みちしるべ
第262号
目次(ページ内リンク)
第55回守る会総会(2022年度)の報告 生田行信
22年交渉報告 その1 藤原 義朗
8月4日(第1回) 高知市との意見交換会 報告 生田行信
ピックス、県警はアイマスクで試したことない! 藤原義朗
日常生活用具の値上がり問題に自治体は対応できるか 永田征太郎
オンラインで全国の仲間とおしゃべり 藤原 義朗
生田行信
新型コロナの影響で、一昨年は時期を遅らせて実施、昨年は開催できなかった総会
。感染者数がそれなりに落ち着いてきたことから、今年は例年どおりの時期である6
月19日(日)に開催しました。感染防止対策が求められることから、飲食を伴うの
で懇親会はなし、総会も1時間短く2時間で行いました。会場は高知市障害者福祉セ
ンター、27名の参加で、今回も机と椅子はお互いが向き合わない教室方式で行いま
した。
永田副会長の進行で「開会セレモニー」が行われました。開会にあたって井上会長
から挨拶がありました。昨年は行えなかったが感染が落ち着いたこともあり今年は開
催でき、皆さんと久しぶりに会えてうれしく感じている。高度化ピックス信号が高知
県内についに1台設置された。問題点を訴え、視覚障害者用としては音響を付けるよ
う要望を強めていきたいと考えている。例年より短い2時間であるが、活発な論議を
お願いしたい。
続いて新入会員の谷本団四郎さんと中平多恵さんが紹介され、中平さんからは自己
紹介があり拍手で歓迎されました。
議長には井上奈美子さん、記録に生田が選ばれ拍手で承認されました。総会は現在
の正会員数58人に対し、出席者27人と委任14人を合わせて過半数で成立し、さ
っそく議事に入りました。
まず2021年度活動報告が各担当部長から、決算報告を山附熕ュ部長、監査報告が北
村みずほさんから、2022年度の活動方針(案)提案が一括して井上会長から、同予算
案提案が山附熕ュ部長から行われ、活発な議論の後、拍手で承認されました。
以下、質疑の概要を報告します。
●点字出版部の活動と会計について
会計の状況について聞かせてもらうことはできないかと質問がありました。近年は
総会の議案書にも載せていないこと、新しい会員もいて何のことか知らない方もいた
ので、高知市広報「明るい街」点字版発行が始まる前後からの経緯や、守る会の会活
動の一部であること、そのため収益の一部を守る会の活動費に拠出(毎年5万円)し
ていること等が説明されました。自治体からの委託業務が中心で公金からの支払いを
受けていることもあり、会長として会計状況を把握しておく必要があると考えている
。メールでの報告は受けたが、詳細な内容はまだである。以前の総会で「点字出版部
は独立性が高い」という役員からの回答を受けた後の役員会での検討の結果、その後
の議案書には載せないことになった経緯も説明がありました。議長から「関係者と役
員との間で話しをして報告をしていただきたい。」とまとめがありました。後日の役
員会での検討の結果は、点字出版部の出版実績と会計状況を総会議案書に掲載してい
ただくということになりました。
●街づくり
大橋通りから国道への出口の点字ブロックが薄くなっていてわかりづらく、国道へ
飛び出してしまう危険があったが、補修していただいたことに感謝している。
アーケード内の椅子のせいで、まっすぐに歩けない。アーケード内を安全に歩ける
方法を守る会として商店街連合会にもちこみたいので、具体案があれば出してほしい。
小津神社前の信号機は歩車分離式であり、かつ高架橋下を通るので渡る距離も長い
ため音響が必要なのだが、音は止められ、代わりに高度化ピックスが付けられた。安
全歩行につながらないという私たちの意見をもとに浜口議員(共産党)が高知市議会
で質問する。スマホを聞きながら渡るなど考えられない。常時プルプルと音が鳴るこ
とでスイッチの場所を示し、スイッチを押すことで音響をオンにできるような装置は
できないかという意見も出されました。
●守る会会費減額について
井上会長から提案と説明があり承認されました。会費について今年度に限っての提
