミーティングを3人以上の参加で行
うには、主催者には有料のライセンスが必要ですので、今回ホストを務めた私が、全
視協総務局のライセンスを借りて行いました。参加する側の方は無料のZOOMでOKです。
高知の会員7人と、大阪から川田佳子さんと村上育代さん、東京の全視協事務所か
ら藤野さんも加わり、計10人で色々なZOOM操作のお試しをしました。皆さん、PCやス
マホ、タブレットなど、それぞれ日頃使っている端末で参加。画面で操作、音声で操
作、カメラが内蔵されてない端末、先週PCを買い換えたばかりの人など、環境は様々
でした。ZOOMが初めての方には補助の説明をしながら行いました。ミーティングの中
でアドバイスしあったり、携帯電話も使ってアドバイスしたりして、色々なお試しが
できたと思います。皆さん「使える!」という気持ちになってくれていたらうれしいです。
コロナ禍の副産物の一つとしてリモートスキルが一般化しました。もちろん現地で
直接集まって行う方が良いに決まっていますが、今後コロナが終息した後も、会の内
容によってはリモートや併用の会が行われると思います。そんな時、参加してみたい
会がリモートであっても、そのことが障壁にならずに参加を検討できたらいいなと思
います。視覚障害者にとっては遠方まで出かけること自体が負担ということもありま
すから、「リモートだったら参加してみよう」ということだってあるかもしれません。
私はリモートでの「参加」には慣れていましたが、「主催者」には自信がなかった
ので、全視協総務局の藤野さんと村本さんに事前の練習におつきあい頂きました。永
田先生には当日参加しながら、音声ユーザーさん向けのアドバイスをお願いしました
。おかげさまで予定していたことができたと思います。ご協力ありがとうございました。
永田 征太郎
去る10月17日(日)の10時から17時の日程において、今年度第1回目の全視協全国
委員会がオンラインで開催され、高知の代表として私が参加しました。以前、東京で
現地開催されたときに上京して参加したことはありましたが、オンラインになってか
らの参加は初めてでした。今回は比較的慣れているスマホのZoomアプリから参加をし
ました。どんな内容の協議が行われたのか、主なものを紹介します。
1.全視協の役員任務分担の中に各社員担当というのがあり、それぞれの役員が担
当する社員(地方の組織)が指定されています。「各役員はもっと社員と連絡をとっ
て、活動を進めてほしい」という意見が出されました。ちなみに、高知担当の役員は
現在大阪在住の川田さんで、Zoom体験会にも参加してくれていました。
2.視覚障碍者でもオンライン会議・学習会ができるようになってきたことを踏ま
え、全視協主催の会を実施していきたいという提案が出されました。物理的には同時
に100人までの参加が可能のようですが、最初は50人くらいの規模から始めていきた
いという話でした。
3.点字民報の今後のテーマ募集について、「マイナンバー制度ってなに?」とい
う内容が社員から提案されました。
4.会費の集金に関する話題では、ゆうちょサービス有料化について説明がありま
した。有料化になった後、手数料がかからない方法で振り込みなどを行うには、電話
やインターネットで操作ができる「ゆうちょダイレクト」を契約して使えるようにな
ることが必要であろうという話でした。これを使えば、ゆうちょ同士の口座間では月
に5回まで手数料なしで振り込みができるようになるので、電話かインターネット(
パソコン・スマホ)で操作ができる方は、サービスを契約しておいたほうがいいかも
しれません。ちなみに私もパソコンで利用しています。
5.19条裁判の話題では、現在の署名活動などについて報告がありました。今後の
取り組みとして、オンラインでもいいから学習会を実施してほしいという要望の発言
をしました。
次回の全国委員会は年明けの1月末に実施する方向で準備が進められています。現
地開催になるのか、オンラインも含めて実施するのか、現在調整中のようです。
「20周年おめでとうございます」
「ルミエールに行けば相談ができる」
「しゃべる器具があるそうな」
「なんかリハビリもあるらしいぞ」
20年前にともった灯台は次第に輝きを増していきました。そして、それをつなぐ
キーワードは「連携」でした。
これからも、高知におけるかけがえのない機関として発展していかれることを心よ
り願っております。
高知県視力障害者の生活と権利を守る会
会長 井上 芳史
令和3年10月16日
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