みちしるべ
第261号
目次(ページ内リンク)
§ これから損をしないために! 〜ゆうちょ銀行のサービス改定について〜 永田 征太郎
§ 「全視協全国委員会」報告 井上 芳史
§ あはき法19条裁判で最高裁が原告の上告を棄却 あはき対策部 生田 行信
§ 「魂の入った高知県読書計画を」 藤原 義朗
§ 高知新聞記事(2022.02.06)より「自分で書ける」は生きる希望 〜視覚障害者用ソフト手掛け38年〜 〜高知システム開発に総理大臣賞〜
§ 「ロシア宛ての緊急抗議声明」
永田 征太郎
1月17日(月)から、ゆうちょ銀行のサービスについて、一部のサービス改定が行
われました。ATMなどを含めてゆうちょ銀行を使っている人は多いと思いますので、
今後サービスを利用するときに損をしないよう、私が調べた範囲でわかったことをお
知らせします。内容が多いので、時間に余裕があるときに読んでみてください。
ひとことで言えば、今まで手数料が無料または少額だったものが、値上げされると
いうことになります。なぜ、そのようなことになったかについては、デジタル化・キ
ャッシュレス化・ペーパーレス化を進めるために、現金取引にかかる手数料を値上げ
して、利用者をそちらに誘導したいという背景があるようです。
この変更によって、私にも影響が出ている部分があります。詳しくは、後の関係す
るところで書いてみたいと思います。
1.ゆうちょATMについて
(1)駅やショッピングセンター、ファミリーマート等に設置されたゆうちょATM
は、平日は8時45分〜18時、土曜日は9時〜14時までが無料。それ以外の早朝・夜間と
日曜日は一律110円の料金が必要になります。
(2)ゆうちょATMでの預け入れ・払い戻しに硬貨を使う場合、料金が必要になります。
預け入れの場合:1〜25枚まで110円、26枚〜50枚まで220円、51枚〜100枚までが330円
払い戻しの場合:1枚以上で110円
2.窓口料金について
(1)硬貨取扱料金
預け入れや振込み時などに硬貨を利用する場合、枚数に応じた料金がかかります。
1〜50枚までは無料ですが、51〜100枚は550円、101〜500枚は825円、501〜1,000枚が
1,100円、1,001枚以上は500枚ごとに550円が加算されます。
(2)金種指定料金
貯金の払戻し手続などで、硬貨や紙幣の種類・枚数を指定する場合に、持ち帰る合
計枚数に応じた料金がかかります。枚数ごとにかかる金額は、硬貨取扱料金と同じです。
例えば2万円を払い戻す場合、何も指定しなければ指定料金はかかりませんが、払
い戻し時に2万円のうち、5,000円分を100円硬貨にするよう指定した場合は、1万円札
1枚と、5,000円札1枚、100円硬貨50枚が払い戻されます。この際、5,000円札1枚と10
0円硬貨50枚を合計した、51枚分に指定料金として550円がかかるようになります。残
りの1万円札は指定が無ければ料金は発生しませんが、新券を指定した場合は、さら
に1枚分が上乗せされますので、合計枚数によっては価格が変わります。
3.現金を使った払込は110円追加
通常払込みやゆうちょPay-easy(ペイジー)、電信払込みをゆうちょATMや窓口から
現金で行なう場合、通常の払込み料金に加えて、加算料金110円が発生します。ただ
し、税公金の払込みは対象外です。
ここで私が困っていることがあります。ときどき私と同じようなことをしている人
に遭遇することがありますが、実はここ数年、500円貯金をしています。買い物のお
つりなどでもらった500円硬貨を、百均で買ってきた貯金箱に入れて集めています。5
00円硬貨が最大600枚入る貯金箱なので、最大貯めると30万円貯金したことになりま
す。貯まるごとにどんどん重くなっていくので、貯金している実感があって楽しくなります。
500円と同時に100円も集めており、集まった100円は次のような手順で500円に両替
しています。
@大量に集まった100円を郵便局に持っていき、窓口でキャッシュカードを渡して
預け入れをします。今までは100円が何枚あろうと手数料なしでした。
AゆうちょのATMで先ほど預け入れをした分を払戻しし、そのお札を別の銀行に持
っていき、銀行の職員に手伝ってもらって、両替機でお札を500円硬貨にします。窓
口で両替を頼むと、枚数ごとに手数料をとられますが、両替機で手続きをすれば手数
料がかからないからです。
ひと手間かかりますが、こうすれば今までは100円から500円に手数料なしで両替が