案である。コロナ禍等により経済的に困難があり会費の支払いが困難な場合、自己申
告により一般会費1万円を5千円に、夫婦会費1万6千円を1万円に減額を認める措
置をとりたい。検討の過程で一律に1千円、2千円等の減額も考えたが、会活動の精
選を趣旨とする一律減額よりも、会員個々の経済状況に対応する趣旨を重視した。予
算案では希望者を10人と見込んで収入を見積もっている。
●夏の自治体交渉への要望
井上会長、藤原自治体対策部長から呼びかけがありました。6月30日提出に向けて
集約中である。要望をこの場で出してほしい。例年通り木曜の午後を予定しているの
で、交渉の場への参加協力も呼びかけられました。
以下、出された要望です。
・土日に対応してくれる同行援護事業所がない。何とかしてほしい。
・横断歩道の白色をくっきりと塗り直してほしい(旭駅前交差点電車通り)
・点字ブロックをきれいに塗り直してほしい(上町3〜4丁目電車通りの南側歩道)
・道路の路側帯の白線をくっきりと塗り直してほしい(上町3丁目、電車通りから南
方向への南北道路)
・歩道の舗装がでこぼこなので平らにしてほしい(上町の旧水道町沿い)
・道路工事の情報(通行制限の区間や期間など)を視覚障害者にわかるように教えて
ほしい。団体に事前に連絡してほしい。路上の掲示物だけでは、視覚障害者は歩行中
に同行援護の人から聞くなど、その場で初めて知ることになる。事前に知っておけば
目的地への経路を予め考えることができる。
・イオン旭店がセルフレジばかりになっている。有人レジを1つは置いてほしい。
・四国電力から希望者に点字明細が発行されているが、「必要はあるのか?」と聞か
れ、「なくてもいい」と誘導しているかのようである。不要と答える人が多いと発行
そのものを止められるかもしれないので、「必要」ときっぱり答えましょう。NTT
からの点字明細では今のところ言われていないとのこと。
会への要望として「新型コロナで会う機会が減っているので、全会員に電話かけを
してはどうか。役員会で検討してほしい。」という繋がりを持つ工夫についての意見
も出されましたので、役員会で考えていくことになりました。
全ての議事が終了し議長解任の後、藤原副会長の締めくくりの挨拶で総会は閉会し
ました。後日発熱などのカゼ症状が出た場合は連絡をお願いしていましたが、その後
そのような連絡はなかったことから、無事に総会を終えることができたと思います。
藤原 義朗
2018年、2019年の対県、対高知市交渉は、台風により日程が1日飛び、20年からも
新型コロナ感染で飛びました。
今年こそ大丈夫と思って臨んだのですが、8月18日と25日はコロナでお流れになり
ました。残念!
今回は第1回目である、8月4日の報告をさせていただきます。守る会としては、コ
ロナが落ち着いたら、交渉できなかった中からポイントをしぼり交渉していく予定です。
ご意見お願いいたします。
生田行信
要望分野と担当部署は次のとおりです。
《新型コロナ》 地域保健課
《あはき》 地域保健課、保険医療課
《子育て》 子育て給付課・中央窓口センター
《就労》 人事課
《広報紙》 広聴広報課
《街づくり》 くらし・交通安全課、交通戦略課
以下、特徴的な内容を報告します。
1 新型コロナ
ワクチンの4回目接種は「重症化予防」を目的として60歳以上の方にはすでに接種
券配布が開始されています。18〜59歳の基礎疾患等を有する人には「本人の申請」に
基づいて配布されます。「基礎疾患等」とは重症化リスクという趣旨なので障害者は
該当すると考えているとの回答でした。申請の際にその趣旨を市の担当者に説明する
とよいと思います。今回はワクチン在庫に余裕があるため、幅広い判断が可能である
とのことでした。7月22日に国から出された「医療従事者及び高齢者施設等従事者を
対象とする」通知には、あはきの「開業者」は直接的には入っていないようですが、
この点についても「高齢患者など重症化リスクの高い人と多く接する」ので対象者と
