「みちしるべ」2008年7月号より

時は200X年(総集編)
               松田哲昌

 このシリーズを書こうと思い立ったのは、世の中全体が、ある好ましくない方向に流されているのではないかと、直感したからである。不幸にして、まんざら私一人の危惧だけではなかったようだ。そこで、最悪のシナリオを書いてみたのであるが、これを書き始めた時から、社会は確実に変わってきたようだ。
 2000年初頭、小泉内閣から、安部、福田内閣まで、この間に、いくつかの重大な変化が起きてきた。まず、憲法を改悪するための審議機関が、衆参両院に設置されたこと。教育基本法が改悪され、過去の侵略戦争を美化し、愛国心が強制されかねない状況になったこと。戦場に自衛隊をいつでもどこへでも派兵できる、恒久法を目指す、大連立構想が、与野党の一部で企まれたりなど、いよいよその傾向があらわになってきたのだ。高知県においても、国民保護条例が可決されてしまった。
 今、私は、県議会の議事録や、各誌のスクラップにうずもれながら、書き続けたことを振り返っている。このシリーズを書き始めて、思い知らされたことがある。それは、ただ
書くだけなら、割合簡単だが、その裏づけになる資料を整えるには、想像以上に時間と労力を要することだった。
そして、いつか? X年が、来ないために、今何をしなければならないかも考えてみたい。(時すでに遅し)では、あまりにも不幸である。X年は、突然、偶然にやって来るのではないことは、これまでの歴史が教えているところである。すでにその兆しが現れているとしたら、皆さんいかがでしょうか? 



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