できていました。しかし、これから@については最低でも110円、硬貨の枚数が増え
ればそれに応じた手数料がかかることになります。今まで無料でできていたものが有
料になるわけですから、私にとっても痛手です。実際に私の周りでも小銭貯金をして
いた人が「手数料がかかるようになってしまった」とぼやいているのを聞くようにな
りました。
では、貯まった小銭貯金の上手な活用法はないでしょうか。最近私が耳にしてなる
ほどと思ったのは、税金の支払いに使うという方法です。買い物などの通常の支払い
の場合、硬貨の枚数が20枚を超えたとき、受け取る側が作業の煩雑さを理由に受け取
りを断ることができるようです。しかし、税金の支払いの場合には、硬貨が何枚にな
っても、受け取り拒否はできないため、受け取った人が枚数を一生懸命数えるという
ことになっているようです。
4.提携ATMでの平日手数料の値上げ
ローソン銀行ATMやイーネットATMでゆうちょのキャッシュカードを使って取引する
場合の手数料が値上げされます。
以上、主な部分について書いてみましたが、自分の生活の中では関係がないからよ
くわからないよという部分もあったのではないでしょうか?まずは、とにかく現金で
取引する際に余分に支払わなければならないお金が増えたという理解でよいと思いま
す。キャッシュレスはよくわからないから、まだまだ現金派だという方も多いと思い
ますが、少しでも余分な支出を減らすためにはどうしたらよいのか、考えるきっかけ
になればと思います。インターネットだけでなく、電話でも操作できる「ゆうちょダ
イレクト」を使えば、無料または少ない手数料で送金ができるようになるので、まだ
使ったことがない人は、この際導入を検討するのもよいかと思います。
なお、今回のサービス改定について、ゆうちょ銀行パンフレットの内容を音訳した
音声デイジーデータがサピエ図書館に登録されています。
書名:ゆうちょ料金新設・改定のお知らせ
2022年1月
製作館:宮城県視覚障害者情報センター
もし、サピエ図書館が利用しにくい方がおられましたら、点字図書館でCD焼き付
けしていただけますので、利用してみてください。
ゆうちょ銀行サービスについてもっと詳しいことを聞きたい場合は、次の電話番号
にお問い合わせをお願いします。
ゆうちょコールセンター:0120-108-420
(通話料無料)
井上 芳史
今年になって新型コロナオミクロン株感染拡大が続く中、オンラインで全国委員会
が1月30日に行われました。青森と山梨が書面による参加、広島が欠席、司会者は
オンラインのために埼玉と神奈川の方が行ってくれました。
1.会員拡大:
・山梨では会員が少なく、コロナで会もできない状態であるが、今年の4月に元気の
いい方が入会してくれる。これを機会に会を盛り上げていきたい!
・北海道では会員が少なく、盲学校の生徒や卒業生に話しかけていきたいが、どうす
ればよいか。
・愛媛では数名の会員で活動もできないなど、会員の少ない組織からの発言がありました。
・高知からは夏の県・高知市との交渉、茨城の浅見さんの紹介で徳島の谷本さんが高
知の組織に入会したことを報告しました。
・全視協からは生活で困ったこと、腹立つことを挙げてくださいと取り組みがありました。
2.あはき開業者:
点字民報にも載っていますが、「事業復活支援金」ができました。
18年の11月〜19年3月の収入と21年11月〜22年3月の収入が30%〜5
0%減の場合に支援金があります。
サポートセンターは0120-789-140です。問い合わせてください。
3.臨時特別給付金:
生活困窮者に10万円支給されます。住民税非課税世帯と新型コロナの影響を受けて
21年1月以降、収入が著しく減少した世帯(家計急変世帯)、非課税世帯は市町村
から確認通知書が届きます。
家計急変世帯は9月30日までに手続きが必要です。非課税世帯ではないからとあき
らめないで役場に相談してください。
※コールセンター0120-526-145
4.全視協第36回奈良大会:
来年23年6月16日に社員総会、17日と18日に交流集会が行われます。
5.点字版母子健康手帳:
和歌山では配布ではなく、交付すると位置づけられました。この結果が全国に波及し
ていけばよいですね。
6.65歳問題:
65歳になると障害者総合支援法による福祉サービスから、介護保険制度に移行しま
す。奈良の島田さんは障害者が自立するための福祉サービスを使っていきたいと障害
福祉課に訴えたところ、包括支援センターと市の職員、当事者の3名で話し合いを持