考えているとのことです。
接種券送付の際、案内文書については視覚障害1、2級の方には点字版と音声版(
CD)がついていますが、接種券そのもの、つまり券番号は点訳されていません。「
一人ひとりに国が付ける番号のため」とのことですが、市町村が点字を追加すること
は違法なのでしょうか。
接種医療機関へのタクシーなど交通補助も求めましたが「同行援護をお使いくださ
い」と前回までと同じ回答でした。
2 あはき
65歳以上の国保加入者と後期高齢者を対象とする助成制度について、年間15回を月
に2回使えることを想定した24回への増額を要望しました。国保330万円、後期500万
円の年間予算に対して20%ほどの残額があるので、予算執行率を上げるためにも、回
数を増やすことの意義は大きいことを訴えました。「増額すると被保険者の保険料に
反映され、利用していない人との不公平になる」と担当者。それならと、利用する人
を増やすため、助成制度のことを知らせる工夫を要望しました。新しい保険証を送る
際の同封のリーフレットや「あかるいまち」には書いてあるようですが、読んでいな
い人も多いと思うので、制度についての別の文書を同封するよう要望しました。
助成券の用紙の色は年度が替わるごとに、また国保と後期高齢者で違えることで区
別できるようにしているのですが、弱視者にとって区別しにくい現状があり、弱視当
事者に現物を見せて事前に意見を聞くことをお願いしました。今後の色の予定と実際
の色用紙を見せて頂きました。弱視者はそれぞれ見え方が違うので、会員の皆さんか
ら意見を聞きたいと思います。用紙は生田が預かっています。
高知市の福祉タクシー券が他の市町村のタクシーでも使えるように、あはき助成券
が他の市町村の治療施設でも使えるよう要望しました。その自治体に制度がない場合
、そこの市民(加入者)が不公平感を持つ危惧があるなどデリケートな問題があるの
で慎重に考えたいとの回答でした。
無免許マッサージの業者は、本来あはき法で取り締まるべきですが、保健所の捉え
方として「あはき法の対象外」とされて野放しになっている業者があります。部屋が
狭く換気も不十分など不衛生きわまりない無資格施設、例えばひろめ市場内などのリ
ラクセーションを、公衆衛生関係の法律で指導はできないかせまりました。全視協の
学習会などで誇大広告などで指導させる方法をアドバイスされましたが、公衆衛生で
できないか研究の必要があります。
3 障害者雇用
現在、高知市役所で働く障害者は45名、うち視覚障害者は3名(うち重度2名)、
雇用率は昨年より0.22%増の2.26%です。昭和61年から始まった障害者別枠試験で
の採用は、通算で29名、うち視覚障害者は1名です。近年実施されている任期付き短
時間勤務職員採用では、昨年は4名採用、うち視覚障害者はゼロでした。「任期付き
」の試験は今年度下半期にも再度募集があるとのことです。試験にあたっては、障害
に対する配慮について応募の際の他、その後も電話連絡等で要望を聞いてくれること
になっています。このような取り組みが民間にも広がるよう啓発にも力を入れて頂き
たいです。
4 広報紙「あかるいまち」
発行されている媒体ごとの状況です。
(1)活字版
全世帯に配布されている通常版です。近年「詳細はQRコードからご覧ください」
が増えています。スマホで読み取ることが必要です。
(2)点字版
内容は約60ページに収まるよう編集されています。広聴広報課と委託先(守る会点
字出版部)で打ち合わせを行い、障害者に優先度が高いものから編集されています。
活字版のQRコードに相当する表示は、媒体の特質上掲載は困難とのことです。
(3)音声版(デイジー版・テープ版)
内容の割愛をせず、全内容を収録しています。活字版のQRコードに相当する表示
は、媒体の特質上掲載は困難とのことです。
(4)電子メール(テキスト)版
全内容を掲載すると文字量が多く読みづらくなるとの判断から、一部を割愛して配
信されています。活字版のQRコードに相当する表示は掲載されていないので、今回
