支援費制度でどうする(3)
藤原義朗
さて、新制度がスタートし1ヶ月半が経ちました。「残り時間数が気になる」「安くなった」「高くなった」「わからない」など、いろいろな声が聞こえてきます。皆さんのところはいかがですか。全視協女性部や障全協などではアンケートや取材をしています。少しずつ、新たな問題が浮き彫りになってきました。
今回は、重箱の隅をつついても面白くないので、取材をもとにしながら関連する社会資源を述べてみようと思います。
§ゴミ出しは?
患者さんからゴミ出し、特に不燃物の相談がよくあります。中にはホームヘルパーや地域の人などに頼んで出してもらっている人もいます。「世田谷方式」と呼ばれる高齢者家庭や重度障害者家庭が自治体に登録しておくと、清掃車のおじさんが家まで取りに来てくれる制度が高知市でもまもなく始まります。ご利用ください。
§手続き代行は地域福祉権利擁護事業で
先日、住宅購入に関する視覚障害世帯からの相談がありました。また、全視協婦人部高知大会では、署名や捺印のことが大きな問題になりました。介護保険と共にスタートした「成年後見制度」は大事ですが、診断書や登記などにお金がかかるのが問題です。もう少し使いやすいのが社会福祉協議会の行なっている「地域福祉権利擁護事業」です。
例えば、財産管理や法律的手続きなどの援助です。高知県では、対象を知的障害や痴呆症、精神障害の方などに絞っていますが、これを視覚障害にも拡大し利用料金も減免制度を作ってみてはいかがでしょう。銀行や郵便局の手続き、役所などでの法律的手続き、重要書類の管理などに活用できたらいいですね
§ファミリーサポート事業を生かす
子育てを終えたベテランママさんに、子育て家庭をサポートしていただく「ファミリーサポート事業」というのがあります。四国でも松山市や徳島市などいくつか始まっています。例えば、三つ子の家庭や託児などで利用されているそうです。
高知市でも準備段階に入りました。障害者家庭でも保育園の送り迎えや病院や健診、爪切りなどで困っている話を聞きます。障害者世帯への減免制度を設けてもらったらいかがでしょう。そして、楽しい子育てにつながればいいですね。
§移動支援にはこんな手も
今回の制度改定で特に変ったのは外出支援です。私の場合は、利用料金が安くなった方です。しかし、世帯によっては高くなった方もおられます。また、食料品などの買い物のガイドヘルプはダメという自治体もまだあるなど問題は様々です。
介護保険の適応になっている方も外出支援は微妙です。支援費制度でガイドヘルパーを利用するよりも介護保険でホームヘルパーに外出援助してもらった方が安いという方もおられました。
車椅子使用の方がよく利用されている「エムズまごころサービス」なども新たな動きが出てきました。ここは、運転手さんがホームヘルパー二級の資格をもっており、ベッドサイドのトランスファーからタクシーの乗り降りなどの身体介護も介護保険の適応を受けて事業を行なってきました。6月には運転手さんがガイドヘルパー講習を受講予定ですので、まもなく、支援費でもタクシーとセットになった外出支援も始まります。通院など便利になるかもしれません。
エムズまごころサービス 電話088−878−1181
§運動と賢い利用でより良いものに
さきほど、介護保険との関係について述べました。「ホームヘルパーに助けてもらわないとやっていかれないのに、介護保険の要介護認定では非該当になってしまった」という視覚障害と内部障害を併せ持つ方の声を聞きました。この方の場合、配偶者や子どもに収入がある為、支援費制度で非常に高い利用料金になったということです
。介護保険、支援費それぞれメリットがありますので、今後、その関連や運動については、慎重に論議していく必要があると思います
いずれにしても、支援費制度だけに頼らずいろいろな制度を利用しやすいものにし、上手に活用していく事が鍵になってくるでしょう。
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