ち、介護保険ではなく、障害者総合支援制度が使えるようになったと報告がありました。
全国委員会もオンラインで5回目になるでしょうか。最初は準備に1時間ほどかか
りましたが、今回は13時10分には始めることができました。でも私にとっては慣
れません。早く対面で会議をしたいものですね。
あはき対策部 生田 行信
マッサージは視覚障害者にとって大切な職業であり、その保護規定を定めた「あは
き法19条」。晴眼者の養成施設を運営する学校法人が「19条は違憲である」と提
訴したいわゆる「あはき法19条裁判」。最高裁でこの規定を合憲とする判決が出ま
したので報告します。
まず、この件についての経過です。
1964年 あはき法に、視覚障害者の生計が著しく困難にならないようにするため、当
分の間、晴眼者向けの養成施設を承認しないことができる規定が設けられた(19条)。
その後、1982年に中和鍼灸専門学校(愛知県)で定員増加が承認された以外は、
本規定に基づき新設、定員増は認められていない。
※本規定はマッサージ師養成課程についてであり、この条文に明文化されていない鍼
灸課程は、1998年に柔整課程で新設を認める判決が福岡地裁で出されて以来、14校か
ら93校(2015年)に、柔整学校も14校から109校(同)に激増し、定員割れの学校が
あいついでいます。
2015年9月 学校法人「平成医療学園」が、福島県、神奈川県、大阪府、兵庫県にマ
ッサージ師養成課程新設を申請。
2016年2月 国(厚生労働省)は、あはき法19条(前述)を根拠に申請を不認定。
2016年7月 学園側(原告)は「19条の規定は違憲だ」として、申請していた4校
について、それぞれ仙台、東京、大阪地裁に提訴。
2016年11月 視覚障害関係団体やあはき業界は「あん摩師等法19条連絡会」(会長は
竹下義樹氏(日視連会長))を結成し、国側を支援する活動を開始。各地裁での口頭
弁論には、多くの視覚障害者、あはき業関係者が傍聴にかけつけました。
2019年12月16日 東京地裁で判決。原告の訴えを棄却、国側(視覚障害者の保護規定)
が勝訴。
2020年2月25日大阪、6月8日仙台の両地裁においても、東京地裁と同じく、原告の訴
えを棄却、国側勝訴の判決。
2020年12月8日東京、12月14日仙台、2021年7月19日大阪の各高裁で原告の控訴棄却。
2022年2月7日 最高裁で判決。原告の上告を棄却、国側が勝訴。第2小法廷、4人の
裁判官全員一致。
今回の判決について各メディアが一斉に報じました。ほぼ同様の内容ですので1例
を挙げ、判決理由の報告とします。
報道、ここからーー
あん摩マッサージ指圧師 養成施設規制 最高裁も合憲判決
視覚障害があるあん摩マッサージ指圧師を保護する法律の規定を理由に視覚に障害
がない人向けの養成施設の設置が認められなかったのは職業選択の自由を保障する憲
法に違反すると大阪と福島県の学校法人が訴えた裁判で、最高裁判所は「憲法違反と
はいえない」とする判決を言い渡しました。
大阪市と福島県郡山市の学校法人は、視覚障害がない人を対象としたあん摩マッサ
ージ指圧師の養成施設を設置しようと国に申請しましたが視覚障害がある人を保護す
る法律の規定を理由に認められなかったため、「規定は職業選択の自由を保障した憲
法に違反する」として国を訴えていました。
東京と大阪、仙台で行われた裁判で1審と2審はいずれも憲法に違反しないと訴え
を退け、学校法人が上告していました。
7日の判決で最高裁判所第2小法廷の菅野博之裁判長は、「あん摩マッサージ指圧
師は、従事できる職業が限られる視覚障害者にとって主要な職種の1つで、障害に適
した職業に就く機会を保障することは、自立や社会経済活動への参加を促進するとい
う積極的な意義も考えると、障害がない指圧師の増加を抑制しても不合理とはいえな
い」と指摘しました。そのうえで、視覚障害がない人向けの施設について規定では規
制の必要がある場合に限り設置申請を認めないことができるとされていて既存の施設
も10都府県に21あるなどとして「職業選択の自由に対する制限は限定的で、憲法
には違反しない」と結論づけ、学校法人の上告を退けました。
【学校法人“残念”】
判決後の会見で大阪の学校法人「平成医療学園」の岸野雅方理事長は「残念ながら
敗訴となったが、勝訴した国にとっても本当にこのままでいいのかと感じる。障害が
ない人を対象にした既存の養成施設もあるが数は限られている。視覚障害がある人で
もあん摩マッサージ指圧師の職業を選択する人は減っていて、この状態が続けばマッ