コードに相当するURLの記載を要望しました。記載されればブラウザに貼り付け、
そのホームページを読むことになります。テキスト版にも全内容を希望する人が多い
ようであれば検討するとのことです。
(5)電子メール(HTML)版
元々、高知市役所のホームページに掲載されているものを希望者にメール配信する
ものです。原則、全内容を掲載して配信されていますが、「市長コラム」と「歴史万
華鏡」は割愛されていたので、今後リンクURLが記載されます。活字版のQRコー
ドについては相当するURLが記載されていて、該当のホームページを読むことがで
きます。
いずれの電子メール版も、点字版か音声版かと重複して希望することができます。
高知市広聴広報課か守る会役員まで連絡をください。
5 公共交通機関
長期的も含めた今後の在り方について検討することや協議会の設置などのニュース
を、全国、地方ともに最近よく聞きます。高知市でも今年度の庁内組織改編で、公共
交通機関を専門的に担当する「交通戦略課」が新設されました。障害者、特に視覚障
害者は公共交通機関が必須です。聞き取りやすい車内放送・車外放送、バス停から離
れて停車しないで、ICカードリーダの場所を統一してなど要望しました。とさでん交
通からはいずれも「努力する」の前向き回答で、確かに徐々によくなっていると感じ
ますが、不十分な点や徹底されていないことも残されており今後も要望を続けること
が大切です。障害者の声を反映させていく上で、この専門部局「交通戦略課」が役割
を果たしていくよう対面で挨拶を交わしたことは意義があったと思います。
藤原義朗
1.「私は高齢者と接することが多いので接種してください」
第4回目のワクチン接種の対象の考え方について、高知市と県ではちょっとニュ
アンスが違う。県としては、視覚障害があるからといって、基礎疾患による重度化リ
スクとは考えていないようです。
しかし、基本的な考え方として感染を広げないための接種とのことです。「私は
、あはき施術者で高齢の方と接触する機会が多い」とか、同行援護ヘルパーなら「高
齢の方の支援が多い」といえば、接種券を送り、接種の幅を広くして感染を防いでい
く方針です。
尚、今回の接種券は申請方式ですので、役所にご自身で申請してください。
2.「さんさん高知」は電子メール版で詳しく入れます。
墨字の広報「さんさん高知」は2年位前からQRコードが付いています。それを
スマホで読み込むと、詳しい情報に入れます。テキスト版にはそれをURLで付記して
あります。ちょっと練習が必要ですが、詳しい情報に入れます。今後、URLの位置を
どこに入れるかや検索の仕方など使いやすいものにする為に、役員までご意見をお寄
せいただきたいですし、懇談会などを行っていきたいと思います。
尚、点字版読者でも電子メール版は「二刀流」でもらえます。
3.ピックス
小津神社前の信号機は数年前に音響を消され、大きな反対を振り切って、今年3
月に高度化ピックス方式になりました。
4月の守る会の実証実験でも「さっぱり使えない」という結果でした。県警に「
アイマスクを付けてピックス体験しましたか?」と聞いたところ、「したことない」
との答えでした。今までの交渉の時には「これで助かっている人もいるのだから」と
、適当なことを言っていましたが、そのボロが露呈しました。
尚、高度化ピックスは、これ以上は増やす予定は無いと確認する事ができました。
4. 音響信号機
@イオン北東角、日赤病院側に新設
昨年、一昨年と、メンテナンスばかりで新設はありませんでしたが、久しぶりの
設置でした。他にも検討を進められており、設置のきざしの見えたところもありました。
A音の調整
「音が小さくて聴こえにくい箇所には、7月1日の陳情書提出の後、早速、音量を調整
していただけました。気の付いた所がありましたら、守る会までご連絡ください。
また、音響時間の延長を求めていた城西中学校前なども21時まで延長してもらえ
ましたので、見に行ってみてください。
B住民の声に気を付けながら!?
交渉の中で「維持・管理」という言葉がよく使われました。「住民のご意見を聴き
ながら、新設や調整をしていきたい」とのことですが、事前に意見を聴くことで寝た
子をおこさないかどうかが心配です。
Cおとしどころ
「歩車分離信号機なのかどうか分かるように」「押しボタンの場所を分かるように」
など、私たちも要望していますが、押しボタンの場所を示す小さい音を押したとき、
案内が流れるなどの意見も出しました。
尚、県内の歩車分離式信号機は88ヶ所、そのうち音響が付いているのは33ヶ所で
す。ちょっと増えました。
5.自転車走行
歩道やアーケード内の自転車通行について、学校やいろいろな場で「自転車通行は
いけない」旨、啓発は頑張っていただいているようです。
しかし、走行している本人にはなかなか通じていないようです。更なる工夫を求
めました。
6.情報アクセシビリティ施策推進法
今年5月に、国会可決・施行になった法律です。
市町村でのパソコン・スマホ教室実施、「パソボラ派遣」日常生活用具へのパソコン
周辺機器の認可拡大など、新法が後押ししていることを感じました。県としては、生
活用具の進んでいる内容を未実施の市町村に示して進めていきたい、と答えていただ
きました。
どんどん地方から要望を出して実現していきたいと思います。
全体を通じて、国の大きな法律の改正と共に少しずつ進んでいることを感じた交渉で
した。皆さん、守る会をどうぞ使ってください。
永田征太郎
今年度の最終回となる自治体交渉ですが、9月1日の18時〜20時の時間帯で県庁本
庁舎1階の正庁ホールで実施されました(県障害福祉課との交渉)。参加者は9名で
した。参加者から出された意見を中心に、主な内容について報告します。
1.産後ケアシステムについて
送迎保障や移動保障のために福祉有償運送の制度を充実してほしいという要望が出
されました。
2.同行援護について
ヘルパーが不足している問題については、令和3年度に実施された同行援護従業者
養成研修の受講者数の実績として、一般課程で80名、応用課程で16名の参加があった
と報告がありました。
また、ヘルパーの食事代を利用者が負担しなければならない問題も起こっているた
め、事業所との契約内容をよく把握し、それに違反しているような状況が生じた場合
には、障害福祉課に連絡してほしいとの話が出されました。
3.盲導犬貸与事業について
盲導犬貸与の頭数を2頭以上に増やしてほしいという要望についての回答がありま
した。予算としては、1頭目は県の予算、2頭目以降は高知県身体障害者連合会の予
算で対応しているそうで、今までは予算不足で貸与できなかったことはなく、年間最
大3頭を貸与したこともあったそうです。予算的には確保されているが、コロナ禍と
いうこともあり、訓練を実施する事業者との調整が難航することも想定されるので、
希望者は早めに申し出てほしいとのことでした。
4.補装具・日常生活用具について
白杖の石突を給付品目に認めてほしいという要望に対しては、昨年度と同じ回答で
あり、補装具は国の制度に基づいて運用しているので、自治体の判断で勝手に認める
ことはできないとのことでした。
音声キッチンスケールや暗所支援眼鏡などは、日常生活用具に追加されている自治
体が増えつつあるようです。
各市町村の点字器の上限額については、昨年度の調査結果が次のように報告されま
した。標準型の両面対応・真鍮製が10,400円、同じくプラスチック製が6,600円、片
面のアルミニウム製が7,200円、同じくプラスチック製が1,650円
拡大読書器の値上がりに対する対応に関しては、8月30日付で視覚障害者向けの日
常生活用具の値上がり状況のリストを各市町村に周知したそうです。すでに金額の見
直しを行っている自治体もあるようで、今後の対応が待たれます。
5.買い物問題
参加者から次のような意見が出されました。
セルフレジが増えたことで、人的サポートをいちいちお願いしなければならなくな
ったため、精神的なストレスが増えた。
お店によってセルフレジのシステムがだいぶ違うので、戸惑うことが増えた。
これから解決策を模索していくきっかけとして、県庁と包括協定を結んでいる企業
(例えばイオンなど)と話し合いを進めていこうということになりました。
6.生活訓練
中途視覚障害者の生活訓練の実施状況については、ルミエールサロンの職員3名に
より、昨年度50名に対し延べ231回の訪問訓練が実施されたと報告がありました。訓
練内容はスマホ・タブレットなどのICTに関する訓練が増加しているそうです。
7.防災対策
ルミエールサロンでは、津波避難タワーへの歩行訓練の希望があれば対応している
とのことでした。
参加者からは、地域の防災避難訓練が各地区で行われていますが、視覚障害者が参
加した場合、周りがどのような動きをしているかなどを説明してくれる人を配置する
など、適切な配慮がなければ当事者が嫌な思いをすることがあるという実態が紹介さ