サージという職業がなくなってしまうのではないか」と話しています。
【厚労省“主張認められた”】
判決を受けて、厚生労働省医政局の太田富雄医事専門官は、「おおむね国の主張が
認められたと承知している。今後とも、あん摩マッサージ指圧師に関する制度の適正
な運用に努めてまいりたい」とコメントしています。
【障害者団体“安どした”】
視覚障害がある人などでつくる16の団体がこの裁判のために立ち上げた「あん摩
師等法19条連絡会」の竹下義樹会長は判決について、「視覚障害者の職業的自立の
ためには必要な規制だと最高裁に明言してもらって安どした。技術の向上や職業的な
努力を続けながら社会に貢献していきたい」と話していました。
ーー報道、ここまで
国側やそれを支援する私たちの主張が全面的に認められた判決と言えます。視覚障
害者の生活やマッサージ業界の現状、歴史的経緯など、19条連絡会が中心となって
全視協、守る会を初めとする各団体や個人が、裁判所や世の中に対し知らせていく取
り組みを活発に行ったからこそ、裁判官も現状を正しく認識し適切な判断に至ったの
だと思います。高知にいる私たちは遠方のため傍聴活動には参加できませんでしたが
、裁判官や新聞各社への要請葉書、署名、全国の活動を支えるための募金活動など、
積極的に関わってきました。守る会の皆さんには多くの協力をいただき、ありがとう
ございました。
あはき法19条の規定は、視覚障害者のマッサージ業を支えるための最低限の法律
です。無資格者の野放しによる圧迫、業を営む上での視覚を必要とする部分(事務処
理や移動手段など)への助成制度の充実、診療報酬点数の適正化など、業の安定のた
めに改善すべき課題は残ったままです。今後とも、取り組みへのご協力、よろしくお
願いします。
藤原 義朗
年の瀬の迫った12月22日、対高知県交渉最後の「読書権」がオーテピアで行なわれ
ました。高知県からは、障害保健福祉課、教育委員会障害教育課、県立図書館、点字
図書館、こちら守る会からは5名の参加でした。
1.大学図書館での対面音訳:現在、大学は独立法人になっており、県からは対面
の希望を言いにくい状態、貸出禁止本が多いので、県立図書館を通して大学に貸借を
頼むことにしたいとのことでした。
◆後日、臨床心理学ジャーナルを借りるため、オーテピアにない本を高知大学医学部
図書館に館々貸出依頼をしましたが、貸借できず、長野県立図書館から貸借しました。
2.「県外の図書館で対面音訳をしていただきたい」の希望については、それぞれ
の図書館での方針ですので、高知県の図書館でどうこう言うわけにはいかないとのこ
とでした。しかし、判断は図書館長ですので、高知へ県外の方から依頼があった時に
はぜひ受けていただきたいとお願いしました。このように、輪が広がっていくことを
期待します。
3.高知県内で、まだ対面を開始していない市町村図書館の対面開始については、
まず地元の方で要望していただき、地方図書館から高知県立の方へ相談があったら是
非指導していきたいとのことでした。
4.一昨年の「読書バリアフリー法」成立、これにより、国から「視覚障害者読書
支援計画」が出されました。
令和3年度には、鳥取県をはじめ5つの県で計画が作られ、県の計画に基づき市町
村計画が作られているところです。
さて、出来上がった県の計画を見てもあまり魂が感じられず、これでは市町村も計
画策定しにくいことが覗えます。
後半は高知県計画づくりについて話し合いがもたれました。
ポイントは、以下の通りです。
・大学図書館の充実
・プライベートサービスを具体的に明記
・電子ブックの促進と操作訓練の実施
・オーテピアと市町村図書館との仕事分担の明確化
・情報入手方法の練習の指導者育成
高知県としては令和4年度にまとめる方針です。守る会でも懇談会などを持って計
画に魂を込めさせていきたいと思います。
高知システム開発の音声支援ソフトを使ってメールを打つ有光勲さん。「えらい時代
になったもんです」
視覚障害者向けのパソコンソフトを開発してきた高知システム開発(高知市吉田町)
が長年の功績がたたえられ、2021年度の内閣府のバリアフリー・ユニバーサル
デザイン推進功労者表彰で最高の内閣総理大臣賞を受けた。入力文字を音声で伝える
など、社員20人の小さな会社が生み出すソフトは、今や全国の累計ユーザーが3万
5千人に。目の不自由な人と社会をつなぐインフラへと育っている。
インターネットでニュースも検索できる
同市鴨部1丁目の有光勲さん(79)宅。テーブルに置いたパソコンで、有光さん