れました。まずは自治体職員が必要な配慮事項について勉強し、それが地域の人々の
理解促進につながるような取り組みが必要であるという意見が出されました。
また別の参加者からは、「災害時における避難行動要支援者への避難支援」に関す
る同意書の提出を行ったものの、その後の動きがないため、自治体としての対策が進
んでいるのかといった疑問の声が上がりました。これに対して県からは、自治体に対
し早期に動くよう協議しているが、実際には進展していない。自治体としては、障害
当事者に対して一斉に同意するかどうかの書類を発送し、「同意する」という意思表
示の返信があった人について避難計画の作成を進めていくような考えであるとの説明
がありました。しかし、その場合、同意書の書類に気づかなかったり、同意書の提出
がなかった人が取り残される危険性があるため、当事者への声かけを行って提出を促
すなどの対応が必要であるとの説明がありました。
自治体交渉の最終日は盛りだくさんの内容で、参加者からも多数の意見が出されま
した。生活していて困ったことがあったときに自治体を動かして制度を改善していく
には、やはり障害当事者からの生の声を自治体担当者に直接伝えていくこと、直接声
を上げても担当者に理解してもらえないときには守る会として粘り強く交渉を続けて
いくことの大切さを改めて実感しました。
藤原 義朗
コロナ時代に入って2年半経ちます。東京にいる娘も大学の授業は、オンラインが
多くなってきたといいます。
パソコンやスマホを使い、離れていても会議ができるということで、企業などでは
もっぱらこれが中心に動いていると言っても過言ではありません。
さて、全視協でも9月12日の全国委員会で、福祉のオンライン会議を行うと提案しま
した。意見としては、福祉以外のテーマでも行ってほしい、と出ていました。
先日6月25日に、第1回福祉オンライン会議を行いました。ホストをしていただいた
石川の不破理事に、「10人も参加はないだろう」と言って受けていただきましたが、当
日は30人以上の集まりでした。テーマは、「同行援護」で関心の高さが参加人数にも
表れていると思います。
以下、簡単に会議録を書きましたので報告をさせていただきます。
第1回全視協福祉オンライン交流会
テーマ「同行援護」
日時 22年6月25日(土曜日)20時から21時6分
参加者 30数名
ホスト・連絡 不破理事
進行 藤原理事
コメンテータ 同行援護事業所おとも 担当:
鈴木貴達さん
20時開会
藤原 福祉交流会の歴史、オンライン交流会の始まり、オンラインに強くなること
が必須
参加者の紹介、約30名
1.病院通院待ち時間中抜き時間を実費支払いを求められる課題
横浜の野島さん 担当者変わり実費請求される。役所からも言われている。
濱田さん 藤沢へ行ったら通院介助枠なくなり同行援護で、役所でもゴチャゴチャに。
藤原:手つなでの通達確認の説明、病院で介助基本だができない場合は同行可能。
鈴木:通院介助、自治体によって対応異なっている。国からの通知は最近このことに
ついては出ていない。
藤原:院内掲示物たくさんある。情報提供もあるので同行を求めていただきたい。
広島の久保さん 同行援護の成立は中抜きからはじまったのではないか。
鈴木・藤原:役所へ求めていこう。
2.ヘルパーと食事 ヘルパーの食事代をおごらされる
織田さん 事業所がきちんと利用者に支払わさせないようにすること。
浅見さん ニチイ、コーヒー払っている。また東京で1人分出す。
依田さん 東京の事業所で契約に「利用者が出すと書いてあった。」
鈴木:食事代は議論多い。1000円を超える場合は利用者が払うようにしている。
ガイドの昼食代は1000円までは事業所が出すように変えた。ヘルパーも食べたいものと
そうでない場合ある。
参加者より 食事は誰もが食べるものだから利用者に求めるのはおかしい。
濱田さん 利用者がお世話になっているのだから出してしまっている例もある。
久保さん 利用者負担はいけないとルール化したほうがいい。
梅野さん ヘルパーが利用者の財布をもって食事代やヘルパー自身の買い物をして
いる例がある。
米山さん 契約をきちんと見よう。契約の時1000円以上の場合は利用者が、という
ように確認している。
藤原:ビアガーデンなど今後の課題。
3.同行は3時間までと言われた
杉田さん 事業所から「3時間以上連続しないように」と言われた。事業所と掛け
合い連続利用できるようになった。
長澤・梅野さん 長時間利用できている。8時間という時もある。
鈴木:算定点数の説明 60分300単位、長く使う程、どんどん下がる。長いと利益
率下がる。3時間こえると30分ごとに65単位。
藤原:3時間超えるとヘルパーの単価と賃金が同じになる。
鈴木:2時間ルール説明。間を入れると新規単価になる。事業所別ヘルパーにすると
算定できる。解釈、自治体ごとに変わる。
杉田さん 事業所変えたらオーケー。
大阪の横田さん 自宅から同行援護算定は始まるのではないか?
参加者 出先で別れる場合が多い。旅行などでも。
横田さん 契約の時、自宅からと契約させられた。
4.ヘルパー足りない問題
濱田さん 旅行先が見つからなかった。ボランティアを探している。コロナの影響
か出先で見つけにくい。出会いとさよならの場所違う時の交通費は利用者もちとなった。
米山さん 営業時間内しかダメと言われた。夕方6時まで、急な依頼には答えても
らえない。
北島さん 撤退事業所多くなりヘルパー足りなく、対応していただけなくなってき
ている。トラブル多くなるとホームヘルパーの方に人がまわされている。
鈴木:同行援護のみの事業は事業所の2パーセント。おともは330人在籍してい
る。撤退事業所多くなっている。マッチングアプリシステムの説明利用者とヘルパー
結ぶ、ヘルパー賃金時間給1800円。相性の調整できる。
藤原:同行援護研修会受講者の質が落ちてきている。
宇仁管さん 介護と同行、両方している人が視覚障害対応できてない人がある。
藤原:人数と質を上げていく方法はありませんでしょうか?
米山さん 移動支援のヘルパーは同行援護ヘルパーできていない人がある。
宇仁菅さん 福祉と就労事業地域生活支援事業という取り扱いの為、収入少ない。
なんとか同行援護にする必要があるのではないか。同行援護の中に経済活動という文
言を入れるべき。
藤原:情報提供は同行援護できていますか。質と量を確保が今後の課題。
5.酒のはいった席で事業所から派遣できないと言われた
北島さん そのことに印鑑を押さなかった。泥酔した利用者がケガしたという話を
聞いたことある。「安全」を考えた行動など役所が取り繕った返事がある。
鈴木:事業所ハンドブックでは、特にお酒のことにはふれていない。制度上には特
に記載はない。自治体によって社会通念上「酒は好ましくない」というところある。
藤原:石川の中村さんの同行援護、行けないところ記載ある。
鈴木:地域によって解釈違う。このように交流会をして情報つかみ、地域にもちか
えり、よりよい制度にしていきたい。
藤原:2か月に1回オンライン福祉をして、いろいろな課題に対応していきたい。
1月にはテーマ集会「同行援護」をする。講師は鈴木さん。
宇仁菅さん ヘルパーは酒飲んだらいけないのか。
鈴木:労働中は飲んだらいけないことになっている。
宇仁菅さん ヘルパーの車に乗っている時は同行援護算定できない。
藤原:福祉有償と同行援護、のばしていきたい。
濱田さん 旅行先での同行援護の見つけ方、社協市役所で探してもらう。
藤原:相談支援専門員に探してもらっている。
宇仁菅さん 相談支援専門員をつけるようにしている。有り難いと思っている。
藤原:障害者ケア等マネジメントは広く浅くである。
久保さん 利用者がケアマネを鍛える。同行援護が政治参加を派遣外にしているの
は問題ではないか。
鈴木:会合などは構わない。投票のガイドも構わない。
宇仁菅さん 私は投票も同行援護してもよいのでは。思想の強制にならないように。
藤原:サピエで同行援護ハンドブックを読んでいただきたい。点民18年4月号も
問う特集書いています。読んでいただきたい。
山崎さん ヘルパーと街に行って別れる場合の交通費負担について、支払っている
。1千円超えることある。
鈴木:交通費の取り決めは制度上ないので、まちまち。契約で載っているところある。
藤原:事業所によっていろいろある。
以上です。
今回、参加者も多く質問もたくさん寄せられ、1時間ちょっとでは話しきれません
でした。福祉オンライン交流会は、2ヶ月に1回としていましたが、緊急に7月30
日(土曜日)19時より、「同行援護パート2」を行うことになりました。
守る会の皆さん、オンラインに参加して全国の仲間の輪に入ってみませんか?
▼ 守る会の移動用 ▼
守る会 みちしるべ メニュー
守る会 メニュー
守る会 トップ
↑http://mamoru-k.net/