はカタカタと高速でキーをたたき、友人宛てのメールを作成していく。
「オンガクのガク、楽しい」「シッパイのシツ、失う」―。音声が流れる。
有光さんは先天性の視覚障害者で、県立盲学校の教員を52年務めた。彼らがパソ
コンで入力する際に困るのが同音異義語の多さという。「例えば、オンガクと打って
も、画面上で『音楽』になってるか『音学』になってるか分からない」
同社の「ピーシートーカー」にその心配はない。打ち込んだ文字の音読みと訓読み
が音声で流れるし、漢字とひらがなの区別も音程の違いで認識できるのでミスを防げる。
「これさえあれば、眠れない夜も全然退屈しない。えらい時代になったもんです」
有光さんは教員時代の1983年、同僚の北川紀幸さん=故人=と同社にソフト開
発を要請した。「ウィンドウズ95」発売の12年も前で、まだワープロも普及して
いないころだ。
学校でテストを作る際も、家で保護者に手紙を書く際も、晴眼者のチェックが必要
だった。さらに、10代で光を失った生徒の姿に背中を押された。「点字に親しんで
おらず習得が難しい。できていたことが急に制限され、希望まで失っていた」
当時はようやく、パソコンへの漢字入力ができ始めたころ。打ち込んだ文字を音声
に変換する装置は海外製しかなかったが、大田博志社長(72)は「頭ですぐイメー
ジできた。これはできると」。
1年かけて、滑らかな日本語を話す装置を独自開発。点字入力に加え、点字を知ら
ない人のためローマ字入力もできるワープロソフトが誕生した。
その後も音声内容などを絶えず改良。文章を書くだけでなく、届いたメールを読み
上げる機能などを拡充していき、98年からウィンドウズに対応。国内の音声支援ソ
フトで8割のシェアに育った。
大田社長は今回の受賞に「盲学校の先生が何度も意見をぶつけ合ってくれた。皆の
協力で生まれたソフト。感謝したい」と話す。
今はインターネット全盛で、キーボードよりも「クリック」の時代。同社ソフトは
、画面上のアイコンを探しづらい視覚障害者のネット利用も支える。
利用者を音声でブラウザーへと誘導。矢印の操作だけで、「履歴」「お気に入り」
…とメニューが流れる。ニュースも天気も、利用者が検索した文章も読み上げてくれる。
営業担当の宇賀喜彦さん(63)は「このソフトは晴眼者との情報格差を埋める。
自分で読める、書ける、は生きる希望なんです」。開発担当の横田隆彦さん(57)
は「視覚障害者のほか、読字困難者や高齢者も使える。今後はそういう人向けのカラ
オケや将棋などの開発に取り組みたい」と意気込んでいる。(高井美咲)
2022年3月5日 在日ロシア連邦大使館 特命全権大使
ミハイル・ユリエビッチ・ガルージン 閣下 高知県視力障害者の生活と
権利を守る会 ロシアのウクライナ侵略は国際法違反です 直ちに軍事作戦の中止を
求める視覚障害者団体としての緊急抗議声明 高知県視力障害者の生活と権利を守
る会は、その目的に「視覚障害者の生活と権利を守り高め、差別のない平和で民主的
な社会を建設することを目的とする。」と定め、核兵器廃絶点字1万名署名をはじめ
、戦時下の視覚障害者の取材などを行なってきました。その中で私たちは「戦争と障
害者は相容れない」ことを心に深く刻み平和運動を行ない続けています。 2月24日
、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部の2つの州を一方的に独立国に承認後
、集団的自衛の名の下でロシア軍を侵攻させ、ウクライナ全土に攻撃を開始しました
。この瞬間も、おびただしい数の障害者と家族が戦禍に巻き込まれています。直ちに
軍事作戦を中止し、軍を撤退させることを強く求めます。 昨年1月、核兵器禁止条
約が発効されました。しかし、プーチン大統領は「ロシアは核の最強保有国の一つだ
」と強弁し、国際社会に対して使用の可能性まで発言しました。これは明らかに威嚇
であり断じて許せません。 また、ウクライナには15基の原子力発電所が存在して
おり、ロシア軍のミサイル攻撃を原因とする、原子力発電所の爆発事故につながる危
険性があります。 ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ、そして、福島原発事故と、4度
の核被ばく被害を体験した国民として強く抗議します。 ロシアのウクライナ侵略
は国際法違反であり、直ちに軍事作戦を中止することを強く求めます。
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